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ハタハタは魚へんに雷と書きます。
日本海側では今の時期と春に上がりますが脂の乗った
冬が断然美味しくなります。

富山湾では冬に雷が鳴ると「ブリ起こし」と呼び
ブリがやってくると言い伝えられていますが、ハタハタも
やってくるのです。

そう思ってよくみると体表もなんだか雷模様です。
ハタハタの語源とされる一説に
雷がゴロゴロとなる音をあてた古語だとするものがあるくらい雷と縁が深い
魚です。

魚へんに神と書いてハタハタと読む事もあります。
これもまた雷に由来しています。

アイヌの人たちは人間にはなし得ない事を行なう生物を
慈しみ「○○カムイ」と神の御業として崇めました。
その、神の最大の賜りモノが鮭でした。

そういう意味では若干ハタハタの神という当て字ははまりませんが
やはり日本人に共通する自然への畏敬の念が感じられます。

欧米人のように自然を征服するというスタンスとは違う
自然を畏れ敬いありがたく感謝して恵みとしていただく
という姿勢は熾烈な自然の脅威と引き換えに
豊かな恵みを享受しつづけた結果
おのずとこの国に生きる人の心に芽生えたものなのでしょう。

鯨を捕る人たちは鯨塚を立てて供養をします。
鶏卵販売をなりわいとする人は塚を建立し供養をします。

同じようなことを昔からあらゆる業界で為されているのを見るにつけ
収奪略奪が前提のようになっている
欧米人の心情からは到底理解も到達も叶わない境地を
すでに私達日本人ははるかな古代から持っているのだな
と思わされます。

ハタハタにも感謝をするなら美味しく食べる努力も
惜しんではなりません。
富山湾のハタハタは残念な事に脂のノリがやや少ないのが
特徴です。
東北のものほど脂が乗っていません。

それは市場原理というバケモノによって明確に示されます。
価格が安いのです。
漁師さんは悔しがりますが私たちにとってはありがたい話です。

特にこれからは抱卵しますから
秋田の人達が泣いて喜ぶ「ブリコ」がふんだんに食べられます。
ただしこれは子供の頃からの馴染みがやや薄いので
完熟のブリコでは硬すぎてアゴが疲れます。

今の時期の未成熟のブリコがちょうど食べ頃ですね。
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まず、そのまま握り寿司にして見ます。

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旨いのですがこのままでは弱いですね。

脂のノリが弱い=味が薄く感じる

ならば
味を強くさせればいいだけの話です。

昆布じめにします。

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それを酢洗いして押し寿司にします。

下半分のシャリに煮付けたブリコを混ぜます。

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完熟卵では歯応えがありすぎますが今ならジャマをしません。

カットしてみました。

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握りでは単調さを感じたものの
とも寿司にすると
しっかりと昆布の旨味を感じ、魚の味を引き立たせ
淡白な分を卵が補ってくれてハタハタを堪能できます。

全体ではずしりとした旨味の強い寿司に仕上がりました。
おぼろ昆布なども相性が良さそうですね。

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吸い物はハタハタの骨と昆布でダシを取りました。

干物、塩焼き、煮付け、鍋にと日常的に御馴染みの魚ですが
こうして刺身、寿司などと生食にするとまた違った顔を
見せてくれます。

魚は面白いですね。
食べながら次は何にしつらえようかと
想いにはキリがありません。




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