2011.10.20 宗田ガツオ
富山湾には多彩な魚種が入ってきますが
本ガツオは獲れません。
代わりに小型の宗田ガツオが大量に上がります。
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これで30cmほどの成魚です。
日本海側ではこれから大量に上がり安い魚です。

昔は母がこれでカツオ節を作りました。
三枚におろして蒸し、紙にくるんでワラで吊るすのです。
中骨のついたままの乱暴な「亀節」の出来上がり。
身の付いた背骨は煮て鶏に食べさせます。

正月の雑煮はこの亀節でダシを引きました。
ですから今でも宗田ガツオを見るとつい買ってしまいます。

ところが、まれに中る(あたる)事があるのです。

これはカツオの体内で作られるヒスタミンが原因なのです
これを増やさせない為にはとにかく氷を大量に当てて
体温を上昇させない事が重要なのですが、
中には
『どうせ安値しかつかないから』と
氷代を惜しむ人がいて
そういう人の扱ったものがバッキューンと命中するのです。

それを知らない頃
一度だけ家内がやられました。
それから二度と食べてくれません。
残念な事です。

いつも言う
「正しく処理された魚」というのが
なかなか入手しにくい環境だったと言うわけですね。

病院の先生ですら
「カツオは生で食べちゃいけないんだ」
などと言うそうです。

そんな事はありませんよ!
正しく処理さえすれば今の時期トロにも負けない
美味しさを持つ素晴らしい魚です。

そんな美味しさを判ってもらいたい  
という漁師さんがいて、この人は大量に氷を積んで漁場に
出ます。
氷代だって高いのにありがたいことですよね。

今はそのカツオだけを仕入れます。

買ってきたらすぐにさばきます。

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こちらはシーチキン用に塩を当てたものですが
脂の乗りがお判り頂けると思います。

手こね寿司を作ります。
銀皮をつけたままの刺身を酒、醤油などのタレに漬け
生姜、青紫蘇、ゴマと寿司飯に混ぜ込みます。

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血合いはしっかりと除去します。

美味しい寿司になってくれました。

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この手こね寿司というのは漁師さんが船の上でやり始めた
ものだと言います。
漁船は朝に出港して夕に帰港するものとばかり考えていると理解が出来なくなります。
『なぜわざわざ不便な船の上でそんな面倒なことを?』
と思うそうですね。

遠洋漁業は船で何日も過ごします。
サケマス船ならサケやマスを、または筋子を
カツオ漁船ならそれこそおかずは毎日カツオなのです。

おかずを変えられないならせめてご飯の方に変化を求めた
とすれば
誠に切実なメニューだっだのだなと切ないくらいに理解が
できますね。

そんな漁師さんの苦労を想いつつ
もうひとつ
カツオ飯です。

こちらも同じくタレにまぶした切り身を用意し、

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鍋を火にかけます。

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沸いたらフタを取りあわただしく上に乗せます。

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これもたっぷりの生姜が決めてです。

炊き上がりがこちら。

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カツオのなまり節というのがあり
柔らかいカツオ節の事ですが、実は私は苦手なんです。
味が付いていないから逆に生臭みを感じてしまうんです。

この炊き込みご飯は全く生臭くありません。
しっかりと下味さえ決めればこんなにも旨くなります。
滋味深いどっしりとした旨味です。

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私の食べる様子をうかがっていた家内も
思わず手が伸びました。
この人が宗田ガツオを食べるのは何年ぶりでしょうか!
美味しい!と食べてくれました。

宗田カツオの旨さを届けたい  という
漁師さんの願いをしっかりと受け止め
美味しさを引き出したいと思い作りました。



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