本日のミニ丼
マヒマヒのポキ  200円

aaw 002



かつて日本が貧しかった頃、海外に移民した
方々がいらっしゃいます。
挫折して戻ってきた方も沢山いるそうですが
艱難辛苦の果てに成功を収めた人もおられます。

そんな人達が食べたくてどうしょうもないほど恋焦がれた
味が味噌と醤油です。
ほとんどの人達は自家製でまかなったそうです。

ブラジルでは小麦が入手できなくて仕方なしにトウモロコシ
と大豆でほんのりと甘い醤油を作ったそうで
これが今でもブラジルの醤油のスタンダードなのだとか。

ブラジル奥地に入植した人たちの元へキッコーマンの樽が
初陸揚げされる時の事を記した小説では
日本人が歓声をあげて涙を流したと書いてありました。

ハワイではさらに事情が異なります。
なにしろ周り中が海。
新鮮な魚がふんだんにあるのに醤油が無い。

これは魚好きな日本人にとって想像を絶する拷問です。
海を渡って醤油がやってきたときの歓喜は想像するだけ
でもさぞやと思われますよね。

これで刺身がたべられる!
寿司が食える!
煮物・・・・。

どんなに醤油が嬉しかったのか
日本人はそこでハワイでよく獲れるシイラでタタキ丼を
作りました。
柑橘果汁を醤油に加えればワサビは不要です。

そうしてそれは現地の人たちを巻き込んで
今ではハワイを代表するメニューとしてポキと呼ばれます。
ハワイの和食です。

日本のタタキ丼と異なる風味が日本移民の
流した汗と涙のスパイスと思えばまた格別の味わいです。

秋のシイラが上がり始めましたのでさっそくこれを
出しました。
マヒマヒとはハワイ語でシイラの事です。

aaw 006


シイラは日本では案外人気がありませんが、
海外では非常に好まれています。

富山で水揚げされたシイラはほとんどがロシアや
ヨーロッパへの加工用に輸出されるそうです。

そこの水産会社に中国人が働いているそうで
聞くと、シイラの頭を切断するのに硬くて大変だからと
出刃包丁をあてがってから金槌でガンガン叩くそうです。

何千円もする包丁がすぐにだめになってしまうと周囲は
困り果てているそうです。

アメリカのナマズがバーガーの白身魚に化けているように
日本のシイラもどんな料理に化けているのか興味のある
ところですがその第一歩が中国人の洗礼とは時代も変わったものですね。

海外では元気の出る魚としてシイラは大人気ですが
日本では案外と不人気なのにはいくつか理由があり
中には風評としか思えないものもありますが、
理に叶った理由というものもあります。

漁業や鮮魚関係者はそこの辺りを触れたがりませんが
誤解と無用のトラブルを無くす為にもキッチリと書いておきましょうか。

シイラはトップウオーターと呼ばれる水面近くを遊泳します。
捕食するのは小魚、貪欲なフイッシュイーターです。

では海面近くで小魚が群れる所はどこでしょうか?
海の中には潮流がいくつもあり、それらがお互い干渉しあい
かつ激しくぶつかりあい渦や潮目と呼ばれる境界を作り出します。

稚魚は激しい潮流の中では上手く泳げませんからこういう
潮目に棲むのです。
潮目には流れ藻やゴミくずが漂いますからそこの中などで
生息しているのです。

ヤガラもこういうところで”幼児虐待”をしている
と以前に書いたことがありますよね。
テリトリーは同様です。

ただ、ヤガラにはウロコはありませんがシイラには
細かなウロコがびっしりとついてます。
ここが問題なのです。

普通にさばいて三枚にして、そのまま刺身にするとまれに
中る(あたる)人がいるんですね。

ですからよく分ってる料理人はまず、
体表をタワシや金ダワシでガシガシと洗い流します。
ウロコの隙間に入っている汚れを落とすことが重要なのです。

次に三枚に下ろしてからはまな板をしっかりと洗うか
まな板を取り替える。

これだけで安心の食材になります。
大きな体を維持する為に魚を腹いっぱい食べて
これからが産卵の時期です。

白身なのに脂の乗った美味しいシイラをもっと賢く
大胆に活用したいものですね。

「なんでもっと工夫しないのか!?」と
ハワイに移り住んだ先人からお叱りを受けないよう
度々、マヒマヒのポキを作ってみましょう。

サラダ感覚でさっぱりと食べられる美味しい味わいですが
さらに幾通りか変化もつけられそうです。

こうして自分で仕事を増やし、課題が多すぎて困るなんて
潤沢な食材に囲まれているからこその贅沢な話ですね。

いつものことながら言わせていただきます。
いろんな人達が良い仕事を持ち寄ってくださるおかげで
こうして、まがりなりにも料理人の仕事をさせてもらえます。

私に出来る事はただ素直に美味しい物同士を組み合わせることだけ
そこに余計な雑味を付け加えることは
そんな人達に対する侮辱でもあると考えています。

余計なものを添加する必要は全く不要なのです。
今回はすだち醤油で合わさせて頂きました。
どうせ手を掛けるなら”より美味しく”でなければ
ウソですよね。

わざわざ不味くするために余計なひと手間をかけるなんて
馬鹿げていると思いませんか?

aaw 001
美味しい物を作れる事に
美味しい物をご提供して頂いた全ての人に合掌、感謝。




スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://oisiitoyama.blog96.fc2.com/tb.php/964-0de4e0b4