いつも美味しいものを差し入れてくださる永田さんが
「今度エゾシカの肉を持ってくる」と言うので
驚いていたら
数日後「今日、鹿を捕まえたと連絡が入った」
と言うので、仰天。
え!?まさか今から〆るという話なのか?
とか
毛皮つきのまま送られてきたらどうしょう!
などとアタフタしている間に、その二日後届きました。

エゾシカは富山などの本州鹿(ニホンカモシカ)とは違う種類です。
TVアニメなどで御馴染みの小鹿のバンビのような可憐な姿をしています。
それで日本人はつい「可愛い!」となるのですね。
北海道では増えすぎてエライ事になってるそうです。

冬期は冬眠しないので、食餌は木の皮や新芽を食べます。
樹皮をそんぐり食べられてしまって枯れる木々が続出。
環境問題にまで被害が広がってしまい、
被害は40数億円規模だそうです。

また春以降は牧草をやたら食べちゃいます。
これも大変困る事でした。
でも、そこまでなら無関係な人たちはまだ無事だったのです。

誰もが遭遇しうるトラブル。
交通事故が多発しているのです。
数十キロの体重があり、長い足を持っている鹿に車が
ぶつかるとどうなるでしょうか?

フロントガラスから運転席に巨体が飛び込んでくるのです。
たまったものじゃありません。

そして今、北海道ではエゾシカを積極的に食べよう という
運動が盛り上がりつつあります。
あのニコルさんもそういう本まで出版されています。

エゾシカが大繁殖した原因のひとつがオオカミの絶滅だそうです。

オオカミは危険だけど鹿は可愛い?

とんでもありません!
山の人達にとってオオカミはある意味「守り神」でもあったのです。
作物や人工林を荒らす鹿こそ天敵だったのです。
オオカミはそれを駆逐してくれる有難い存在だったのです。

山の夜道を独りで歩いて家路をたどる時、オオカミは後ろを付いて来たそうです。
村人は無事家にたどり着くと「ありがとうよ」と
オオカミに食べ物を与えたそうです。
これが本来の「送りオオカミ」だそうです。
実際に大犬神社というものも現存しています。
奉っていたのです。

ただし、夜道を「送って」もらっている時に
つまずいて転ぶと襲われたそうですから怖いのも確かです。
でもオオカミとはそうやって持ちつ持たれつしてきたのです。

それは置いときましょう。
何はともあれこれです。
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モモ肉一本。
すごいボリュームです。
これをさばくと足骨は思ったよりもスリムですね。

骨と筋やくず肉、香味野菜でスープを取ります。
フォンです。
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すね肉を巻き即席タレでチャ-シューに仕上げます。
匂いが気になるのでスパイスを3種類加えます。
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そして出来上がったのがこちら。
エゾシカのラーメン。
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スープはとても濃厚で脂を取っても強く感じます。
筋肉が沢山出たので「筋煮込み」も作りました。
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これで、大体の肉の特徴がつかめましたので、
次は炒め物です。
絹さやとXO醤で炒めます。
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こうすると確かにクセは感じなくて美味しいのですが
あまりに中国料理になりすぎてしまい、逆に物足りません。

次はシチューです。
シカですが、フォン・ド・ヴォー仕立てですから
もちろん美味しくなりました。
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が、ちょっと不満です。

もう少しガツンとしたものにならないか

と言う事で
ステーキに挑戦です。
ちょっと気取って
エゾシカもも肉のポワレ です。
一晩赤ワインと香味野菜でマリネして
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軽く焼きます。
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永田さんには箸で食べてもらいたいので一口大にカットしてもう一度
焼き目をつけます。
ソースはジュとフォンをポルト酒やスパイスで整えて煮詰めたもの
付け合せはリンゴと梨のコンポート
それにミカンを合わせます。

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これは美味しい仕上がりでした。
ミディアムレアで程好いワイルドさの残る、さりとてイヤミの無い
どっしりとした仕上がりです。

まだまだ、残りは沢山ありますから、
さてお次は何に仕立てましょう?
まだまだたっぷり楽しめそうです。

料理人冥利に尽きる幸せをいただきました。
シカでも孔雀でもなんでもいいです。
人間の暮らしを脅かすほどになったら遠慮なく駆逐し、
美味しく食べましょう!
それが地域起しにつながるなら一石三鳥ではないでしょうか?。









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