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秋はハゼ釣りの季節。
富山は河川が沢山あるのでこの時期になるとあちこちで
釣り糸を垂れる人を見かけます。

休日ともなると釣り上げるそばから持ち込んだコンロで油を
沸かし、から揚げを作る家族連れの姿も見ます。

ところが私は永年このハゼが嫌いでした。
むかし、一度だけこれをやったことがあるんです。

釣り上げてすぐをから揚げにすると美味しいよ  と
聞いていたのですが実際にやってみるとなんだか泥臭く
美味しいとは思えなかったのです。

それを家に持ち帰り家内に食べさせたところ
冷めている分だけさらに美味しくなかったと見えて
とうとう「ハゼ禁止令」まで出される始末でした。

それから20年近く経ち
最近
「いやハゼは美味しいんだ」と聞いたのです。

こちらも僅かな記憶をたてに反論しました。
でも、
『そう言えば大した手間を掛けていなかったな』とも
思い出したのです。

ハゼを不味いからと敬遠してから後も色々な釣り遍歴を
しましたが、その中で船釣りが参考になりそうです。

釣り上げた魚を美味しく食べるーつまり鮮度を保つには
様々な手法があります。
堤防などではクーラーボックスなどを持参しますが
沖のテトラ釣りではかさばりますから持参できません。

そんな時にはストリンガーという大きなフックのついた
鎖やロープを持参します。
エラぶたから口に通して海に垂らして泳がせておくのです。

その時に重要なのが尾びれの根元の骨に少しだけ切り込みを
入れる事です。
そうすることで魚は泳ぎながら少量づつ血を流し帰宅
するころには血抜きが出来ているということになるのです。

船釣りでは大きなクーラーボックスを持参できますから
そこにたっぷりの氷を持って行き沖で海水を入れてやります。
これを「水氷(みずごおり)」と呼びます。

氷が溶けて塩分の薄まるのを嫌う人は塩を加えたり
ペットボトルの水を凍らせた氷などを併用します。

この水の冷たさといったら手をつけていられないほどで
たちまち魚は絶命してしまいます。

常温で、
例えば堤防の上や無氷のクーラーボックスの中などに放置
してバタバタと暴れまわった挙句絶命してしまった魚は
野締めと呼ばれ味は著しく落ちます。

一方、生きているうちにエラぶたから包丁を入れたり
こうして水氷などで瞬殺したものを活き締めと呼びます。

どちらが美味しいかは言うまでもありませんね。

ところが実際の漁の現場では驚くほど無頓着に扱われている
場合が少なくありません。

ひどいのになると夏の盛りに胴の間に温かい海水を貯めて
その中に魚を泳がせたまま帰港し、
水揚げしたら市場の温かいコンクリートの上に並べて
跳ね回らせている
というのまであります。

それを素人は「なんて活きがいいんだ!」などと
喜びますがプロは眉をひそめます。
絶命する頃には身が焼けてしまっているからです。

では表題の
ハゼはどうかというと恥ずかしながら、バケツで川の水を汲み
そのまま帰宅するまで中で絶命するまま放置して
しまっていたのです。

ハゼは汽水域で泳ぐとはいっても本来は海の塩水で生きています。
川であってもハゼの遊泳層は塩水です
それを水面の水、つまり真水に長々とつけておけば
どんどん味が落ちて当たり前ですよね。

子供が観察して喜ぶ為に釣り上げるのならそれも良し
でしょうが、
いい歳をしたおっさんが釣るのは食べる為なのです。

心を入れ替えて”たかがハゼ”などと言わず
ちゃんとそれ相応の手当をしてみよう。

と反省しつつ
先日行ってきました。
ハゼと言えば誰でも山ほど釣れる。
という概念も捨て去り、この日は10尾ほどだけを釣り、
早々に帰宅しました。

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たっぷりの氷に天然塩。
そして水道水で作った水氷はとても冷たくハゼはたちまち
ピクリとも動かなくなります。

帰宅してまな板に乗せたそれはしっかりと硬直してとても
裁きやすくなっています。

魚の命は果ててしまっていますが、こうして処理された
身肉は活きているんですね。



刺身にしても洗いにしても美味しくなります。

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今回は刺身でいただきましたが
ほんのりと甘く、とても美味しいものでした。
家内にも食べさせたら「美味しい」と評価をしてくれました。
数十年ぶりでハゼ禁止令も解けそうです。

そう思って顔を見ると今までは不味そうにしか見えなかった
のに妙に愛嬌があり釣り上げられたのも解らないとでも
言いたそうなキョトンとした表情まで滑稽です。

ハゼが不味いなんて不明のいたり
まずは己のなまくらを反省させられた一日でした。

魚の美味しさをお伝えするのにいつもつたない握り寿司を
作りますが今回はこんな専門誌に出ていたハゼの握りを
真似てみました。

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天ぷらも作ってみます。
いずれも河原でザザッとさばいてから揚げにしたのとは
まったく比べ物にならない美味しさでした。

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よし、ハゼ君これからは気合を入れて遊ばせてもらおうか。
なに遠慮することはない。
大いにお近づきになろうじゃないですか。
ささ、まずはこのご馳走を君に・・・。




え?そうだろう旨そうだろう?
そうこなくちゃね。










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