2011.02.22 タルティーヌ
私は仕事上各国のご馳走や高級料理などを勉強しますが、
本当に興味を引かれるのはむしろ普段の食事、
日常のメニューです。

ですから求める専門書も高級料理ももちろん含まれますが
どちらかと言えば「イタリアの地方のおそうざい」とか
「北京のおかず」などといった物が主になります。

そんな中から今回ご紹介するのが
池田書店発行の
「タルティーヌ」という本です。
著者は 渡辺 麻紀 さん。
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この方はほかにも
「キッシュ」「テリーヌ」「ケーク・サレ」などの本を
多数、上梓されてます。

タルティーヌ
聞きなれない単語ですね。
パリの地元住民で賑わうカフェでムッシュが注文しているのを聞いて
とても期待してしまったそうです。

しかし、その素敵な単語とは裏腹に出てきた物と言えば
ザク切りしたバゲットにジャムを塗ったものがカフェ・オレの上に
乗っているだけ。

カフェ・オレに浸して食べるその姿を見て
「え?」と思ったそうです。
そこから探求が始まり、氏のオリジナル考案メニューが満載された一冊となっております。
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そこで自分もマネをしてやってみました。
ミルクは苦手なのでカフェ・オレというわけにはいきません。

ブラックコーヒーに乗せてもあまりお洒落にはなりませんね。
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ちょっと工夫もしてみましょう。
残念でした。
今回はパンが硬めで食べづらかったですね。
またのトライと致しましょう。

こうして著者の期待を裏切りつつ虜にしてしまったものが、
パリの普通の朝食メニューなんだそうです。
オトナから子供まで普通に食べるというのです。

パリといえば三ツ星レストランとすぐに思いつきますよね。
でも、当たり前ですがいつも毎日三食、豪華なフルコースばかり
食べているわけではありません。

むしろ観光客のいない普通のレストランなどで地元の人たちが
食べているメニューが日常的なものだったりするのは私達の食卓を考えても納得できるのではないでしょうか?

ここ富山県でも朝から晩まで「鱒寿司」やブリの刺身ばかり食べているわけじゃないのと同様。

大阪人だって毎食お好み焼きばかりは食べない”はず”です。

パリの朝食メニューはなにもこればかりじゃないとは思いますが、
案外簡単な食事なんだな  と意外に思いました。

こういう視点から眺めてみるとそれぞれのお国事情といったものが
垣間見えることがあります。

「階級社会のヨーロッパ」というキーワードのメガネを通して改めて
高級料理の本を見返します。

パリの高級レストランといえど豪華なコース料理を楽しんでいるのは
上流階級の人達だけなんではないだろうか?などと、ほの見えてくるのです。

そういう時にいつも思い出すのが船員時代にイランで見た光景です。
まだその頃は王政が敷かれていました。
確か、パーレビ国王だったはずです。

大型タンカーは沖合いに止めてそこで原油を積み込みます。
カーグアイランドというところでした。
そこから上陸するにはゲートを通らなければ行けません。
そのゲートの守衛がちょうど昼ごはんを摂っていました。

普通の船員は一刻も早く上陸したいからそんな光景に目もくれず
通り過ぎますが、私は根っからの食いしん坊なんです。
「ん?何を食べてるのかな?」と見ました。

中東独特の「ホブス」というパンとタマネギです。
ナンを乾燥させたような見た目はカサカサしたようなパン
小さな紫のタマネギをカットしたもの
                  だけなんです。

それを実に旨そうに食べているのです。
興味がわきました。
「それは旨いタマネギなのかい?」と指差して尋ねます。
当然日本語で  です。

食事とか料理に関することではあまり言葉は関係ないものです。
「それが欲しい」「美味しい」「塩っぱい」なんて万国共通の
身振りで通じます。

「食べてみろ」といかにも気の良さそうな笑顔で勧めてくれました。
「ショコラン」
とこれしか知らない礼の言葉を言ってつまんで見ました。

「辛い!」
普通の生タマネギではないですか!
それを小さくカットしたものを嬉々として食べていたんです!
そんな様子を向こうは笑って眺めているだけです。

イラン王朝の頃です。
ホメイニ師がまだ革命を起す前の話です。
王族は贅沢三昧をし、それこそ毎食フルコースどころではないような
アラビアンナイトに出てくるような暮らしをしていながら
外貨獲得の唯一の設備で働く人間はこんな食事をしていたのです。

なんて貧しい食事だと決め付ける気はさらさらありません。
その国なりの食習慣がありますから
パン一枚だってオカユだってそれで満足できるのなら
不満は起こらないでしょう。

でも最近起こっている中東の政治不安などを見ると
庶民はそれすらままならなくなって来たのではないだろうか?
と思えるのです。

キリストはパンのみにあらず  と言いました
しかし、日々の糧が無ければ生きていけないのも現実です。
そんな日々の暮らし、日常の食事から見えてくるものをも
見逃したくないものです。

ひるがえってわが身を見るといくらねじれ国会でドタバタしてるとはいえまだまだ日本は平和です。

水も食料もまだ十分にあります。
食料自給率なんていったいどういう方法で量られているのかは
知りませんが米と魚に至っては100%のはずです。
日本に生まれて本当に良かったと感謝する日々です。







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