2011.11.08 鮭トバを作る
鮭は4年経つと産まれた河に帰ると言われます。
そういう意味ではどこからどこまでが天然と言うべきなのか
よく判らなくなってきています。
内水面漁協が採卵、受精、孵化、放流しているからです。

でもいわゆる養殖場で育てた成魚ではない
遡上したものを呼ぶのなら日本の天然物はほとんどがシロザケなのだそうです。

シロとは言っても皮は美しい銀色です。
これを「銀」と呼びます。
産まれた河にたどり着いてもすぐには遡上をしません。
体を塩水から真水に慣らすためにしばらく河口付近を
大きく回遊して過ごします。

この段階で海で獲れるものは皮目が緑がかったマダラ模様に
なっています。
これを「ブナ」と呼びます。

銀のものは切り身にしても赤いですが、
ブナになると切り身は白っぽくなります。
遡上に備えて餌を食べなくなることと、特にメスがそうなのですが
栄養がどんどんタマゴの方に行くからだと言われています。

そのタマゴ=イクラは銀のうちは卵殻も柔らかいのですが
ブナになるほど卵殻の弾力の強い
つまり噛み応えのある硬い卵へと変化をしていきます。
急流に揉まれても潰れないようにとの適応が起こるのですね。

この銀をトバに仕立てます。
細い短冊状にカットして塩味、または醤油味に漬け込み
干します。
これが乾燥仕上がりの状態。

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カチカチでうっすらと脂が滲み出してきています。

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皮目はまだ銀ですね。

それからスモークをして仕上げます。

いわゆるスモークサーモンの一種ですが、
柔らかくしっとりとしたモノは冷燻(れいくん)と呼ばれ
30度以下の涼しい煙で燻すのに比べ

このトバは60~78度ほどの温かい煙りで燻す
温燻(おんくん)と呼ばれるものです。
冷燻はゆっくり日数をかけて柔らかく仕上げるのに対して
温燻は短時間で仕上げる為比較的硬い仕上がりになります。

その分保存性はよくなります。
昔、アイヌの人たちが行ったのはこちらの方だったそうです。

こうしてスモークして
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こちらが仕上がった状態。

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脂が滲み出し、銀にスモークの色がついています。

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残念ながら今年は鮭の水揚げが非常に少なく
今のところ銀は1/2しか入手出来ませんでした。
このままだとこの一回限りに終りそうな予感です。

ブナが入手出来たら今度は新潟村上風の塩引きにして
半年ほど乾燥させる「鮭の酒びたし」に仕立てます。

硬くなった鮭を薄く削ぎ切りにして、お酒に浸して食べるものですが
これは脂気が無い方が良いのでブナが最適というわけです。
ただし今の漁の様子では如何なりますやら悲観的な見通しです。



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