ハゼを釣りに行っていると色んな人たちがいて釣りの合間に
眺めていると退屈しません。
主に観察の対象になるのは向こう岸の人達です。

ハゼな人達の観察記でも始めてみましょう。

第一番目は仲のいい老夫婦。
髪の真っ白な二人が釣竿一本で釣っています。
来た時にはもう陽が傾いていましたからこの方々は相当
前から釣っている様子です。

釣り方はウキ釣り。
ウキ釣りというのは楽しい釣りです。

よく結婚したばかりの若いカップルが奥さんを釣り好きに
仕込もうとキス釣りなどに同行させているのを見ると
『あ~ぁ』と思うのです  

なぜなら女性はたいていの場合ニョロリとしたエサが大嫌い
だからです。
キス釣りに同行させたばかりに釣りが嫌いになってしまう
奥様というのはかなりいらっしゃるはずです。

私も最初が肝心と良く考えて小アジのエサ釣りをウキ釣り
で連れて行きました、
エサは冷凍の小さなエビです。
これを入れ食いのウキ釣りでやらせたものですから
家内はすっかり釣りが大好きになってくれたと言う訳です。

ウキがピクリと動いたとみるとキュッと引き込まれる瞬間に
アワセをくれると小気味良い手ごたえと共に釣れる。

ところが群れが変わると遊泳層が変わりピタッとアタリが
遠のき、タナを変えてやるとまた釣れる
という具合に単純ながらも工夫しなければ釣りつづけられない
というはまらせるには絶好の釣りがウキなんですね。

このご夫婦は見たところ
釣れた魚を外すのもエサを付けるのもご主人が行い
それを奥様が竿をヒョイと振って釣ります。
釣れたら竿をご主人の方へ向ける。

外す、エサ付け、奥様が釣る。
その間ご主人は手ぶらで釣れるのを待つ。
という典型的な「殿様釣り」でした。

きっとエサも魚も触るのは嫌いだけれど
ウキ釣りの楽しさだけは味わいたい
でもその面白さを教えたのも当のご主人だから
二人でそうすることが楽しいわけなのでしょう。

誠にほほえましい光景でした。
しばらくすると帰途につかれましたが、土手を登る時に
奥様が足をずるりと滑らせるのを知っているかのように
道具を持ったまま適度な間隔をとって待っているのです。
お約束なのでしょう。

いかにも慣れた風情で夕陽を浴びながら歩いて帰って
行かれました。

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またある人は
毎日同じ場所で釣っているそうです。
しかも時間も同時刻から始め、撤収する時間まで
同じなのだとか。

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もちろん
私は毎日いくわけじゃありませんから、これは隣り合わせた
例の500尾釣り上げたというおじさんから聞いた話です。

こういう趣味の世界では
同好の士というか同病相哀れむというか
最初から同じ土俵に立つもの同士の気安さがあって
会話も自然に弾むのです。

しかし、
毎日同時刻とはすごい。
現役感覚で会社勤めでもするようにしているんでしょうか。

こういう人には適いません。
きっとその日の潮やハゼのポイントの具合など
手に取るように把握しているんでしょうね。

適わないといえば凄い人がいます。
魚の食いが立つといえば活性が高くなって釣り易くなる事を
言うのですが、
腕の良し悪しというのはこんな時に顕れるのです。

一本竿でちょいと投げ、エサが沈むか沈まないくらいの
短時間でもうアワセをくれたと見る間にもう釣り上げるのです。
それを外したかと見る間もなくすぐに次を投入。

エサが沈む間もなくアワセ。
のんびりとした河原の中でこの人一人がひっきりなしに
釣り上げているのです。

それを見ていて私はかつてシマダイ釣りに夢中になっていた
頃に読んだイシダイ攻略本の事を思い出しました。

イシダイとはシマダイの大きく成長したもので荒磯の王者と
呼ばれています。
船で磯渡りしたら無人の小さな磯で大量のサザエやウニ
などの撒き餌をして狙う魚です。

アタリが出て竿をしゃくって合わせるのが普通の釣りなの
ですがイシダイは全身を使って反り返るように合わせるため
ヘルメット着用が必至という凄まじい釣りです。

その釣り方が変化をしたのが昭和の終わりごろの話です。
それまでは岩の間にハンマーで竿受けを立てて餌を投入したら
じっとアタリを待つという「待ちの釣り」だったのが

岩のヘチまで撒き餌でおびき寄せ浮き上がらせて
底ではなく宙で手持ちの竿で釣るという「攻めの釣り」へと
変化している頃だったのです。

私が南西諸島で一度だけイシダイ釣りにトライした時は
まだ投げ込みの待ちの釣りでしたからこの当時は
南方宙釣りというのは最先端のテクだったのです。

家のS58年発行の本では福岡県の「弾 濤竿」さんが
詳しく解説をしておられますが
いかにも素早い対応の出来そうなスタイルです。



これを真似てみましょう。

所詮は遊びなのですから
遊び心を持ち込んだ方が楽しめるというものです。
 
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そこでもうひとつ忘れてならないのが釣り針。
日本人と言うのは柔軟な発想が得意だと言われます
ブレーキをかけたら発電する車だったり
エスキモーに冷蔵庫を売り込んだりと
逆転の発想が上手いですよね。

ぐっと小さくなりますが釣り針の世界でもそうなんです。
キスなどは針ごと飲み込んだ餌に違和感を感じるとすぐに
吐き出すんですがその時に掛かる針というものがあります。

「改、秋田袖型」といいます。
針先がぐいと外に曲げられているのです。
(右図)
これでやるとほぼ勝手に掛かります。

ところが市販品がなかったのでバーナーで針を焼いて
曲げてみました。
これが以外に難しい。
折れてしまいます。

そこで反対側の糸巻き部分を曲げました。
これで針先が外へ向いた形になりました。
(左図)

これは釣れます。
ヒョイと投げてゆっくり沈める

すぐにクイクイとかすかなアタリ
ピッとアワセをくれてやりそのまま抜き上げる。

ハゼを外してまだ元気な餌を直してすぐに放り込む
クイクイ ピッとアワセ 抜き上げ

小一時間の間にまずまずの釣果を得ました。
南方宙釣り恐るべし(笑)

この日は大物も狙って
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このように無慈悲な背がけで狙いましたが
こちらは空振りでした。

ハゼ釣りがこんなに面白かったとはヤバイです。
そして
こうしてあれこれ工夫したり考えること自体が
実はどっぷり現象なんですね。
かなりやばそうです。








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