2013.01.14 酒肴
一般に酒肴と言えばあまり腹がくちくならないもの
が求められます。
もちろん空腹時ならばお腹の膨れるものもよろしいのですが
腹が膨れすぎると酒が入らなくなるからです。

カラスミやコノワタやクチコなどが珍重されるのも
ただ単に珍味であるというだけでなく
この腹がくちくならないと言う点で優れた酒肴なのだと
認められているからです。

ですから
このような珍味、酒肴のたぐいがお嫌いな方は
まったくそういう点を理解できません。
「あんなモノ、腹の足しにもならない」
と吐き捨てます。

では
腹の足しにもならなければなんでもいいか?
というとそうもいきません。
酒飲みは要求がやかましいのが常です。

酒をひとくち飲み、ちょびっとつまむわけですから
味の濃いものでなくちゃいけません。
というわけで
旨味のある、おのずと塩分の強い物になっていくわけです。


これは洋の東西を問わずご同様です。
チーズなどもブルーチーズのようなものが珍重され
キャビアなども結構塩分が強いですし、
スモークサーモンや生ハムなども無添加のものは
塩分は強めです。

開高健氏はキャビアを丼で豪快に食べたそうですが
普通はそんなに食べませんから塩分の過剰摂取の
心配もさほどに必要ではありませんね。


正月にそんなものを食べようと暮れに仕込んだものが
いくつかあります。
おせち用にと昆布巻きです。

ブリ大根の昆布巻き


ニシンや鮭、関西では鮎、九州ではサバなど
所により中に巻く魚は地方色あふれる特徴が出ますが
今回はブリ大根にトライしてみました。
ブリの大トロ部分を細く切り大根と共に昆布で巻く
だけです。

ただし、生の大根をそのまま巻いたんじゃ柔らかすぎて
昆布巻きにはなりません。
干し大根を拍子木に切って巻きました。

なかなか軽やかな食味になります。

次は白子の塩辛。
白子の塩辛

スケトウダラの白子は何にしても美味しくなりますから
いまさら解説など不要でしょうが、
新しいものをたっぷりの塩にまぶして冷蔵庫で一週間。
袋に移して酒を注いで2時間。
その後水切りをしてから昆布じめにして2日。

意外に簡単に仕上がります。
色がついているのは昆布のせいです。

塩辛といえば酒肴の定番ですから
この際
通年で仕込んでいるものを並べてみましょう。

釣ってきた魚や仕入れてきた魚をさばいた折りに
ヒマをみて塩辛に仕立てたものです。

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桃色小鉢がカマス
青小鉢が前出の白子


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六角小鉢がナマコ
右小鉢がスズキ

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白小鉢が鯛
緑小鉢がイワナ

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おなじみのイカの黒作りと
フタ付き小鉢がメジマグロ

カマスなどの魚食魚(フイッシュイーター)は
消化液の力が強いのですぐに腹が弱ります。
水揚げ直後のものでしか仕込めませんので
一年かけても作れる量はほんの少しだけです。

イワナは早い時期から抱卵がはじまっていて
ほんの一筋の細い卵巣が一年がかりで少しずつ成長していきます。
それと胃を一緒に塩辛にしていきます。
ひとシーズンの釣果を塩辛で味わいつつ
振り返るのです。

この他にも魚卵の塩漬けなどを仕込んでいますが
機会をみてご紹介することとしましょう。

一年で手にする魚の数は数え切れませんが
こうして使える部位を少しずつ加工する楽しみは
もしかしたら飲む行為そのものよりも楽しいかも知れません。



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