先日完成した「へしこサバ」がなかなかの仕上がりなので
永年の疑問を試してみましたところほぼナゾは解けました。

答えはやっぱり
「脂」

へしこサバは常温での長期塩蔵仕上げのためどうしても塩を
きつく仕込みます。
とはいえ
これだけがと言うわけではなく本来塩モノは全て
常温保存を可能にするものでありましたから塩辛いのが
正統なものなのです。

私の亡くなった姉は漁師町に嫁ぎ舅から干物作りを手ほどき
されたのでそれはそれは塩辛い干物を度々送ってきました。
それは室内に放置していても全く腐敗しません。

ところが現在の干物は薄塩ですからたちまち腐敗します。
冷蔵庫や冷凍保存するしかないのです。
しまいには天日乾燥すらしない機械温風乾燥の干物が主流
を占めるまでになっています。

この低塩になったいきさつは皆様もご存知でしょうから
省くとして
じゃなぜ今時へしこは昔ながらの塩加減のままなのか?

それは「サバの活きグサレ」と言われるぐらい腐敗しやすい
のと
糠漬けの塩なれによる旨味の醸成、
そして重要なのが「不要な脂の抜き」です。

過去に肉でも書きましたが
脂が多いほど人間は美味しいと感じますが
多すぎればくどくも感じるのです。

そこで良く出来たレシピというのは
(古来から続くレシピはほとんどそうですが)
いかに脂を矯める(殺す)か?
という工程を持っています。

しかし、日本のサバならほどよい塩加減に漬かったはずが
北欧サバでは脂が強すぎたんですね。
それで今日流通しているような塩気の強すぎる
へしこサバになってしまっているのだと私個人の推察です。

かてて加えて
脂の質の違いも大きい。

それで市販のへしこサバで押し寿司をしても
塩気が強すぎて
脂とシャリの馴染みが悪くて美味しいものにならなかったんです。

今回は
まず薄く削ぎ切りにして生酢をかけて生で食べてみました。

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上々です。

次に甘酢に浸して

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押し寿司にしてみます。

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これは旨い!!!

塩気がほどよく抜け
いや
抜けてませんね
この塩と脂がシャリとほどよく馴染み
八ヶ月間のヌカのひねた風味とあいまって最高の美味しさです。

これは素晴らしい寿司となりました。
ぜひとも近日中に昼に登場させましょう。

aal 024


それもこれも
冬の富山湾の大型サバだからこそ可能な
脂とヌカの魔法の仕業があればこそです。

つくずく料理人なんて
組み立て職人にすぎないんだと痛感します。

これはぜひとも「富山湾の箱寿司」の一品に加えましょう。

豊穣の故郷に心より感謝  




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