2012.03.26 熊は眠ってる
渓流釣りは3月に解禁となりますが
今年は初めての経験なのでいつ頃どういう装備で行くのか
まったく判りません。
山はまだまだ残雪が多いようです。

師匠にそのあたりのレクチャーを受けて
先日、ようやく連れて行っていただきました。


山とは言っても奥山にはまだ入れません
里山から少しだけ奥に入った道から川筋に沿って
雪の急崖を分け入ります。

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足元は「カンジキ」で固めて入るのですが、
このカンジキは師匠のお下がりです。
まず、縛り方から教わります。
本当に手の掛かる初心者で申し訳ないことです。

雪はいくぶん締まって歩きやすく急斜面も滑らずに
登れます。

ウサギや小動物の足跡
カモシカの足跡
そして解禁直後に入山した人の足跡などが入り混じり
その上に最近積もった淡雪が薄いベールをかぶせたように
なっています。

水量は驚くほど多く
さほどに大きくない川なのにごうごうと音立てて
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水煙を上げているほどです。

その他は全く音がありません。
えん堤を越える為に高巻きをしたとはいえ
ほんの少しだけ山に入っただけなのに
生き物の気配がまるで感じられないのです。
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昨年初夏から始めた渓流釣りでは
絶えず小鳥のさえずりや虫、くもの巣などが
つきものでした。

ところがこの景色の中にはそういった小さな命が
どこにも見当たらないのです。

それに暑がりの私ですが
これだけの雪の中だと流石に汗一つかきません。

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これは気持ちの良いものです。
滑落や川渡りなどに注意をしてさえいれば
これは別天地ですね。
大ゲサに言えば浮世離れした空間といった所でしょうか?

慎重にルートを取って進む師匠に比べ後を歩くこちらは
お気楽者
キョロキョロと空を見
木を眺め、動物の足跡を目で追いついでのように
竿を出します。

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これじゃ釣れるはずもありません。
ですが
それぐらい新しい経験でした。

雪解け水や雪中で
さすがに足が冷たくなってきた頃に納竿。
この日の釣果は師匠の上げた一匹のみ。
頼んでいただいてきました。
今年のお初ですから放すともう釣れなくなりそうな
気さえするそんな貴重な一匹です。

初心者には全く気配は感じられませんでしたが
やはり生き物は潜んでいるんですね。
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後で聞いた話では
イワナは雪の下ではほとんど餌が食べられなくても
じっと春を待っているのだとか
なるほど黒ずみ、痩せた魚体でした。

クモは自分や家族が食べていけるだけの大きさの
巣を張り餌となる虫が活動する頃に働きます。
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小鳥も自分や家族が食べていけるだけの量の虫を
確保する為に縄張りを守ります。

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もうひと月もすれば川も賑やかになってくるでしょう。
山菜採りも始まります。

こうして人跡のない雪を踏んで釣りをしていますが、
人は山の征服者でも主人でもなんでもありません。
山がまだ眠っているうちにこっそりと入っているだけの
ちっぽけな存在です。

虫がいて、それを捕食する魚や小鳥がいて
豊かな水が山野草をはぐくみ
それを小動物が食べる。
そんな大きな営みを壊さずに謙虚な気持ちを忘れないで
これからのシーズンを遊ばせてもらおうと思っている
初心者ですが

さて、ホンモノの山の親父
熊はどうしているのでしょうか?

まだ奥山で眠っているそうです。

人間でいえば夜明け前のまどろみの頃でしょうか?
浅くなってきた眠りの中で夢を見ているのでしょう。

好物の木苺や蜂蜜を想って掌をしゃぶり
怖い人間の気配から逃げようと足をもがき
木々から雪の落ちる音に耳をそばだてつつ

まだ眠っているのです。

そろそろ
雪解けの下から萌え出るフキノトウの夢に切り替わる頃
でしょう。
今年はいつに無く大雪でした。
経験を積んだヒネ熊ならともかく
充分に食いだめの出来なかった若熊にとっては
長い夜を過ごす事となってさぞ空腹でしょう。
寝起きが悪そうですね。

気をつけて山遊びを楽しませていただきます。







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