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この二冊の本がいろんな事を教えてくれました。
ほうれん草の緑が濃いほど美味しそうに思っていたのが
実は間違いだったと知り驚いたり、湯がいた時の茹で汁が
濃い緑色をしているのはよくない野菜の証拠だと知って
愕然としました。

あまりに見慣れてしまって実は私達は野菜の事を何にも
知らなかったんだと認識を改めさせられました。

前書きから抄出し、一部要約します。
~~~~~~~
野菜が育つ時に必要な栄養素に窒素があり、
現代農業では石油エネルギーを利用して合成した窒素肥料を
使います。  この量が多いと野菜はそれだけ沢山窒素を
吸収し、結果的に葉の色が黒ずむほどに濃くなってしまうのです。
ある意味野菜のメタボだともいえます。

この硝酸態窒素を過剰に吸収させられた野菜はエグミ味や
苦味を伴い、腸の中で亜硝酸になって吸収され血液に入る
こともあります。
すると血液が酸素を運ぶ能力を損ないます。

(中略)
緑色の濃い野菜よりむしろ新緑のような緑の薄い野菜を選びましょう。
ゆでると、濃い色の方は水に色が溶け出したようになり
野菜の色は褪せるのに比べ
新緑色の野菜はゆで汁が僅かに染まる程度でしかも
茹であがった野菜は茹でる前よりもいっそうきれいな色になります。
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本編では胡瓜の形から美味しさを見分けたり、
かぼちゃのヘタの形で甘さを見分けたりと目から脱ウロコ
間違いなしの話が盛り沢山です。
また折をみて季節の作物に応じてご紹介しましょう。

もう一冊の無農薬りんごの木村さんの本はもっと凄いです。
無農薬で作物を育てる事がこんなに困難だったなんて!と
驚愕と感動の内容です。

本からエピソードをひとつご紹介します。

完全無農薬でりんごを作り続けていた木村さん
六年目にとうとう行き詰ってしまいました。

リンゴの木は病気や虫食いで手のつけようが無くなり
収穫どころか花や葉さえつかなくなりました。
周囲の農家さんからはのけ者にされ何年も収入も無く
親戚にも罵られる有様です。
税金も払えず、家財や畑は差し押さえの対象になり二反
あった田んぼも手放さざるを得なくなりました。

出来る事はやりつくし、何をどうすればいいのか?
答えの見出せない日々が続きすぎて
しまいには気が狂いそうになります。

「まわりの人には何の恨みも無い、俺が常識外れの事をしてしまったからこうなった」
「本当に身勝手な男だった、家族にも親戚にも申し訳ない」

死んでお詫びしようとロープ一本を持ち山に入り
良さそうな木の枝を見つけてロープをかけようとしたら
勢い余って落としてしまいました。

「あぁなんてドジな男なんだ」とその木を見上げると
自分の畑のリンゴの木とはまるで違った元気な様子に
すっかり目的も忘れ見入ってしまいます。

そこで木村さんは永年探し求めていた答えを見つけるのです。

木村さんは長い間参考書や今までの経験にばかり頼り
知識で頭が一杯になっていました。
その結果木の上ばかり見ていたのです。
雑草は敵だと思っていました。

山は雑草が生え放題で地面は足が沈むほどふかふかしてる。
「やっぱり土が違うんだ。そうだこの土をつくればいい」
山の土は匂いが良く自分の畑の土は良くない
そんな匂いのする土にすればいい

山の木の周辺には命があふれ全てが循環している。
害虫が無く、バッタやアリや蝶など無数の生物それぞれが
命をつなく為に密に活動している。
そこには何一つ無意味なもの、邪魔なものなどない。
どんぐりの木だって周りの自然の中で生かされている。
と気づきました。

そして、人間も本来そうじゃないのかと感じたのです。


現在木村さんの育てる自然栽培のリンゴは実が結実する
前からすでに予約で完売だそうです。
同調する仲間も沢山増えました。
りんごだけに留まらず米や野菜まで多岐にわたり全国、
海外にまで農業技術指導に走り回っておいでです。


私は農薬や肥料が全て悪だと言うつもりは全くありません。
苦労や被害が軽減されるなら、そして増収が計れるのなら
むしろ良いことだとすら思っています。

西村先生も
「農薬や肥料を使用しても美味しい野菜はいくらでも作れます」
と書いておられます。
しかし、農薬を散布したりするたび皮膚がべろりとむける
などという話を聞くとやはり何かが間違っているのでは
ないかと疑問を持ってきました。

昔・・
私の父は戦前の農業を学んだ人でしたが
父に
どうして山の山菜を畑で育てると風味が弱くなるのか? 
と尋ねた事があります。
どうして子供の頃にそんな話題になったのか前後はすっかり
忘れてしまっているのにその部分だけははっきりと覚えています。

父は
「畑は肥料が効いているから肥えているのに比べ
山の土地は肥料気が少なくて痩せている。
山菜は痩せた土地のほうが適しているんだ
肥えた土だと美味しくは育たないんだ」
と答えてくれました。


ここ数年よくそのことを思い出していました。
山でも条件は全て異なります。
カサカサに乾いた日当たりの良い場所で繁殖するワラビ。
湿り気があり日陰になっている場所に繁殖するぜんまい。
それぞれ好適地に繁殖してはいても、やはり栄養状態の
良し悪しがあります。

牧場跡に出るワラビは長く太くて柔らかくアクは少ないので
ほんの少量のタンサンを加えるだけで仕上がります。
土には沢山の草が生えていてそれらの枯れ草が幾重にも
堆積し、フカフカです。
ノビルも沢山群生していますが普通は掘り上げる根玉が
引っ張るだけで採れるほどです。
日当りは良好で南向き斜面とまるで住宅地のCMコピーの
ような立地です。

いっぽう土手のおでこに出るワラビは短く細く、硬くて
それなのに沢山のタンサンを入れてやらなければアク抜き
できません。
土は乾いて硬く、まるで舗装路のようになっています。

牧場跡のワラビは食味も良く、粘りも強いのに比べ
土手のワラビは風味が良くありません。

山菜の栄養って何だろう?といつも不思議に思っていました。

環境や摘み荒らされていないということも重要ですが、
それ以前に土の養分も大いに関係しているのは間違いない
からです。

フキを例に挙げましょうか。
フキも里や野山の到る所で繁茂しています。
私の生家にもありました。
家の前の畑にならない所はフキ畑と化していました。
でも、それを採って食べたという記憶がありません。

母はもっぱら山でばかりフキを採ってきました。
山に住んでいながら更に山に入るというのも可笑しな記述
だとは思いますがこれは割と普通の事なんです。

街住まいの方から見れば山里も山に見えるでしょうが、
山里に住む人にすればそんな身の周りのモノよりもっと山奥
で山菜を採りたいのです。
何故か?
風味、香気がまるで違うからです。
畑栽培にすると見事に太く柔らかく育ちます。
山で採るフキは細くいかにも硬そうです。

わざわざそんな細いフキを採ってきて夜なべ仕事で
老眼鏡をかけて皮むきをするのも
その方が美味しいからなんですね。
「作りフキ」と「野フキ」と呼び名があるほどですから
誰でも知ってるはずです。



人間が肥料と思ってるモノはいわゆる栽培種の作物に対して
であって山のものには別のモノが栄養となっているだけ
なんじゃないのか?
という思いが年を経るごとに高まってきていたのです。

それが何なのかは解りません。
おそらく全ての品種に異なる栄養素が必要なんでしょう。

フキは湧き水の出る所のが一番美味しいように感じ、
食べた味わいがミネラルそのものに感じます。

人間が手を掛けない自然には私達のまだ知らない養分が沢山
あるのでしょう。
それらがお互いに補い合いながら生存しているんだと
この二冊の本から教わりました。
決して山は痩せているわけじゃなかったんですね。
むしろ人間が余計な手を入れると本当にやせる程です。

木村さんのリンゴ畑では草が伸び放題に伸びているそうです。
そのお陰で夏の暑い日ざしの中でじつに10度以上他よりも
涼しいそうです。
暑さに弱いリンゴの木が喜んでいるようだと
生活費を稼ぐ為のキャバレー呼び込みバイト時代、
ヤクザに殴られて折れた歯の無いお顔で微笑みます。

本はそれだけで色々な知識を与えてくれます。
でも、一冊だけでなく関連する本を何冊か組み合わせ
それに自分の知識をかみ合わせると更にイメージを
広げる事もできます。

まだまだ知らない野菜や山菜の話
キリがありませんが、
とりとめなくもゆるりと続けましょう。

























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