2011.04.13 山椒の話
先日のミニ丼で鶏の照り焼き丼をしました。

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でも主役は能登健康鶏ではありません。
仕上げに振り掛ける粉山椒です。

毎年秋に収穫しておく、こちらの完熟山椒。
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春に芽が出て、葉が広がり、花が咲き、実になります。

夏過ぎ頃から実が赤く色づき、やがてそれが色あせて
割れてこうなります。
中から顔を出しているのが種です。

山椒の凄い所はこの一年中のどの段階でも全て香辛料として
使えるという点です。

木の芽、葉、花、実、実の皮全てです。
そしてその全てに微妙に異なる風味がある点も見逃せません。

木の芽は吸い物や煮物にあしらい風味を楽しみ、
葉はすり潰して山椒味噌などに、または冷凍保存。
花や実は塩に混ぜることで使えます。

完熟の実全体を使う場合は特性を覚えておくと便利です。

皮は香り重視。
黒い種はひりひりとした刺激。

麻婆豆腐の麻とはこのひりひりした刺激の事です。
中国料理では実全部を使うことが多いからです。

から揚げなどについてくる塩がありますが、
あれを塩コショウなどと書いてあることも多いようですが
あれも実は山椒の全実をすり潰したものです。

それに塩を加えて、から焼きして仕上げます。
名前を「椒塩」(じょうえん)と言います。
日本風に言うなら山椒塩といったところですね。

日本には抹茶塩とか紫蘇塩、柚子塩など色々ありますが
山椒塩は聞きません。

日本人はそれほど強烈な刺激を求めなかったのか
より繊細な料理に併せる事を選んだのかは知りませんが、
粉山椒はこの赤い皮だけを使うのです。

黒い種を選り分けてから擂り鉢ですります。

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こうして実際にやってみるまで私も知りませんでしたが、
赤い表面に香りが詰まっているようで内側の白っぽい部分は
香りは弱いようです。

ですから最初は優しくすってやらねばなりません。
表面を擦り取るようにです。
こうして何度もすっては漉しすっては漉してひとつまみを
得る事が出来るのです。

手間がかかりますが、この素晴らしい香りを知ってしまうと
もう戻れません。

パックのウナギ蒲焼についてくる小袋の粉山椒をかけて
一口食べて、あわててこそぎ落とした事ありませんか?
私はあります。

ホコリでもかけてしまったか!? と思いました。
もうそんな愚は犯しませんが、
どこの国のどちらで作られたものかは知りませんが、
相当の長時間が経過したものだったのでしょう。

すりたての山椒の香りは鮮烈ですがすがしく、
照り焼きや蒲焼のタレと抜群の相性の良さを持ちます。
まさに美味しい香りと言えます。
比喩などではありません。
香りが味を引き立てるなどという生易しい事ではないのです。

味の無い山椒自体が美味しく感じるんです。
味覚を激しく刺激するからなんでしょうね。
その証拠にご飯にタレと山椒だけで充分美味しくなります。


さて、実の皮だけをすりつぶして黒い種はどうするのか
と言いますと、これを植えます。
そうするとほとんど丈夫に発芽します。
これを実生(みしょう)の苗と言います。

山椒の木はなかなか大きくならないと言われていますが、
山採りの実生はすくすくと伸びます。
ですから正しくはなかなか太くならない と言うほうが
正しいようですね。

春先に木の芽が出回るのは誰でも分りますが、
秋まで小さな木の芽が出ている事に疑問を持った事は
ありませんか?

実はこの実生の苗には秋まで次々に新葉が出るんです。
山椒の葉がお好きな方はプランターにでも鉢にでも
何本か植えておけば春から秋までいつでも葉が使えます。

大きく育った木ではこうはいきません。
春の新芽はすぐに硬くなり、秋風が吹く頃に早く枯れこみます。

おそらく混生林の中では少しでも早く伸長しないと
生き残れないので小さな苗の時期にだけより多く
光合成を得る為の遺伝子作用なのでしょう。
でもそのお陰でいつでも新鮮な香りが入手できます。

感謝

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こちらの木は2年目です。
去年は時間が無くて山に返しに行けませんでした。
今年も新芽を次々に萌え出すのか観察です。
秋には、山に返しましょう。









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