2012.04.04 岩魚の骨酒
先日は師匠の上げた初岩魚(イワナを一匹有難く持ち帰り
骨酒にしました。

先の「アユカケの骨酒」のときに「酒が甘くなる」という話を
書きましたが覚えておいででしょうか?

アユカケでは酒が甘くならない
イワナでは酒が甘くなる

という話でしたね。

まず
なにはともあれ焼いて食べましょう。
冬の間にあまり食べていないせいか随分痩せています。
胃袋にも何も入っていませんでした。
雪解け水にはまだ餌も少ないのでしょう。

これから木々の柔らかい新芽が萌え出ると
それを食べるために虫がいっせいに出てきます。
それが落下したり、川虫の活動が旺盛になると
魚も肥えて来るのでしょうね。

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食べます。
解禁直後のイワナなんて初体験です。
あっさりとしていますね!
なるほどこれは美味しいものです。
いい経験をさせていただきました。

さて、次に残った頭と骨をもう少し炙ります。
小鍋に酒を注ぎ燗をつけ、程よいところで骨を投入
もう少しだけ沸かします。
これを飲みます。

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「おぉぅ」と思わず声が出てしまいました。
旨い!
旨いものです!
色が出てるのがお判り頂けるでしょうか?

昆布だしや煮干しだしだって
「正しくダシと出た状態は色が出るんです」
骨酒だって色が出るくらいでないと味も出てこないんですね。
(ココ 実は重要)

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思った通りでした。
タネはこの酒。
あえて安い酒をチョイスしました。

石川県の「福正宗」は純米蔵です。
つまり、純米酒しか造りませんという所です。
そこの一番安価な酒で一本1,000円ほどです。

これでやると骨の旨味と酒の弱さとがちょうど良い按配に
なるんです。
じゃ、もしこれを上等のどっしりとした純米酒や
上級酒でやるとどうでしょう?

それは「甘くなる」んですね。
その甘味とは美味しいでしょうか?
いえ、未熟な酒飲みなら喜ぶかも知れませんが
それは決してまた欲しくなるという味ではありません。

いつか詳しく書く機会もあるでしょうが
それが「旨味」の特徴なのです。
化学調味料の旨味特性にも通じるところがあります。

私はかつて骨酒というものが嫌いでした。
昔、あるお店でそれはそれは不味い骨酒を飲んだからです。

あまりの不味さに
いったい骨酒というものはどうやって作るんですか?
と尋ねたところ
「骨と燗酒に味の素を加える」
と答えが返ってきて得心して以来、嫌いになっていたのです。

ただし、その頃はまだ自分も仕事で味の素を使っていたのです。
それでも不味く感じるほどだったというわけですね。

因みに、酒と化学調味料というのはかなり深い関係にあります。
興味のある方は調べてみてください。
そんな日本酒がまかり通りすぎて
「日本酒は二日酔いする」と
敬遠されて今では恐ろしいほどのシェア陥没状態です。

だから先ほどのような純米蔵という原点回帰の所がでてきた
というのは酒飲みにとって雨降って地固まるという喜ばしい
ことなのですが、現実には今もってろくでもない酒が
幅を利かせているわけです。

そんな酒で骨酒を作ったらと思うだけで寒気がしますから
もう一度熱いのを一杯作りましょう。

イワナは安酒で作るに限ります。
ただし、純米酒で!

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う~んやっぱり旨い
しっかりとしたダシと米の旨味が噛みあって飽きない
美味しさとなってくれます。

どうやら、またも飲みすぎたようです。


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