みどり共同購入会のYさんが
「万里のラーメンのような酒があるよ」と言います。
なんの事かと聞くと

飲み始めはとても違和感があり
酸っぱくて、まずいとさえ思うが
一本飲み終る頃にはすっかりトリコになり他の酒じゃ
物足りなくなってしまうほど旨いと感じるようになる

のだそうです。

『そうか最初はウチのラーメンもそうでしたか』
とにんまりします。
それで結構です。
ありがたいお褒めと受け取りましょう。

この酒
五人娘といいます。
作り方、仕込み方は色々あるでしょうが
詳しくは知りませんので省きましょう。

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ですからラーメンの話にかぶせて語ることに致します。

いわゆる「通」の人はまずスープを一口含み
「コクと旨味が・・」
とTVでは紋切口調で語ります。

コクは砂糖
旨味は味の素なんですよ
と通の人に種明かしすると
そんなバカなと気を悪くします。

これと同じ事が酒にも言えるんです。
度数は糖度が関係しているそうでして
おまけにアルコールを添加することで飲み口を
いかようにも調節できるのだそうです。

それで、
大きな蔵はそれこそ全国の小さな蔵の酒を桶買いして
自社ブランドの味を整えて販売しているのだそうです。

五人娘の味は確かに
想像を超えるまずさでした。
クセが強いとも言えます。
嫌味要素満載の味です。

産まれたばかりの乳児に砂糖水をなめさせると
もっと欲しいという仕草をし、
酢をなめさせると顔をしかめて横を向くそうです。
ヒトは甘いものを好むんです。
しかし、長じるにつれ色々な味覚を覚え五味になじみます。

この中で酸味、苦味、渋味、アク味などの本来ヒトが嫌う要素を出来るだけ排除した味が
一般に好まれます。
それはひたすら甘いものということになります。

酒でいうなら甘口
ラーメンで言えば砂糖と味の素がどっさり入った一杯

甘味というのは長いヒトの歴史の中では
本来、果物のことだったそうでして
トンカツや焼肉などをたらふく食べた後に無性に甘い物が
欲しくなるのは不足するビタミンを体が求めているサイン
なのだといいます。

果物を食べて栄養バランスを取って~
 とシグナルを発していると言うわけですね。
ところが現代では甘味=砂糖となってしまっていて
アイスクリームや菓子などで応えています。

そうした繰り返しでどんどん甘いものばかり増え続け
とうとう「甘いものでなければ美味しくない」
という味覚に慣らされて来ているようです。

自分もその一人です。
かつて、ある名酒の誉れ高い一杯を飲んだときに
『これは腐ってる』と
あまりの不味さに顔をしかめた事があります。

今回、五人娘を飲みその時の感想を思い出しました。
10数年経ち味覚が変化したのでしょう
ようやくこの旨さが判りました。

酸味、渋味、えぐみの下にどっしりとした旨味が隠れていたんです。
なるほどこれはヤバイ
今まで辛口と思っていた酒がただの甘口に感じられます。
いえ、薄っぺらにさえ思えます。
これは確かに一杯や二杯だけ飲んでいたのでは到底判らなかった味でしょう。

ウチのラーメンをこの名酒と並べるのは気後れがしますが
甘味旨味を増強しないで自然にゆだねると同じ事が起こる
と言うのは不思議な気がします。

甘味旨味の強すぎる酒に馴染んだ舌にはこの酒は
確かに不味く感じるはずです。
同様にウチのラーメンを嫌いだと言う方も大勢いらっしゃいます。

どちらも在り得ないはずの嫌味要素満載だからです。

それを無添加といいます。
好かれようと特別なことをしているわけではありません。
あるがままに
嫌味要素”も”そこには在ります。

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