かつ丼には一般的な卵とじタイプの他に
当店でもすっかり御馴染みの新潟風タレかつ丼、
下仁田タレかつ丼、ソースかつ丼、岡山のデミかつ丼、
名古屋の味噌かつ丼などなど沢山の種類があります。

最近ではもっと斬新なスタイルも出てきているそうですが
やはり卵とじスタイルが一番馴染みのある定番ですね。

そこでカツをダシの中に入れないでご飯の上に直接乗せ
その上から卵とじを掛ける
「かけかつ丼」
なるものがあります。

サクサクとした歯応えを楽しみつつ味は安心感のある定番
このいいとこ取りをしたスタイルが今流行の兆しを見せています。

これを作って出しました。
ちょっと聞いただけで美味しさが想像できるでしょうが、
簡単にやってしまうと美味しくはなりません。

美味しくするには美味しい手間をかけなければなりません。
カツと聞いて肉に塩コショウなどとやってしまっては台無し。

コショウと和風だしは不仲です。
もっとも砂糖やほんだしで作るなら別ですが。

まず、美味しくて柔らかな肉を用意。
かといって当店では売価が200円と決まっていますから
上等の豚ロースやヒレは使えません。

ご家庭でならOKでしょう。

今回も能登健康鶏を使います。
その中でもあえて胸肉をチョイスしました。
胸肉は加熱すると白くなる部位で、パサパサしているからと
毛嫌いする人もいますが、栄養価の高い優良肉なのです。

パサつくのはレシピが悪いからです。
美味しいひと手間をかけると無問題。

朝には鶏屋さんからさばいたばかりの肉が届くので
すぐに削ぎ切りします。
それをダシにみりんと醤油で薄めに味付けした中に漬け込み
一晩おきます。

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身肉から肉汁が染み出ても、代わりに美味しいダシを
含ませてしっとりとした肉に変身させてやるという訳です。
こうすれば栄養価の高い、しっとりと柔らかいカツになりますが、

もうひとつ忘れてならないのがパン粉です。
パン粉はフライには欠かせませんが問題はその粒のサイズ
油はその粒のぐるりにまといつきますから
大きな粒ほど残存油は多くなり、小粒ほど少なくなります。

それは食べる時にボリューム感の在る無しとなって表れます
ですから若い方ががっつり食べたい時には粗め
さっぱりと仕上げたい時は小粒
となります。

それはカツだけで食べる時ももちろんそうですし、
卵とじにする時などはなおさらです。
ダシに油が流れ出るからいっそうその傾向は強く出ます。

そこで今回の「かけかつ丼」では
衣がダシの中で柔らかくならない分だけやや細かめにする
必要が出てきます。

粗いパン粉だと口当たりがガリッとするからです。
ラーメンと合わせるわけですから重くしたくない
という思いもあります。

パン粉をすり鉢で摺って細かくします。

ここまでが仕込みです。

美味しくしようと思ったら
美味しくなるポイントを押さえなきゃいけません。
ただ決まりきったセオリーだけを流すだけじゃ
旨くはならないのです。

後、フライヤーで揚げないということも重要な点ですが、
今回は触れないでおきましょう。

鍋の油はこまめに温度調節ができるから美味しくなるとだけ
記しておきます。

注文が入ったらカツを揚げて
ご飯を盛り、カットして乗せ
その間に温めていたダシにタマネギを入れ
ひと煮立ちしたら溶き卵を回し入れます。

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そうして上からかけます。
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これは食べる前に想像していた以上の美味しさでした。
軽めの衣がさっくりしていて
肉はしっとりと柔らかく
新鮮卵はふんわりと優しく
肉の間からご飯に染込んだタレが甘くどく無く
食べるほどに食欲を刺激してやみません。

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今回も砂糖の入らないタレでラーメンとの総和はぴったり
きれいに食べていただきました。


かけかつ丼
なかなか美味しいものですね。
このパターンでまたいくつか応用がききそうです。
いつか試して見ましょう。

昼の食事はささやかな休憩時間。
せめて出来るだけ美味しいものを食べて気分転換や
英気を養っていただきたいと思います。

だって
お客様は飲食店とは「美味しいものを出す所」と思って
来店されるんですから。

それを
何よりも経営者が儲ける為に商っているんだ
資本主義なんだから何が悪い

などと開き直ってよろしくないものを商うところが多すぎ
じゃありませんか?



私は全力で作ります。
「貴方はラーメン屋なのになんでそこまでするの?」
と聞く人もいます。

怠惰な仕事に慣れされすぎてしまった人の愚問ですね。











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