私は花ワサビの醤油漬けをよく作りますが、
この時期山菜採りに行ってきた方からお土産に
葉ワサビを頂くこともあります。
なのでこれも自家用に醤油漬けにします。
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ところで、勘違いをしている人が多いようですが
ワサビと聞いただけで”辛いもの”と考えるのは早計です。
たまに料理のレシピ本などで葉ワサビを刻んで薬味にしたり、
トッピングにして香りと辛味を楽しむなどと書いてあります。

はっきり言って甘いです。
ワサビはそれだけじゃ辛くは無いんです。
それどころかひたすら苦い。
苦味と辛味は元々共存している味覚なのですね。

え? 香りを楽しむ?
フッ もはや寝言です。
この手の訳知り顔のウソつきが誤情報を蔓延させるんですね。
カラシ菜も全て、一仕事を与えなければ辛くはなりません。

このワサビを辛く仕上げるには色々な技があり、
各自秘伝ともいえる方法で仕込みます。
時にはあまりにその手順が煩雑で一度や二度聞いた位では
飲み込めないほどです。

それでも辛くならないことも多く、中にはとうとう諦めて
「手を嫌う」と言い訳をしている人もいるほどです。

この「手を嫌う」という意味は
人と同じようにやっても私がやると上手く出来ない
それはこの手とこれの相性が悪いからに違いない
という言い訳なんですが、確かにそう言いたくなるのも
無理ありません。
その位情けなく、悔しい不味い苦味なのです。

何を隠そう私もかつては何度も悔しい苦味を味わって来た
一人です。
甘い! と断じるのもそういう失敗歴があればこそです。

手を嫌う という言葉は梅干作りででも聞いた事があります。
能登の山あいの販売所でした。
かなりの年配のおばあちゃんでしたが、
「私が作ると、この手が嫌われて赤い色が出ないんだよ」
と言ってたのには驚きました。

梅干の理由は思い当たりませんが、ワサビは誰でも成功できる
ポイントがありますのでここで公開させていただきましょう。

ただし、各自の秘伝と書いた通りいろんな手法がありますと
言い添えておきましょう。
ここでも「美味に到る道は一本ではない」のです。

ポイントは二つ。
「イジメ」と「温度」。

イジメとはカラシ菜系に通じる強い刺激のことです。
後述します。

温度とは80度~90度の湯。
温度計が無ければ勘ですが、沸騰した湯をフタを取って
置くとすぐにその位の温度になります。
逆に言えば
水は100度にまでしか上がりませんが、その頂点を保つのは
瞬時にすぎないとも言えます。

沸騰した湯でほうじ茶を淹れ、湯のみに汲むと熱くて
ズズズッと音立ててすすりますよね?
その時の温度が90度です。

熱々のラーメンのスープはグビリと飲めませんよね?
その時の温度が80度です。
つまり、そのくらいの温度です。
勘はつかめましたか?

指先をちょっとつけるだけでも充分熱い温度です。

(作業工程)

1、タッパーにみりん、醤油、砂糖少々を入れ混ぜておく
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2、ワサビを3~4cm程に刻む
 根がついていればスライスする
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3、ザルに入れ、8~90度の湯をたっぷりと回しかける
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4、水を切り、タッパーに移す
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5、フタをきっちりと閉め、左右に強く振る
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6、できるだけ冷暗所で保管
  できれば冷蔵庫、冷凍庫が最適

(解説)
新しいものなら砂糖は不要だという人もいますが、
砂糖は辛味成分を効かせる効果がありますので
少量加えた方が効果があります。

ただし、入れすぎは厳禁。

5、6、はイジメです。
強く激しくいじめて、なお且つ温度差ででもいじめます。

でも、このタッパーを振るときに要注意なのが
疲れてつい上下に振ってしまう事。
熱でフタが緩くなっていますから中身が飛び出てきます。
くれぐれも”左右だけ”で振ってください。

葉ワサビだけで漬ける場合はどうかすると葉柄部分が
硬かったりしますので、最初にすりこ木で叩いてから
刻み、後は同様に行ないます。

この叩くということも強い刺激、つまりイジメに相当します。
カラシ菜や高菜を漬け込む時の力一杯押し込んでやるという
工程と同じような意味合いを持ちます。

ちょっと手間はかかりますが美味しい結果が待っていて
皆が喜んで食べてくれると思えば苦にはならないはずです。
なにより、「手を嫌われている」と思っていたのが誤解
だったんだ! となってもらえばこうして公開する甲斐もあるというものです。

全ての仕事は美味に通ず  と言い聞かせ励みましょう。

苦味というクセを抑えて、自分が欲しい辛味だけを
強調させる都合のいい話ですがコツを飲み込んでしまえば
秘伝だなんて言えないほどあっけなく成功します。




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