疲れてしまってご飯を作る元気が無いとき
こちらの「たば田」さんでエネルギーを充填します。

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このマスターは大阪の料亭で修行を積んだ腕利きですが、
凄いのは早朝から四方浜(よかたはま)まで直接出かけて
買い付けをしていることです。

遅くまで働き、
早起きをするという毎日はかなりきついことでしょうが
その結果ははっきりと味に現れてきます。

新しい魚が美味しいのは当然の事だと思ってませんか?
では、何故美味しいのでしょうか?

海から上げたばかりの魚というのは温かいんです。
それを活きたまま放置すると暴れまくった末に絶命します。
これを野締めまたはノジと言います。

漁師さんによっては温かい海水の水槽に活きたまま泳がせて港に帰ってくる人もいます。
それを水揚げするとこれまた温かいコンクリートの上で跳ね回って絶命します。

船倉に氷を満載して漁場に行く船は魚を上げるとすぐに
水氷に漬けます。
この「みずごおり」というのは氷と海水を混ぜたとても冷たい水のことです。

冬の海よりももっと
自然界ではありえない冷たさですから忽ち絶命します。
暴れるヒマもありません。
活絞めに限りなく近い状態です。
これが最高の魚となります。

ノジはあまり触りたくない魚です。

まず、ここまでの目利き。
次にココからの仕込み。

この最高の魚を入手したら一刻も早く血抜きをしてやらなければなりません。
水氷に漬かっているとはいえ新しい魚はまだ体が生きています。
人間の皮膚を切ると血が流れるように
新しい魚はサラサラと血が流れ出ます。

古くなった(死んでしまった)魚は流れ出ません。
ドロリと溜まったのが出るだけです。
身肉の中からは出てきません。
だから生臭みを感じるのです。

ですから一刻も早い血抜きが必要なのです。
浜から市場に運ばれ、そこで温かいコンクリートに並べられ
何度も水をかけられ、それを魚屋さんが仕入れ、店に持ち帰る。
それを買ってきて血抜きしようとしても限界があります。

判っている料理人は早起きの苦労を厭いません。
すこしでも源流に近づかなければ”美味しい”を提供出来ないという事を知っているからです。

こうして正しい目利きと正しい処理をしてようやく
そこから腕の見せ所となります。
プロにとってはここまでは”当たり前の世界”なのです。

一度ここに振られてしまったときに他店で刺身を頼んだら
ネタケースの中から頭皮の付いたままのカワハギを手に取り
内臓を出すところから始めたのには絶句しました。
当然生暖かく、生臭い刺身でした。

プロとセミプロとの間には気の遠くなるほどの絶壁があるのです。

ではさっそく入店しましょう。
冷えた生ビールとともに突き出しが出されます。

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いつも最初に頼むのは刺身盛り合わせと焼き物。
焼き魚なんか家でも食べられるからお店では頼まないという人がいます。
もったいないと思います。
家では食べられない美味を食べに行くんです。

妙なメニューや奇をてらった料理が増えてくるわけです。
家では絶対食べられない美味とはプロが焼き上げた焼き魚
まず、第一に挙げましょう。

えぇ!新しい魚は刺身にしてももちろんですが、焼いた時に
その真価を発揮します。
余分な水分を抜き活絞めされた魚は絶品の旨さです。

ただし、焼き物は時間がかかります。
一番初めにオーダーする理由です。

刺身です。

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この日は「のどぐろ」と「赤イカ」、「鯵」です。
富山湾は今の時期定置網が上げられていて最も魚の少ない
時なのにこんな上ネタが揃っています。
もちろん近海物ばかりですから冷凍マグロなどは出ません。

のどぐろは焼き霜作りになっています。
いわゆる”炙り”というのは理由が無ければ美味しくはありません。
イカや白身魚を炙ってどうなるというのでしょうか?
こういうふうに
皮目の香ばしさと皮の下の脂を動かすという意味を伴って
初めて意味のある仕事となるのです。

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たっぷりと乗った脂が軽くとろけるような美味しさです。
脂が動いているのです。

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鯵は背中側はタタキ、腹側はそのままと二種類味わえます。

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コリコリとした食感です。
これが活絞めの効果です。
完全に血抜きが出来ている証の旨さです。
余分な水分は抜けて脂はしっかりと残っているという
素晴らしいお仕事です。

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赤イカは個人的には一番好きなイカです。

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柔らかく、甘味がありとても高級なネタで、お寿司屋さんの中にはイカはこれしか使わないという所も珍しくありません。
特に今はハシリで小型ですから更に柔らかいのです。
でもイカは醤油が乗りにくいですよね?
そこでこうして細かく切り目が入っています。

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キメ細やかな仕事ですね。
これなら歯の弱い人でも安心でしょう。

来ました今夜はハチメの塩焼きです!

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身が弾けているでしょう?
これが新しい証拠です。
包丁目が入っているからどんなに不器用な人でも
ぽろりとむしり取れます。

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焼き魚をお店で食べて家庭クラスのものが出てきたら
もうそんな所に行くのはおやめなさい
と言うぐらいにプロの焼いたものは絶品なんです。

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ここでは鯵、ヒラマサの頭、カレイ、ハタハタなど
どんなネタでも食べますが期待を裏切られた事は一度もありません。

お次は海鮮グラタン。
赤ワインと一緒に楽しみます。

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具がたっぷりでチーズもしつこくなくもたれません。
密かにカツオダシで作っているんじゃなかろうかと邪推して
しまうほどあっさりと仕上がっています。

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あと何品かは撮り忘れました。
こちらはジャガイモ饅頭。

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とろりと柔らかでねっとりとした芋にカツオダシのあんが
かかっています。
ただの芋だけじゃこんなに美味しくはなりません。
あっという間にとろけてしまいました。

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釜飯です。

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これも時間のかかるメニューです。
炊き上がってから丁寧にかき混ぜて供されます。
お釜で炊いていた昔を思い出します。
炊き上がりをそのまま出すお店は見た目ばかりを重視するんでしょうが

お釜のご飯というのは炊き上がり→蒸らし→混ぜ
の一連の作業が不可欠なんですよね。
ですから上の具材は別にして中身の具材は
小さく切り揃えてあります。

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ほどよいおこげ。
実に手の込んだ仕込み、仕上げぶりではないですか!

美味しいご飯には美味しい漬物が欠かせません。
ここのご主人のお母さんが育てた新鮮野菜の漬物。

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それとシジミの味噌汁が

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すっきりと美味しく舌を洗い流してくれます。

つい今日も飲みすぎ食べ過ぎてしまいました。

そうそう、ついでですが
ご家庭では絶対食べられないプロの作る美味というのは
ここで食べるもの全てなのはもちろんですが、
今日はメニューに載っていなかった

「アジフライ」

を挙げておきましょう。
笑いますか?

馴染みのあるものほど対比が容易と言う事ではなく
ひとくち頬張ればどなたも目を見張る味わいです。
無理を言って準定番に加えてもらいました。

アジフライの絶品

ふわふわの衣
さくさくのパン粉
ふわりとした身肉

ご経験おありでしょうか?
もし、メニューに載っているという僥倖に恵まれたなら
必ず頼んでみてください。
目からパン粉いえウロコが落ちます。




場所
富山市高屋敷
旧グリーンプラザ前交差点を南
お好み焼き、ヤキソバの「まるた」さんの向かい
定休日 月
営業時間  夜

ご夫婦のみで切り盛りされています
やたらなお電話はご遠慮ください







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