よくメールなどでお問い合わせを頂き
それの返信用としての記事をより詳しく起こすことがあります。

今回はコメント欄でのお問い合わせでした。
あまりに嬉しくてつい調子に乗り長々と書きすぎたせい
でしょうか消えてしまいました。

そこでここ本編にて起こす事にしましょう。

こちらは芋ツル五年前の記事ですが戦後の食糧難の頃の悪しき記憶が
いつまでも人の心から消えない為か今でも
「芋のツル」と聞くと顔をしかめる方が多いようです。

能登では今でも現役の野菜として普通に食べられている
と聞きます。
何も能登が今でも食糧難だからではありません。

戦前、いえそれ以前からずーっと普通に食べ続けてきたから
食の記憶として受け継がれてきたというだけなのです。

大根の種をまくといっせいに芽吹きますよね。
それを間引いて「すぐリ菜」として食べませんか?
それからやや細く育った大根を「細根」として食べませんか?
あるいは太くなった大根であっても葉を利用することは
皆無でしょうか?

恵みの大地から収穫した「食べられる部位」をむやみに
粗末にしないでありがたく食べるというだけなのです。

芋づるがここまで悪印象を与えてしまったのはおそらく
ご飯の増量としていわゆる「かて飯」として
食べさせられたのではないかと想像しています。
それはかなり不味そうです。

不味いものを不味いと言うことは贅沢でもなんでもありません。

芋づるはきっちりと味をつけなければなりません。
フキと比べればお判りになるはずです。
葉の下の葉柄なのですから。
味付けをしないフキを加えたかて飯で出されたら誰でもフキ
が大嫌いになるに決まってます。

前置きが長くなりました。

お問い合わせは「漬物」でしたのでそれから紐解きましょう。

まず、茹でます。
茹ですぎればぐちゃぐちゃになりますのでご用心。
流水にあてて冷まし、硬い部分は切り捨てます。

容器に塩、ツル、塩、ツル、塩と重ねていき落し蓋
最後に重しを乗せて数日置けば出来上がり。

ツルは長いままでもカットしてからでも結構です。
冬季の保存とするなら塩は多目がよろしいでしょうが
基本的に茹でた野菜と言うのは多少は水気が抜けているので
やや控えめでも漬かります。

塩加減に自信が無い方は好みの塩水で行なえば失敗が
ありません。

時間に余裕があるなら昆布じめにもトライしてみてください。
ワラビなどと同様に美味しく仕上がります。
先ほどの漬物が少量で浅漬けで行なう予定ならば
刻み昆布を加えてもほぼ同様の味わいに仕上がるはずです。

次に醤油漬けです。
酒   1
みりん 1
醤油  2
の割合でいったん沸かし冷まします。
(沸かしすぎない)(味見をして調節すること)
小型の広口ビンに刻んだツルを目一杯詰めてから
調味液を流し込みフタをして冷蔵庫で保存。

長期保存するなら冷凍庫で。
abe 003

これはワラビなどの保存と同様の方法です。

次に味噌漬け。
普通に味噌汁にする味噌にそのまま漬けると辛すぎます。
小量ずつで結構ですから
砂糖、みりん、醤油、お好みで七味など
を加えて練り直しておきます。

これに刻んだツルを混ぜるだけなのですがコツがあります。
袋にツルを入れてから合わせ味噌を入れ外から
よくもんでやるのです。
そうして6~7割味噌が混ざった位の量で充分漬かります。

本体から水分が出てくるので全体に味が回りやすくなるのですね。
口から液が零れ落ちないように注意が必要です。

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この方法で山菜なら
ヨシナ、ヨブスマソウ、ウド、ミヤマイラクサ、ワラビ
などが好適ですが、中でも絶品なのがフキノトウの伸びた
茎部分です。
食べた人皆が驚嘆するほどの美味しさです。

野菜ならば春菊の茎、キノコ全般などが秀逸です。

この味噌漬けも醤油漬けも思うよりもずっと少ない
量で沢山の材料の漬け込みができるのも嬉しい点です。

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こちらは左から
春菊の茎の味噌漬け。

エリンギとマイタケの味噌漬け。
小株で茹で、冷めてから味噌をまぶしたものです。
食べる時に洗って裂きます。

右は行者ニンニクの醤油漬け。

冬にピーマンが高価になった頃
塩漬けした芋づるを塩気を残して塩抜きし、
エノキと肉を炒めて青条肉糸風などとやるのも意外性が
あって美味しそうじゃありませんか。

また薄揚げを開いて塩抜きツルを巻き、信田巻きなどに
するのも昔ながらで美味しそうです。

生家では穂紫蘇とキノコと一緒に大きなタルで漬け込まれていました。
懐かしい味です。

能登で今でも現役な理由としては
「いしり」の存在が上げられるかも知れません。
いしりで煮込むと独特な風味がマッチしてとても美味しくなるからです。

いずれにしても入手できる環境があればこそです。
こちらでも一時直売所などで売られていましたが
ほうれん草一把などよりも高価だったためでしょう、
売れ行き不振だったと見えて今はお目にかかれません。

困った事です。
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