私がしばしば「伝統食の崩壊」と書くと
『大袈裟な!』と思われる方が多いようでそんなメールなど
を頂く事もあります。

私は毎日雑務に追われて拝見する時間はあってもなかなか
返事ができないので簡単に済ませているのですが今回は
項を起して書いていってみます。

実は伝統食の崩壊なんてとっくに起こっています。
丸元淑生先生はそれを
「カツオ削り器と丸底鍋を手放した瞬間から始まった」と
書かれています。

私はもう少し具体的に書きましょうか。

まず日本酒。
日本酒は日本人にとって欠かせない存在でした。
米を作り神様に捧げてお神酒を添え、祭礼に、
村の寄り合いに、結納、婚礼、誕生、通夜、葬儀、
選挙、新年の始まりから年末の夜回りにと一年中
人さえ集まれば日本酒が酌み交わされました。

酣(たけなわ)という字は酒が甘いと書くぐらい
日本人にとっては和を交えるのに欠かせないモノでした。

おそらく酒を造る方々は日本人にとってかくも
欠かせない酒が見向きもされなくなる時代が来ることに
なろうとは夢想だにしなかったに違いありません。

今、日本酒はアルコール販売量全体に占めるシェアは10%
足らずだそうです。

飲まない時代になった
飲酒運転が厳しく糾弾されるようになった
などということもあるでしょう。
ですが、
私に言わせればここまで落ちぶれさせた張本人は
酒蔵を初めとする業界そのものです。

かつて「江戸時代の酒を再現しました」という珍酒を
飲んだことがあります。
意外なくらいどっしりとした飲み口で驚いたものです。
これなら昔は「酒屋」が割り水をして販売したというのも
うなずけると得心しました。

昔は酒蔵からタルで酒屋が買い入れ水割りにして売っていた
というのです。
ですから「あの酒は旨い」ではなく
「あの酒屋の酒は旨い」となっていたと言うのです。

それの真偽はともかく
私達もウイスキーなどでは水割りにして飲みますから
なんとなく理解できますよね。
薄い酒を好む人も居れば濃い酒を好む人もいます。
お金の有る無しによっても変わるでしょう。

でも、水割りにしたら悪酔いをして酷い二日酔いを
してしまった
なんてことは起こりませんよね。
むしろ逆だろ?  と言い返されそうです。

日本酒はそれを長い間やったんです。
始めは満州に行った軍部の要請からだったらしいのですが
そのまま ずーーーーーーーーーーーーーっと続けました。
薄めて、
その分アルコールを添加させ
旨味が足りない分を化学調味料を添加するなんて所まで
やったそうです。

そりゃ作る方は儲かります。
でもそのせいで飲む方は頭が痛くなったり
吐き気や胸がむかついたりする二日酔いが酷くなったのです。

吐き気や胸がむかつくのはご存知の通り化学調味料の中の
ナトリウムの害です。
なった事のある人はよく判ると思いますが
『もう酒なんか止めた』 と思うものです。

そんな目に合っても止められないのが酒飲みさ
止めれるもんか

業界では高を括っていたわけじゃないとは思いますが
何度も同じ酒を手に摂るはずもありません。
悪酔いしない酒類に移ろうのも当然でしょう。

ここに悪しき例を挙げましょう。
覚せい剤です。
実態は知りませんからあくまでも伝聞です。

覚せい剤はその使用を止めてもフラッシュバックという
恐ろしい戻り症状を起すそうです。
が、
実は覚せい剤自体にはそんな力は無いというのです。
下部組織が水増しして儲けを増やそうとナフタリンを
砕いて混入するそうで
それの後遺症なんだ
というウワサです。

なんだか恐怖の度合いこそ違えよく似た構造だと思いませんか?

欲が絡めば人間の考えることは同じなんですね。

数ある酒類の中唯一「日本」と冠が付くものに
いったいなんてことをしてくれたんだ  と怒りを覚えます。

国内最大のウィスキーメーカーにも似たような話
がありますがこれは伝統食の話題からは離れますね。
また回を改めましょう。

今は化学調味料とかアミノ酸等などと表示した日本酒は
見かけなくなりました。

「なんだ! じゃ崩壊なんかしてないじゃないか」

と言うには甘いです。
醸造アルコールに入っているんですね。
すると酒蔵は
「ウチでは入れてません」
ということで表示しなくてもよろしい
という事になるんです。

これをキャリーオーバーと呼びます。

飲むとはっきり化学調味料の味がします。
料理にそんな酒を入れて作ると全て化学調味料の味が
付きまといます。
当然ですよね。

書いてなければ売れるとでも思ったんでしょうか?

お次は漬物、佃煮、お惣菜、お弁当、冷凍食品
どれだけでも続けられますが構造は全て似たり寄ったりです。

伝統食が滅びれば何が残るのだろうかと常日頃
考えてきましたがその答えの一つが個食でしょうか?

朝から家族一人づつが各自自分の好きなものを食べるのだそうです。
お父さんはカレーパック
お母さんはカップ焼きそば
お兄ちゃんはハンバーガー
ボクはカップヌードル

などとやっていて平気なのだそうです。

今、「平成の家族の食」という本を読んでいます。
表面的にはそれほど酷くはないようなのですが
食べられているモノ、生産地、作っている生産者の中には
怪しいものも数多く存在します。

ユネスコに和食が登録されたといって喜んでいる場合ではない
絶滅しそうだからちゃんと守りなさいよ
と言われているのだ  との言葉に愕然とします。


なにも伝統食にこだわることも無いという意見もあるでしょう
しかし
日本人にとってDNAの深くにまで刷り込まれた食べ物の記憶
遺伝子レベルにまで関わっている食性を考えると本当に
それでいいのだろうかと疑問を持たざるを得ません。

これほど急激に民族の伝統食を崩壊させた民族は
他に類を見ないとまで丸元先生は書かれています。

欧米人には海藻類を消化分解する酵素が無い、
日本人には牛乳を消化分解する酵素を持たない人が
数多く存在する。

伝統食がそれぞれの民族のアイデンティティの根拠と
なる  そう言えば言いすぎでしょうか?

もう少しゆっくりと掘り下げていきたいと思います。

そうそう
日本酒業界はさすがに危機感を持ったようで
純米酒に力を入れ始めて復活の兆しが見え始めました。
有り難い事です、志は光明となります。

外国人にもそんなお酒は好評です。
「きれいな味わい」
「美しい」    と表現するそうです。

では今までの良くないお酒を飲ませたならば何と言うのか
天邪鬼な私は聞いてみたい気もします。



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