2015.08.19 夏ホヤを頂く
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グルメの石田さんから夏ホヤを頂きました。
ホヤの美味しさ
こちらで過去にもホヤの事を書いておりますが
私はホヤが好きです。

表面的な味覚でしかとらえられない方には不評ですが
実に奥深い海の滋養の味がたまらなく好きです。

今回石田さんが面白い事を言うのです。
「そうめんの漬け汁に・・・」

一瞬でピンときました!
生唾を飲みました。

こんなことは久しぶりです。
好みが一致すると絵図が即座に脳裏に浮かぶものなんですね。
味まで理解できました。

それでさっそくその夜に試しました。
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酢のもの
天ぷら
と定番も作ります。

もちろんそれはそれで美味しいのです。
かつてはヌーベルシノアででもさんざんトライしてきましたから
受容度の高いホヤの美味しさは承知しています。

この日のメインはこちらです。
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漬け汁をそうめんのツユに加えて
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食べます。
う~んこれはたまりません。

そして酒をひとくち含みます。

甘いんです。
まさに絶妙!
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いや美味しい事を教わりました。

ちなみに
石田さんが製造元にこのやり方を
「どうかしら?」と尋ねたところ
「あまりお勧めはできませんが・・・・」
と答えたそうです。

お好きな方にはたまらない味ですが
もし、実践されるのなら自己責任で行ってくださいね。

夏ホヤ
暑さを忘れる新鮮な味わいでした。
2014.11.18 栗-1
栗は子供のころ山で採るものでした。
秋になると子供らは一斉に竹べらを用意します。
山の青栗を採り、靴で踏みつけ そのヘラでトゲの上からグイと
割り、中の青栗を取り出すのです。

山の天然の物は柴栗(しばぐり)と言い小粒で甘い物です。
まだ緑の柔らかな鬼皮をむき、親指の爪で渋を削り取ってから
食べるのです。
甘くて柔らかく食べ物の少ない子供のころにはおやつ代わりになりました。

でも子供の事ですから、
その渋のついた指を服に擦り付けるんですね。
その時期には皆、服が渋で染みになっていたものです。

今は山の栗を採るのはサルぐらいになりました。
山でサルが食い散らかした栗の残骸を見るとちょっと
後ろめたいような気持にさせられます。

今は私もこんな立派な栽培栗しか触らなくなりました。
子供の頃は「鬼栗」と呼んだものです。
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栗の事なら子供のころから嫌というほど知っていると
思っていたのが大間違い!
念のためネットで調べてみたら最初ッから間違いでした。

チルドか冷凍で3日以上1か月未満保存しろ

と言うのです。
糖化が進んで甘くなるのだそうです。

知りませんでした!
でもやってみたら本当に甘くなりビックリ!
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それで栗の甘露煮を作りました。
結局こうして更に甘くするんですが・・・

しかし、本当に手のかかるものなんですね。
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鬼皮をむき、渋皮をむきます。
栗はその工程全てを水に漬けながら行います。

皮をむいたものを常に水中に入れて置くんです。
この渋皮をむくのが大変で3日かかりました。

毎晩冷蔵庫で保存しつつ行い、最後に全部むいた時には
嬉しくてすぐに茹でました。
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これが災いしたようです。
冷たい水の中からすぐに茹でたものですから盛大に割れました。 

でも、栗きんとんでつぶすのならこれでもいいか  と
都合よく受け止める事にします。
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煮沸消毒したビンに詰めて完成。
1.5か月くらいは持つそうです。

今現在はまだチルドで生栗を保存しています。
正月用の甘露煮と、お初の栗渋皮煮になる予定です。
さて、いかがなりますやら。


Yさんからサクラマスをお預かりしてきました。
先日G氏から頂いたスズキの時にアメリカンロールをして
やっぱりサーモンでのトライがしたいと思っていたばかりです。

今年は名人のG氏もこれが思うように上げられなかったという事で
今年度お初のサクラマスを手に取ることが出来ました。
トラウトロールが作れます。

料理人と言うのは厄介な習性があり
食べたいというより触りたい、自分の手で美味しいものを作り出したい
という欲求の方が強いのです。

現に前回も今回も作るだけで
後は全てお配りしてしまいます。

今回の物は”神様”が網で獲ったものだそうで
春から冷凍保存されていたものです。
それならすぐに調理にかかれます。

三枚におろし、アラを炊きほぐします。
身に塩と酢でしっかりと長めの時間をかけて締めます。

ほぐし身に甘酢をまぶして中に挟んで押し寿司に仕上げます。
最後は上に柚子とイクラを乗せて完成。

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お次はロール寿司です。
今回は紅鮭の筋子を海苔で巻きます。
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紅鮭も「マス」ですからきっと合うはずです。

これを巻き込んでロール寿司に仕上げます。
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出来ました。
濃厚な ます寿司の完成です。



以前に「一升漬け」を販売したところたちまち売れ切れてしまいました。
それ以後はずっと品切れ状態が続いています。

なぜかというと
一度に沢山仕込むため大量のストックが難しく
しかも熟成させるのに3~4年かかるためその間は欠品
せざるを得ないという訳なのです。

東北地方ではどこの家庭でも普通に作られるという
この一升漬けがここ富山では馴染みが無いにも関わらず
あまりに旨いので前回はすぐに完売してしまいました。

御存じないという方の為に改めてご説明しましょう。
青唐辛子の刻み   一升
麹            一升
醤油          一升

を混ぜて寝かせたものです
が!
当店ではこれにさらに
天然行者にんにく刻みを  一升加えて仕込みます。

こうして書くと実にシンプルなものです。
郷土料理や伝統食というものはこういうものなんですね。
事実、
以前に青森から送っていただいた一升漬けはいたってシンプルな物でした。
そう おそらく今皆様が御想像した通りのモノでしょうね。

普通じゃないものを作るから自信をもって販売できます。
想像もつかないほど美味しいからこそ再び買いに来られます。

その秘密は
材料の吟味に尽きます。
辛味が鮮烈で香りの強い青唐辛子
真面目な麹
天然の香り豊かな行者にんにく
そして極め付きが”本醸造のなま醤油”です。

本醸造という名はいかさまな酒のおかげで随分安っぽく成り果てていますが
醤油の世界では健在です。
一般的な醤油は材料を絞ってから塩水で伸ばし、
各種添加物で味を整えて販売されています。

ですから例えそれで作ったものを何年寝かそうとも
味は化けません。
それどころか妙に黒ずんだり、逆に味が薄くなったりして飛ぶことすらあります。
当然でしょうね
塩水で伸ばして魔法をかけているんですから
時間とともに魔法も解けるってもんです。

火を入れていない味噌や醤油というのは
加熱したり寝かしたりすることで劇的に旨くなる性質があります。
材料が生きているからです。

その代り吹きこぼれたり、カビが発生したりと
保存に神経を使うというデメリットを補って余るほどの旨みです。

私が使わせていただいている醤油は
絞ったままの、酒で例えるなら原酒のような醤油です。
全く薄められていません。
無添加、非加熱、の”本醸造なま醤油”です。

これは4年で見事に化けます。
麹は甘くとろりと溶け
唐辛子は角の取れた香り立つ辛さ
行者にんにくは刺激臭がまろやかになり
そしてそれらをひとまとめに醤油がドンと抱え込んでいます。

食べ方は
そのまま熱いご飯に少量乗せて
またはそれを焼き海苔でくるんで食べる。

納豆に混ぜる。
生卵に入れて卵かけごはんに。
大根おろしにかける。
焼き肉のたれとして。
などなど
自在にアレンジができますが、

ひそかな私のお気に入りは
「白片肉  パイペンルゥ」のタレとして使う
というものです。

豚ばら肉の塊を沸騰した湯に入れます
再沸騰したら弱火にして約50分
上げたら自然に冷まして薄くスライス
きゅうりのスライスを敷いた上に肉を並べ

この一升漬けをかけて食べるというものです。
箸と酒が止まらなくなること請け合いです。

ただし少々辛いですから
辛いのが苦手という方にはおすすめしません。

200g入り  ひとビン 500円での販売となります。

また、
まことに残念ながらこれの仕込みは今回限りとなります。
あまりに手間と時間がかかりすぎるからです。
お好みの方はなるべく多めにお買い求めになられるよう
添えておきましょう。

絶対に裏切りません。
お約束いたします。

「料理人はどこにも無い美味しいものを作りたくて精一杯
頑張るんだ
ただ金が欲しいのなら金を転がせばいいし、
人並のものが出来たからといって喜んでいるようじゃいけない
それ以上を常に目指さないとダメなんだ」


私が崇拝する達人の言です。

また一品その言葉に恥ずかしくないものが出来ました。






2014.06.25 かつお節
かつお節を作りました。

昔から日本人は
少なくとも海岸線近くに住まう日本人は皆これを
やってきました。

母は毎年秋に宗田ガツオを乾して正月の雑煮に削って
食べさせてくれました。

かつお節には本ガツオで作る背中側の1/4の雄節と
腹側1/4の雌節
それと宗田ガツオで作る1/2の亀節があります。

つまり、本ガツオは大きいので1/4に下ろすのに比べ
宗田ガツオは30cm前後と小型なので一匹を4本にしないで
片側一枚をそんぐり使ってかつお節にするわけです。

その出来上がりの形が亀のようなので亀節と呼ばれます。

ずっとこれを再現したいと思ってきたのですが
加工の仕方が解らないまま過ごしてきました。

鹿児島のかつお節製造工場の様子をTVで見て
やっと答えを知りトライ出来たという次第です。

お湯は100度まで上がりますが、
その手前の70度、80度、90度という温度帯は魔法の温度です。
ハムを作ったり
ワサビ菜の辛味を出したり
とにかく不思議な効果をもたらします。

カツオを100度の湯で煮るとただ煮崩れてしまいますが
90度でゆでると崩れなくて、しかし火は通るのです。

宗田ガツオは頭と腹を出したら丸ごと90度の湯で40分煮ます。
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そうして3枚に割ります。

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手で簡単にはぐれます。

わき腹や真ん中の骨をむしり取っておきます。
新聞紙などで2~3重にくるんで乾します。

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重さが感じられないくらいに軽くなったら完成です。

これは長く乾しすぎました。
削ると粉になってしまいます。

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さっそく炊き込みご飯にしました。
具は小口ネギのみ。

昆布と酒と醤油だけの味付けです。
先に味付けをして火にかけます。
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湯気が出始めたらかつお節というより粉末を投入。

炊きあがりに小口ネギをざっくりと混ぜて蒸らします。
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これがめちゃくちゃ旨いんです!

一般に
本枯れカツオは香り
宗田カツオは旨み  と言われていますが
そんな概論なんか吹っ飛んでしまいます。

そんな小賢しいことを言う暇があったらこれを食べてみろ
と言いたいぐらいの旨さです。
硬く締まったカツオの身がぶわっと爆発したように
はじける旨さとなって出るんですね。

香りだって十分立ってます。

そこで次に家内の郷里の「かつお味噌」にトライです。
これは味噌と削りたてのかつお節を混ぜただけのシンプルなものです。
熱々ご飯にのせて食べます。

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こ これはやばい!
他のおかずに手が出せません!

なんという強力ななめ味噌でしょうか!
これは危険です!
食べすぎてしまいます。

鹿児島の郷里では他に「茶節」というものがあるそうです。
お椀に味噌と削りたてのカツオ節を入れて
熱いお茶を注ぎ、
それをご飯にかけて食べるものだそうです。

今までうかつにもなんだか質素な食事のように
感じて聞き流してしまっていました。
とんでもありませんね!

今はその強力な破壊力が解ります。
きっとタガが外れて食べすぎるに決まってます。

アブナイ アブナイ この年になったら自制しなくちゃいけません。

そうそう、かつお節といえば
他にも「うずめ飯」やら「日向飯(ひゅうがめし)」
「冷や汁」「鶏飯(けいはん)」など危険なメニューが
いっぱいありますが、この味を知ってなるほどと得心しました。


宮本重工さんがナマズを持ち込んでくれました。
前回スッポン鍋を食べ終わった時に
『今度はナマズを皆で食べよう』と言っていたのを
覚えていてくれたんです。

初夏に産卵を終えたナマズは冬に備えて荒食いするそうですが
私はこの一番美味しい時期の10月ナマズはまだ釣った事が
ありません。

現在の課題です。

ナマズのメニューは8品を用意しました。
面白い食材だから何にでも合うはずと確信していながら
機会を作れなかったのですが丁度よいチャンスでした。

お酒を飲まない人たち&仕事を終えて遅くに来店
ということでまずは

「ず丼」
初ナマズということで大喜びで食べてくれました。
でも、これはサービスメニューであっても私的には
目新しくは無い一品です。

続いて「鍋」
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これは調理にかかりきりになっている私の代わりに
柴さんにお任せします。
なかなか手際の良い人です。
いかにも料理好きな柴さんでした。

「甘酢」
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酢豚の要領ですが久しぶりに合わせタレを仕込みました。

「里芋と揚げ出し」
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里芋の揚げ出しは秋の好物ですが
ねっとりと粘る芋とナマズの組み合わせは案の定
ばっちりでした。

「卵とじ」
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金沢名物の”すだれ麩”と合わせます。
むっちりとした食感が合います。

「から揚げサラダ」
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ドレッシングの塩がちょっと強すぎましたが
やはり揚げ物系は安定した味に整いますね。

「蒲焼」
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これは案外に手間がかかります。
七輪での焼き立てを供しようとすると
なかなか按配が難しいものです。

でもお陰で皮目がパリッと身肉はふわりと仕上がり
昨年に仕込んでおいたナマズ用の蒲焼タレと
直前に擂った粉山椒の力で大好評。

柴さんは粉山椒をお土産で持って帰ってくれました(嬉)

最後に
「ラーメン」
本当は蕎麦を鍋のツユでつけ蕎麦にしたかったのですが
皆は満腹状態で入らないとのことで
ラーメンに変更しました。
忙しかったので画像はありません。

ラーメンは別腹なのでこれも完食。

今回はあえてオーソドックスな品揃えをしましたが
これで一通りの感触は得る事ができました。
次回はもっとハードルの高い料理にまとめる事ができます。

ナマズは宴席料理や高級なランクにまで押し上げる事が
可能な食材です。
間違いありませんでした。

翌日
残ったダシでマイタケの天ぷら蕎麦を作りましたが
その深いコクと上品さの両立した味わいに
驚き、いっそう確信を強めました。

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ナマズ
あのとぼけたようなキャラからは想像できない
とてつもない旨さを内包しています。
これからじっくりとこれをお披露目することが出来れば
最高の喜びです。




(ついで)
そぼろのお月見蕎麦

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2013.10.14 イワナの寿司
お客様のTさんが大きなイワナを持ち込んで
寿司を所望されました。

ご本人はもう少し大きなサイズを狙ってるそうなんですが
現在では誰もが認める大物ですよ

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こまかなサイズとは顔つきや筋肉が異なってきて鮭のような
風格が出てきています。
ご立派!

私も一度だけこのクラスのものを上げたことがありますが
アタリの瞬間から違いますし、竿の持って行き方も別格です

などと語りだしたらきりがないのでこの位にして・・

渓流魚や川魚は寄生虫が心配なのでー20度以下で
1週間保存してから調理するのが生食の基本です。

お預かりしてから8日間猶予をいただいて
この日は三種類を作りました。

イワナは味が淡白なので色(味の個性)をつけたく
色々と組み合わせを考えます。

 押し寿司
ご飯にミョウガの酢漬けとゴマを刻んで混ぜ込みます

 手綱寿司
胡瓜や卵で色合いを変化させつつ味を組み合わせます

 太巻き
かんぴょうを山がんぴょうで仕込みます


塩と酢でイワナを絞めて、小骨を抜き皮をはぎます。
押し型の底にイワナを敷いてご飯を詰め軽く押し込み
型を天地返しにして重石をのせて3時間置きます。

これでイワナの旨味と脂がご飯に落ちて旨くなるのです。

手綱はラップで巻くときれいに簡単に出来ます。
見た目よりも実際は容易です。
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さて
山がんぴょうの話
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これは春に採取したオオバギボウシの葉柄です。
サッと茹でて水晒ししてから乾燥保存します。
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昔から救荒作物として利用されてきた山菜のひとつです。
乾燥して保存して置けば何年でも持ちます。

今はまるで活用されなくなった乾物ですが将来は
何が起こるか誰にも判りません。
せめて、知識だけでも次の世代に残さなければならない
と私は心に秘めております。

あとはシイタケ、玉子焼きなどで巻きます。
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喜んで食べていただければ何よりです。

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約束を果たしたら気持ちが楽に解放されます
楽しい仕事でも約束は心地よい緊張をもたらすからです。
そんな夜には残ったアラをじっくりと焼き
骨酒を楽しみました。
大きいと味もまた違ってきます。
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お陰さまで楽しく、美味しくいただきました。
Tさん、ご馳走様でした


2013.08.20 実山椒
今年も実山椒の収穫に行きました。

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家内の叔父さんが兵庫県で料理店を営んでおり、
何かの折にちりめん山椒を頂いた事から開眼した
実山椒の美味、
今年もそれを求めて東へ西へと車を走らせます。

叔父さんが送ってくれたのは1キロはあろうかという
大量のちりめん山椒でした。
それを初めて食べたのは30代後半の頃です。

『この山椒が無ければもっと美味しいのに・・』と
思わず口にしてしまうほど大量に入った実山椒。
しかも市販のちりめん山椒に入っているような小粒ではなく
大きな粒のそれはピリリではなくヒリヒりするくらいの
刺激の強さでした。

ところがご飯と一緒に食べるうちに知らず知らず慣れ始め
ひと箱を食べ終わる頃にはすっかりはまってしまっていたのです。

今では市販のちりめん山椒にはいっている極小粒の
実山椒なんて物足らないくらい実山椒の刺激の虜に
なっています。

叔父さんが採取するのは有馬だそうです。
そうとう険しいところでかなり苦労をして採ってくると
聞きました。

有馬といえば山椒の別名になっているほど有名な産地です。
ちりめん山椒も別名「有馬じゃこ」と呼ばれるほどです。

それを知りながら重大なヒントがそこに隠れていたと
いう事を今年になってようやく解りました。

私の住む富山市を中心に標高の異なるポイントを
現在10箇所ほどを押さえており
例年標高の低い地点から順番に収穫して回ります。

低い地点からまるで桜前線が北上するように完熟していくからです。

完熟させてしまっては面白くないのです。
硬くなりすぎてしまいます。

かといって未熟すぎて小さく柔らかすぎるのも風味に乏しく
(市販のちりめん山椒に入っているもの)
強い刺激に慣れてしまった現在はちょうど良いタイミングで
収穫することがとても難しくなっています。

ベストタイミングは一瞬です。

というわけで毎年このタイミングを取ることに汲々と
していて先ほどの重要な点を見落としていたと言う訳です。

山菜のコシアブラなどもそうですが
山麓に実生苗が沢山ある地点ではそのずっと上方に
種をばらまいてくれる母木があることが多いのです。

母なる木と書いてマザーツリー
その種がかえって苗が芽吹き繁栄、繁殖するわけですね。

でも、その地の環境や土質、水の条件などによって
大量に生存できる所と難しい所がある訳です。(多分)

で、大量に繁殖できていると言う事はその種にとっては
非常に生存に適した場所なんだと言えますよね。
                     (きっと)

すると先ほど書いた有馬の山椒などは
他の地域の山椒と較べてどう違うのかと言いますと

1、大量に採れる
2、風味が良い

という点が挙げられるのです。

なぜ、そんな事が言えるのかというと
ここ富山でも一番繁殖率の高い地点の山椒が
一番香りが強いという事が判ったからです。

20年近く実山椒を追いかけ続けてやっとそんな
当たり前のことに気づいたのか!
とお叱りを受けそうですが

言い訳させていただければ
収穫のときはどこでも山椒の香りがプンプン漂う事と
やはり
収穫そのものに手一杯だったことに原因がありそうです。



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北陸近郊では飛騨地方が山椒の栽培が盛んで
やはりそういう意味でも一日の長があり
ごらん頂くような水のきれいなところで、
その栽培地を眺めるだけでもとても参考になるものです。

また、
直売所などでも家庭の主婦向けに出品されるそうです。
それを買い求めてどんな家庭料理になるのか非常に
興味をそそられる所ですが

店番のお母さんの言が凄いのです
「今はもう遅いから出物は無いですよ」

なんと!
程よい硬さの秘密はご当地ではとっくに常識レベル
なんですね。
流石!産地おそるべし!

現在私が一番最後に採りにいく山田村スキー場ポイント
に行った時の画像を出しましょう。

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ゲレンデには花が咲き乱れ蝶が舞っています。
そこを走り抜けて奥へと行くとお目当ての山椒の木が
あります。

でも、実山椒採りというのは静かに摘み取るだけですから
熊との遭遇が怖い山菜採りです。

そんな時こそ頼りはカーステレオです。
こんな時のために私の軽四には不相応なほど大音量の
出るスピーカーを積んでいるんです。
ただし、音質は無視。

鳴らすのは春先はワグナー、
今回はドゥー・ビー・ブラザーズの「Listen To The Music」


この曲を鳴らしながらこんなひと気の無い初夏の山道を
走っているととても快適です。

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先ほどのゲレンデがもうあんな所に見えます。
あのゲレンデからはパラグライダーで飛ぶ人たちも
いますがきっとこんな快適気分なんでしょうね。

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好天と収穫に恵まれ今年も素敵な山田村のドライブを楽しめました。
毎年ここでは山椒採りの一度しか来ませんが
義姉と三人で夕焼けを見に来た事があり
砺波の散居村の夕景にはいたく感激をしてもらった事があります。

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素晴らしい景色が楽しめます。

でも、山に入るならこうして熊に
「聞けよ!」
と音楽でも鳴らすことをオススメしておきます。
でもあまりに大音量だとかえって熊を怒らせてしまい

「やかましいっ!

っと熊の逆襲に遭遇しても私は一切関知いたしませんので
あしからず。


実山椒はキャラブキにも加えます。

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2013.08.07 ず・バーガー
ナマズを使ったハンバーガーを作りました。
名づけて「ず・バーガー」



3分クッキングのテーマを聞きながらお読みください。

「はい ♪
今日は皆様の家のお近くどこにでも居るナマズを使った
メニューです。」

「ナマズが余った時に簡単で便利なメニューですので皆さんも
お試しくださいね。」

(アシスタント)
「ホント 
大きいナマズだといっぺんに使い切れない事ってありますよね~」

「そうなんです
せっかくの良質な蛋白源なんですから無駄なく
しかも美味しく食べたいものですね」

「では今日の材料です」

ナマズ切り身           
塩、コショウ、カレー粉少々    
薬味             
ネギ、生姜、青紫蘇、ゴマ    
衣           
小麦粉、片栗粉、卵      
ベーキングパウダー        
揚げ油適宜       

丸パン
マヨネーズ+だいだい酢少々
トマトソース
レタス
胡瓜
トマト
甘長とうがらし

「ではナマズに下味をつけて衣を合わせましょう」
「今日は薬味が沢山入るんですね」
「それはナマズにクセがあるからと言う事ではないんです」
「淡白な身ですよね?」
「あまりにあっさり上品だから色をつけてあげるんですよ」
「なるほどただのフライじゃ月並みなんですね」

ナマズの下味、ボウルに刻んだ薬味と卵と粉が入る

「ベーキングパウダーも入るんですね?」
「普通の衣だと冷めると柔らかくなりますでしょ?」
「時間が経ってお子様が帰宅してから食べてもカリッとした」

「あぁクリスピーな食感を出すんですね?」

レタス、トマトスライス、胡瓜スライス、
甘長とうがらし小口切り

「この甘長とうがらしというのは辛いんですか?」
「いえ、全く辛味はありません」
「ペペロンチーノの風味を出すけれど辛くないので便利な
食材なんです」

続いてパンを1/2にカット

「これはどちらのパンなんでしょうか?」
「はい、今日はShuuさんのパンをご用意しました」
「あそこのパンは美味しいですよね~」
「そうなんです、美味しい具材には美味しいパンでないと!」

ナマズ切り身を揚げ始める

「カリカリになるまでじっくりと火を通していきます」

「このパンに塗るマヨネーズにだいだいの果汁を入れるのは?」
「揚げ物をさっぱりと食べる為です」
「そうなんですね」
「いえ、そうなの!」
「揚げ物に油を加えるだけじゃくどいでしょ?」

パンの内側にマヨネーズを塗り
下からレタス、トマト、レタス、ナマズ、と乗せ
トマトソースを掛ける

その上に甘長とうがらしをぱらりと散らして
胡瓜のスライス

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「これで完成でしょうか?」
「これにラップをかぶせて包んでしまいましょう」
「そうすると全体が安定します」

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「そうなんですね」
「いえ!そうなの!」

「では本日の美味しいポイントを教えてください」
「マヨネーズは松田のマヨネーズに限ります」


「あ”--っ それじゃスポンサーが aaaaa  (><)」


2013.07.27 すっぽん

富山市高屋敷のアングラーズ釣具店の店長をしている柴さんは
古くからのお客さんです。

その仕事柄
釣り全般に詳しいのはもちろんですが、
川の生き物に対する造詣が深く川魚初心者の私にとっては
先生のような存在ですっかり頼りにしています。

大勢のお客さんからも随分頼りにされているようですが
自然とそんな人のところには愉快な人たちも集います。

宮本重工釣果戦略研究所
の宮本重工さんもそのひとり。

いずれも楽しい釣り仲間達(アングラーズ)です。

この宮本重工さんはヘラブナなども釣りますが
珍しいのが「すっぽん」釣りのプロという事です。

先日は二匹をお預かりして皆で食べました。
楽しいすっぽん宴会です。

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ひょうきんな宮本重工さんの本日の獲物。
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さばいて二時間煮込み
丸鍋がこちら。

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から揚げ

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〆の雑炊

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最後のラーメン

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と大いに語り、飲み、楽しい時間を過ごしました。

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どんどん愉快な輪が広がって
珍しい獲物を美味しく食べたい仲間が増えていきそうです。


ところでこのすっぽん
亀の仲間には違いないようですが
皆さん『亀はのろまな奴』と思ってませんか?

すっぽんはまるで違います!
普通の亀と違い手足は収納せず
鋭い長い爪で懸命に動かします。

これは野生の動物に甲羅をつけたような生き物ですね。
イタチ、テン、・・
いや一番近いモノに挙げるならモグラでしょうか?
モグラはうっかり地表に迷い出ると物凄い素早さで逃げ回り
あっという間に地面を掘り返して逃げていきます。

あの鋭い爪をもった前足を連想してしまいます。

次に恐ろしい凶器が口です。
亀はのんびりと首をもたげますがすっぽんは激しく動きます。
伸ばしたり縮めたり左右に振ったり
その間口をカチカチと音立てて噛み付く対象を求めるのです。


Yさんは川舟に乗り投網を巻いて鮎を捕るプロです。
先日大雨で増水した川ですっぽんが丁度潜るところに遭遇
その真上から網を投げたのですが逃げられたそうです。

ところがその後船の周囲を幾度も顔を出してはもぐりと
まるで船の周囲をグルグルと回るようにしていたと
言うのです。

何をしていたのか?
鮎を食べる為です。
事実網の中から取り出した鮎の中に脳付近を齧られた鮎が
いたそうです。

アオリイカを釣る時に豆アジを餌にするとやはり
脳天を直撃する事から考えてもこういう魚を丸呑みしない
タイプの肉食系の奴らは魚が脳をかじると大人しくなるという
知見を持っているようです。

しかし、大雨の後の増水した川というのは泥水の濁流、激流
なんですがそんな中を自在に泳ぐのは鮎かそれを捕食する
サクラマスぐらいだと思っていたのにすっぽんまでが
自在に泳いで捕っていたとは驚きです。

それにしても
Yさんはその時点で野生のすっぽんと鮎の捕りっこを
していた訳でまぎれもなく野生の目と勘を持った人ですね。
どちらにも恐れ入りましたと頭が下がります。

そしてもうひとり
そんな凄いすっぽんを狙って釣り上げるという宮本重工さん
あなたはやっぱり凄い人です。
脱帽 m(~)m

またおいしく食べましょうね。
ありがとうございました。




2013.06.10 メンマ抜きで
最近「メンマ抜きで・・」とオーダーされる事が
多くなってきました。
「当店ではメンマはずっと入れてません」とお答えして
「中国産の食材も使用しておりません」と付け加えます。

すると我が意を得たりとばかりに頷かれます。

メンマとは
に入れる筍(チク)が語源だと言われます。
麺マというわけですね。
かつては台湾が主な生産地でした。
昔、日本が統治する以前は台湾はタコノコの群生する
住みにくい島だったと聞きますがおそらく全土を覆うほどの
麻筍が自生していたのでしょう。

この「麻筍」は日本の真竹や孟宗竹と違いやや伸びたもの
を収穫します。

茹でて乾燥させ、醗酵させたものが「乾筍」(がんせん)
それを日本に輸入して水戻しをしてたっぷりの塩をまぶした
ものが「塩メンマ」
ここで初めてメンマと名が付きます。

乾燥から戻したものに味つけをした物が「味付きメンマ」
として流通しています。

お店では乾筍から使用するところは少数派です。
乾燥状態から戻すのに結構な時間がかかるのと
一袋の単位が大きすぎる為です。

一般的には塩メンマの塩抜きをして味付けするか
またはそれの塩を抜いただけのもの。
最近では味付きメンマを仕入れてそのまま使うところも
多くなったと聞きます。

ところが、台湾では
度重なる台風の被害から一時壊滅状態にまで
追い込まれました。

他の麻筍の原生する国というのはタイと中国の一部です。
タイは産地としてまだまだで、ここで中国が台湾産に
取って代わって大々的に使用されるようになったのです。

私達はこの少し前から使用をやめました。
台湾華僑のやりたい放題に嫌気がさし
かつ、
中国人たちの食品に対するいい加減さに恐怖したからです。

無くても成り立つのにわざわざ入れる必要もありません。
その分皆が好むネギを少々多めに入れれば事足ります。

ネギと言えば
以前に中国の大きな祭礼の時にネギ相場が高騰した事が
あります。
聞けば
中国国内が祭りで人手が無くなりネギの輸入量が激減した
からということでした。

驚きました。
いつの間に日本産のネギ相場に関与するほど輸入量が
増えていたなんて!  と。

見方を変えれば
それだけ中国産ネギを使用するところが多いと言う事なのです。

確かに安いですから起こりえることなのですが、
一体誰がそんな物を使うのだろうと疑問でした。

安ければそれだけ利幅が大きくなります。
ですから儲けたいから商売を始める  と言う方は
一も二も無く飛びつくでしょう。

商社は「資本主義社会なんだから利益追求は当然」と
胸を張ります。
でも、食べ物仕事はそれじゃいけません。

自分が食べないものを売り付けるなんて言語道断です。
「文春」の告発
この記事を読み改めてそれを痛感しました。

確かにこんな恐ろしい記事を読むと
『よし、これからはメンマを食べないでおこう』
と思うのも無理ありません。

米、油、野菜、あらゆる食べ物が輸入されていますが
恐ろしい食品を輸出するのはだいたい米中の二カ国が主です。

なかでもその最悪さでは人類21世紀まで想像だに
出来なかった地溝油でしょう。
まったく恐るべき人々です。

そんな”超人類”が手にした天然素材の儲かる素材の
麻筍はこれからも懐を潤し続けるのだろうと思っていたら

あにはからんや
せっかく棚からボタモチのように思いがけなく手に入れた
打ち出の小槌の竹林を破壊しているのだそうです。

え”???
と聞くと
中国では今、温州みかんが大人気なのだとか
それで
『え~いこんなタケノコじゃ儲からないや』とばかりに
全伐してミカンの木を植えているというのです。

ご存知のように自生していた竹林といえど全伐をすると
いずれは絶え果てます。
そしてこれも日本人なら皆知っていますが
ミカンの木は一度植えたら永遠に収穫可能なわけではありません。

とにかく目先の利ばかり追いかけるとこういう
滑稽なことになるという見本ですね。

笑ってばかりもいられません。
いま、安ければなんでもいいというような風潮が蔓延して
いる現状をみると薄ら寒く感じませんか?

いったん安値に慣れてしまえばもう元に戻れないのが常です。
そうしていつの間にかここまで中国産の食品が溢れて来たのじゃなかったでしょうか?

もう一度人間にとって一番大事な事とはなんなのか?
安心な食べ物ってどういう事なのか
ただ美味しい、美味しくないという味覚以前に
なにかを忘れ置いて来てはいやしないか

思い返してみませんか?

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ホタルイカをフードプロセッサで粉砕して調理する
という事を始めてからは止まらなくなっています。

面白いのです。

イカといってもその種類は沢山ありますが最も一般的な
スルメイカ(真いか)は身肉の風味がとても強く
ほんの少し材料に混ぜるだけで効果抜群です。

でもそれがゆえに毛嫌いされることも多いのです。
「何に入れても同じ味にしてまうからアカン」とは
京都のさる老舗の超有名なご主人の言であります。

このご主人は自店で使うのはその他のアオリイカ、ヤリイカ
またはアカイカなどを用途、季節に応じて使い分けるのだそうです。


30年前まで私はホタルイカを獲りに行くのを最優先に
していました。
文字通り狂っていました。

それこそ冬の頃から(冬でも夜釣りをしていながら)計画を
練り、季節、月の運行、風の具合、等などを読み
二月ごろから鬼の形相で獲り捲ったものです。

(ですからその頃の猛勉強のおかげでいつ頃獲れるかという
読みが今でも90%は当てることができます。行きませんが)

そうして
ご近所に山ほど配り、あらゆる調理法を試しました。
釜飯、串揚げ、焼き石、チリソース、麺類、煮込み・・・
そうして結論。

「ホタルイカは何にしてもホタルイカの味にしかならない」

獲りに行くのを止めたいきさつについては書きとどめたい
事もありますが、
それはさておき、
大量に獲らなくなった分色々試さなくなってはいました。

でも最近思うところがあって粉砕してみるとまるで違った
結果に自分でも驚いているところです。

ホタルイカは真イカと違って身肉自体の味は弱いのです。
その代わり肝の味が強いので、その印象が決め手になっています。

つまり、肝の味をホタルイカの味だと錯覚している訳です。
ちょうど牛肉の味と牛脂の味を混同、錯覚しているようにです。

それを説明するまえにホタルイカのオスの話をしましょう。
オスは冬の間にメスの体内に子種のカプセルを移植したら
もう用無しになるそうです。

そうして春の産卵時期に獲れるホタルはほとんどメスばかり
なのですが、ほんのまれにオスが混じっていることが
あるのです。

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これが私の作る沖漬けに入っていたオスです。
2~300匹に1匹くらいの割合でしょうか
上のメスに較べるとまるで子供ですね。

とても小さな体で有体に言って不味いです。
なぜなら
白子も卵巣もない、オマケに産卵に備えて体力を溜め込むべき
肝も未成熟だから言って見れば”からっぽ”だからです。

でもむしろこのオスこそが本来のホタルイカの味なのです。

鮎を好む人は初夏から美味しいと食べますが抱卵した
子持ち鮎をさらに珍重します。

でもホタルイカは産卵時期のものしか美味しくはないと
言っても言い過ぎではありません。
それが証拠に
浜で茹で上げられて箱詰めにするときにオスは無情に
ポイッと捨てられるのです。

私の作る沖漬けでも除外します。

2月の終わりごろから獲れ始めるホタルイカはまだ肝が未成熟で
味が乗っていません。
初物だということで高値がつきますが味としては未完成なのです。

そして沢山揚がり出して値が落ち着く頃が最も美味しい時期で
これを過ぎて5月頃になると今度は肝が充実しすぎてくどくなって
来ます。

今年は例外的に5月でも小型が多く美味しいままですが、
あくまでも特異な現象です。

ところが、一匹づつを黄身酢などでちんまりと食べるのなら
季節に関わらず美味しくいただけるのですが
凝った料理にしつらえるとたちまち先ほど書いたように
この強い肝の味が立ちはだかってしまうのです。

そこで粉砕です。
こうすることで一匹づつの食感は失われますが
味を平準化するという効果が生まれます。
つまり、あの強い味を弱めたり、矯めたりコントロール可能になる。
というわけです。

とりあえず
コロッケにしてみました。
普通の手順に粉砕ホタルを加えただけです。
案の定、やさしいしつこくないイカの味が楽しめます。

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次はショートパスタです。

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ガーリック、オイル、いずれとも相性がよろしくて
食べ過ぎてしまいます。

普通に食べて飽きたら粉砕ですね。

そうそう
フキノトウの伸びた葉をむしってジェノベーゼソースのような
ものを添えてあります。
普通はバジルで作りますよね。

ナッツ類を加えてコクを出すのですが普通は市販のおつまみなどの
ナッツで充分なのですが、
今回は生のクルミがあったのでこんがりと揚げて加えました。

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ナッツ類を揚げる時は超低温が基本。
火力を最弱で油を入れると同時にナッツを入れてじっくりと
加熱してこのくらいで上げます。

ミキサーでオイルとともに仕上げますが、私はミキサーが無いので
すり鉢で仕上げます。


やさしい山菜の風味がホタルイカにマッチします。

海のものと山のもの、タイミングが同じもの同士は仲良しなんです。
新ワカメとたけのこ などがその最適例ですね。

ついでに言うと
イワナご飯を炊くときに同じ河の流域で採った山菜を入れると
さらに美味しくなります。

料理の味も自然に大きく支配されていると感じる瞬間です。




昔に読んだ食のエッセイの話です。

高級ホテルで伊勢海老のスパゲティを注文したところ
なんの変哲も無いスパの上に伊勢海老がドーンと鎮座
したものが出てきたというのです。

これを見た著者は調理人の腕を疑ったそうです。
曰く
「イタリア人ならこれを見て怒り出すにちがいない」

なぜなら

パスタは麺と具材、ソースが一体でなければならない
少なくともそう図られる必要があり、
こんな別々の”盛り込み”状態など
あってはならない調理法だと言うのです。

「どうせならエビのソースで絡めて食わせろ」
と叫ぶだろう と結んでありました。

パスタのなんたるものかをかなり的確に表していますね。

どうしても日本人とイタリア人は美味のポイントの
捕らえ方が異なり、
そういう事もありがちだなと思ったものです。

というわけで

では今が旬のホタルイカでそれをやるにはどうするか?

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(先日ご紹介したK-3さんで買ってきました)

解はいろいろあります。
そのひとつを試してみました。
茹でたホタルイカの目玉を取ります。

このゆで方にもテクがあるのですが、
ま、それはまたの機会に。

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それをフードプロセッサにかけます。
無い場合は微塵切りにするか、すり鉢で摺ってください。

ホタルイカといえばワケギ葱かアサツキ
今回はワケギ葱を用意しました。

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ニンニクスライスをオリーブ油でじっくり熱して香りを出し
ワケギを炒め粉砕したホタルイカを加えます。

おろし生姜、トマトソース、味噌少々
塩コショウで味を整えいったん火を落して他の用意を・・。

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今が真っ盛りの伸びたフキノトウ。
この茎も美味しいのですが今回はこの小さな葉。
これをタグを引っ張るようにして取り、洗って置きます。

卵白を泡立てて小麦粉を加えフリッターの衣を作ります。
中国料理で言えば鳳尾というやつです。

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揚げます。
撮影していたら焦げてしまいました。
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つまりその位のやや高めの温度でカラリと揚げます。

茹であがったスパをソースに絡めて仕上るのですが、

なぜアルデンテに茹で上げるのか?  という点から
この仕上げ作業についてご説明しましょう。

茹でている最中で少しつまみ食いをしてみてください。
芯が残った状態がアルデンテです。
このまま食べろ  と言われたらイヤだなという硬さです。

この状態でソースやスープの中に投入して過熱しつつ(加圧)
味を染込ませるのです。
先ほどの芯が残った状態で混ぜ込み、芯の無くなる
食べやすい硬さになるまで加熱する=その分味が浸透する

というわけです。

ではそのまま食べれるほどの柔らかい状態まで
茹でてしまったらどうなるのか?
上記の煮含めるようなスタイルでは味は乗りません。

粘りのあるソースを絡める=くっつける
という方法になります。

これはタンメンとチャンポンメン
かけうどんと煮込みうどんの相違点

そしてヤキソバなどと通じるものです。
麺=パスタ
方法論は共通です。

しかし、
パスタにはこの時もうひとつ重要な作業があります。
乳化です。

オリーブ油と水分を馴染ませる作業です。
手早くフライパンを動かし、麺を混ぜ込み
ちょうどドレッシングを合わせるように乳化を行ないます。

水分が足らないようでしたらスパを茹でた湯を加えます。

出来ました。

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上からフキノトウをたっぷり乗せましょう。
完成です。

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これは想像以上に旨いです!
全くしつこくありません。

イカの旨味が適度に全体に分散してくれてもっと濃くても
いいかと思いました。

ただし、ワケギが不要です。
これが失敗。

フキノトウもとても美味しいのですが、これなら生のまま
加えたほうが良かったかも知れません。

いくつか残念な点もありますが食後感としては
かなり美味しいといえます。

応用も沢山出来そうで次回のトライが楽しみ。



フキノトウの苦味をアクと表するのは
間違いだと思っています。

例えばゼンマイやワラビのような抜かなければ到底
食べることの出来ない苦味がアクであって
それは体に良くない成分でもあります。

ワラビのアクには発ガン成分があるとも言われています。
ウサギや鹿などもワラビやゼンマイは食べません。
野生動物にとってすらよほど苦いのでしょう。

人間でも幼児は苦味を受け付けないのは
苦味=毒
というふうに認知させるためなのだとか

それに較べるとフキノトウの苦味はむしろ風味という範疇に
納まる位だと思っているからです。

それでも例えば12月ごろの早い時期に採れるものは
私でもとても苦く感じ、
やはり美味しいとは思えません。

生育環境で味は異なるというだけなのでしょうが
自然は不思議な力に満ちていると感心します。

野生の大根は辛いのにそれを畑で育てると辛味が
無くなってしまうということもあります。

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ところで
フキには品種が沢山あるそうです。
この右側の花が黒ずんでいるのも痛んでいるわけじゃ
無く、そういう品種です。

親フキが沢山生息するところでもフキノトウが
ほとんど採れない所もありますし、
反対に親フキが少なくてもフキノトウが沢山出る所も
あります。

また
風味が乏しくて全く美味しくないフキノトウもあります。
そういう地点では親フキも美味しくありません。

美味しいフキノトウは花が開花して茎がどんどん
伸びていくと誰も見向きしなくなりますが
私はこれが好物でせっせと採ります。

道行く人は呆れ顔で眺めていきますが美味しいから
平気です。
そんな人はその時期ならではの美味しさを知らないだけ
だからです。

その時期に改めてご紹介しましょう。

フキノトウはミニ丼でも登場します。

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この日は麦とろ飯でしたので
天ぷらでお出ししました。
若い人達でもきれいに食べていただきました。

深い雪の下から萌え出るフキノトウは風味はたっぷり
なのに、苦味は少ないのでほとんどの人は残しません。

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茹でた物をフードプロセッサで粉砕して更科粉で打つと
フキノトウの蕎麦になります。
喉をすべり落ちてから風味が香ります。

不思議なもので蕎麦湯には全く風味が移りません。
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油淋鶏(ユーリンチー)というレシピがありますが
これはネギや生姜などの香味野菜と
酢醤油+ごま油をから揚げにまぶすものですが

ここに大葉やミョウガなどを加えて季節感を楽しめます。

それをフキノトウで、しかも魚でトライしました。

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これも苦味は少なく香気が立って一段と美味しくなって
くれました。

春は苦味と言われますが
それは命が躍動している証でもあります。
タケノコでも一番苦味の強い所は成長点の先端です。

苦味はほとほどのフキノトウは香りが命
美味しい春を楽しみましょう。

フキノトウの季節がやってきました!

平地では12月頃からでも収穫できる
という所もあります。
またスーパーに行けばいつでも売っているよ
という方もいらっしゃるでしょう。

でも
あえて野山に出かけましょう!
雪の融けた下から真っ先に顔を出すフキノトウ
これが美味しいんです。

雪のおかげで風味はたっぷり苦味少なめ
これが最高です!

天ぷらにしてよし
茹でて刻んでお浸しに混ぜてもよし
生を刻んで味噌汁に入れるのが好きだという方もいます

でも今の時期一回は作って春を満喫したいのがフキ味噌です。

作り方は色々あります。
刻んで油で炒める方法は日持ちがする分
風味がやや乏しくなり『春がキター』感がちょっと残念です。

そこでおすすめなのが
茹でたもので作る方法。

ちゃんと作るには充分茹でた物をしっかりと水にさらし
苦味を流したら包丁で刻み、
すり鉢でよーく擂りつぶして味噌などで整えるというもの。

でも
横着をすすめる訳じゃありませんが、
昔は大家族で人手が沢山あったから子供でも大人でも
ちょいと呼び止めてすり鉢を押さえさせることも出来ました。

今はがらりと変わりました。

だいいちに核家族の中じゃ
そんなお手伝いをしてくれる人なんていやしません。
皆忙しく動きまわっています。

それに、
そもすり鉢なんて無いというお家の方が多いんじゃないか?



それに代わるのがフードプロセッサというわけですね。
よし
今回はこれで作りましょう。

と思ってトライしてみたら本当に笑ってしまう位簡単に
作れてしまいました。

ご紹介しましょう。
まず
茹でて水に晒します。

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この水晒しの時間を長くするほど苦味が抜けます。
ただし抜きすぎると風味も抜けて味気なくなりますので
長くてもせいぜい10分程度がよろしいでしょう。

もちろん風味を楽しみたいと言う方ならサッとで充分です。

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これを絞ってフードプロセッサに入れます。
さ、もうこれで
あと3分で完成です。

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機械を回します。
全部外側に飛ばされますからゴムベラで寄せて回す
ある程度細かくなったら味噌、砂糖、醤油少々

なに適当でいいんです。
味見をしながら進めていけば誰でも作れます。

回す→味見→味の調製→回す・・・・完成!

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実に簡単に作れます。

肉や魚なら後始末が面倒ですが
味噌なら簡単に洗い流せます。

これを熱々ご飯に乗せれば

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春の香り満喫~~

薄塩で焼いた魚に塗ってもよし
ちびりと舐めつつ酒肴にしてもよし
冷奴に乗せてよし

あぁそういえば
冬には冷奴なんて思い出しもしなかったな

辛いのがお好みならほんの少し豆板醤を混ぜてもよし

さあ春をいただきましょう!

簡単フキ味噌のご紹介でした。