諸星大二郎さんという漫画家がいらっしゃいます。
あまりメジャーではありませんからご存じない方も多いかも
しれませんね。

この方はいろんなジャンルを幅広く描き上げられますが、
なかでも古代史をご研究されていると見えて歴史モノが秀逸
です。

かつては無邪気に読み飛ばしていたものに
こんなストーリーがあります。

-ー昔或る国では酷い飢饉が起こり食うものが無くなり、
  村人達は背負子に我が子をいれて集会所に集まります
  そこで暗闇の中でお互いの背負子を交換して持ち帰り
  その子を食べてしまうのです。

  せめて我が子を食べるのだけは避けようとしたとはいえ
  その罪深い行いの為その村は呪われてしまい
  今でも延々とその行為を止められずに繰り返し続けて
  いる。

といったストーリーが独特の怪しいタッチで描かれるのです。
今なら
『あぁ何処かのお国のような話だな』
とあらぬ想像をかきたてて背筋の凍るような思いがするでしょう。

そういう節回し、語り口で異次元の世界に誰しも引き込ま
れるような一部では根強いフアンのいる作家です。

そんな著書の中で 巫蟲(フコ)というのがあります。

古代中国では大陸式呪術が盛んで強い毒を造る製法が
研究されその結果 巫蟲毒(フコ毒)と呼ばれる最強の毒が
生まれました。

その製法とは
大きな瓶の中に毒虫や毒蛇、あらゆる有毒生物を入れる
というものです。

その瓶の中では壮絶な殺し合いが繰り広げられ
最後に残った生き物が最強の毒を得ている
という訳です。  

果たしてそんな製法でいいのか!
という突っ込みは置いといて、 

どうです?
これもまた
『なんだか何処かのお国の様子に似ているなぁ』
と思いませんか?

本来有毒生物というのは生存のために必要だから
毒を内包しているのですが、
人間はそれを「悪意」という邪な係数をかけて
もっと強い憎悪を生み出すというわけですね。

毒の強度がまさに憎悪の従属変数となるのです  

世の中全てが毒に満ちているとは思いたくありませんが
ニュースを見ているとどんどんこの巫蟲毒に浸透されている
ような気がしてなりません。

なんだか最近諸星大二郎さんの本をもう一度
違った角度から読み返したくなるような気分です。

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