2011.08.08 すいとん-1
すいとん
と聞いただけで身震いしている人は沢山いるはずです。

戦後の食糧危機の折にアメリカ軍がもたらしてくれた
大量の「メリケン粉」
それはそれで大変ありがたい物でしたでしょう。

後になってみれば何のことは無い
小麦粉食に餌付けさせる為の戦略的支援だったとは呆れましたが
切羽詰まっているときはそれこそ喉から手が出るほどで
またこれのお陰で飢え死にしなくてすんだ人も沢山いるはずです。


しかし、あまりに何も無かった頃
小麦粉(メリケン粉)の特性もよく解らないまま
従来の食生活のまま取り入れた結果
恐ろしくまずいシロモノになって全国を席巻しました。

雑炊(ぞうすい)をご存知でしょうか?
ご飯に具材を混ぜてダシで軽く煮上げたものです。
これの語源は増量の増+水なのだそうです。

少量のご飯を大人数で食べる時に芋やら青菜やネギなどを
加えて水で煮込むと嵩だけは増やす事が出来ますよね。
これがいわゆる雑炊の原点なのだそうです。

今では高級料亭で懐石料理の〆に出されます。
炊き立てのツヤのある美味しいご飯を水洗いしてぬめりを
洗い流し、一番だしでさっと煮てサラサラッと食べる
本当の贅沢なご飯です。
戦後の食料危機をご経験された方なら怒り出しかねませんね。

すいとんはこの、よろしくない方の増量目的で作られました。
ダシが無い、卵も無い、美味しい具材も無い。
少量の野菜と小麦粉だけです。
味噌醤油があればまだマシで酷い場合は塩だけ。

水で野菜を煮る。
小麦粉に水を加えて練る。
団子状にして汁に落とす。
味付けをする。

これの不味さは想像を絶するものだったようです。
命を救われたにもかかわらず人間の舌というのは
理性のコントロールが出来ないとみえて
いまだに身震いしてその不味さを語るのです。

戦後生まれの私ですが亡き母がこれをしばしば作りました。
すいとんに慣らされてしまいたまに食べたくなったのか?
はたまた子沢山のまかないに苦労するが故だったのか?
今となっては解りませんが、
ご多分にもれず私もこれが嫌いでした。

ただ、家では鶏を飼っていたので卵の入った小麦粉でした。
それでも不味いのに変わりは無く不平を口にしては
母を困らせました。
そんな私を「贅沢言うな!」といつも叱った長兄もとっくに他界し、今は鬼籍の人となっています。

すいとんは汁ですが、家ではおかゆにも入りました。
残り少なくなった米びつを見ては思案していたであろう
母の苦労を今想うと申し訳ない気持ちでいっぱいです。

でも、すいとん粥は汁よりもっと美味しくなかったとだけ
書いておきましょう。
やはり感謝と舌は別物なのです。

終戦記念日も近いことです
昔を少しだけ振り返りつつ、私の本業ともからめつつ
続けてみましょう。

これは「麺」の話です。











スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://oisiitoyama.blog96.fc2.com/tb.php/826-b334957c