アレルギー治療の名医の方のお話をラジオで聞く機会がありました。
それによると、
今まではアレルゲンとなる物質をとにかく避けるという事に尽きましたが
最先端の治療は「食べて治す」というものだそうです。
もちろんこれはDr.の厳密な指導のもとに行われるものです。
ごく少量づつを体の状態を見つつ慣らしていくのだそうです。

そこで卵アレルギーだった人の改善例を紹介されていました。

Dr.
「卵アレルギーが治った患者さんが真っ先に何を食べたがったか解りますか?」
アンカー 
 「菓子でしょうか?」
Dr.
「いいえ、ラーメンなんです」
アンカー
 「えぇっ?!」 

これには私も驚きました!

言うまでも無く卵がダメとなるとほとんどのケーキ類やどうかするとパンなども限定されます。
私もてっきり菓子類だと思ってました。

違っていました。
つまり
ほとんどの中華麺には卵が入っているから今までは危なくて食べられなかった
というのです。

ではなぜ麺に卵が入るのでしょうか?
ここから製麺機メーカーの大和製作所が発行している教本から引用要約します。
_________________________
卵の使用にはいくつかのパターンがあり、卵白のみと全卵そして粉卵とです。
卵白の特徴の好例として「ゆで卵の白身部分」が解りやすいでしょう。
その食感として表面は弾力を持ちながら一旦歯が立ち込むと亀裂が走り歯切れの良さがあります。
またこの白身は水を通しません。
この「歯切れ良い弾力」と
「水を吸いにくい」=「茹で伸びに強い」性質を麺に加える。

全卵は風味付けと着色
粉卵は衛生上の安全を考慮して

使用量は原料小麦粉に対して生卵で5%、粉卵で1%以上使用した場合に
卵麺としての表示が”可能”です。
________________________
となっています。

スーパーなどで並べるのなら「卵麺」と表示して値打ちをつけることもあるでしょう。
しかし、ラーメン店などでは普通は表示しないで営業しています。
5%以下 1%以下もあるでしょう。

それでもたとえ微量でもアレルギーの人は発症するのです。
確かに君子危うきに近寄らず となって入店できなくなるのも
無理からぬところですね。

今までに何度も書いていますが私達の麺も昔は卵白を加えていました。
無添加にこだわりたくて、かん水よりも卵の方が良いだろうと思っていたからです。

でも現実はやや様子が違っていたのです。
思っていたよりも卵アレルギーのお客様が多かったのです。
無添加という表示に『もしや?』と淡い期待をもって電話をしてこられるのです。

皮肉にも安全だと思っていた卵の方に実質的な害があったのです。
先の卵アレルギーの人達もそれが怖くてかつてのラーメンブームの只中ですら
じっと我慢を強いられてきたのですね。

お察しします。

さらに、かん水悪玉説というのまでありまして、
それでかつて一部の生協などでは無かん水麺と称して
卵の殻を焼いて作った焼成カルシュウムというものを添加した麺を
販売したことがあるそうです。

効果はかん水とほぼ同じなのですが、
卵アレルギーを持つ人はやっぱり発症してしまうそうです。

卵とかん水のどちらに実害があるかを示す好例と言えますね。
実態のあやふやなかん水悪玉説ばかりを向いた結果かえって実害を起してしまった例でしょう。
今では焼成カルシュウムもかん水と表示されるようになったそうですが、
それよりもむしろ
「卵を含む」「卵を含まない」と
明確に表示していただきたいものです。

恐る恐る手に取る方々が現実に”居る”ということに留意しなければいけない
ということに尽きます。

それが製造者の”良心”というものじゃないでしょうか?
いったん加えたものは後で手に取った人は除去のしようが無いのです。
そこをよく理解してもらいたいのです。

私達の現在はというと
今は全く卵を使用していません。
数年前から思い切って極低かん水のみに切り替えました。
今回の手打ちに切り替えてからはかん水の他に
粉を厳選して食感の改善をし続けてついに
以前よりさらにかん水を減らして尚、コシを強くすることに成功しています。

これも青竹打ちによる製法の賜物です。
普通の人力では不可能な強力な延しと畳みの効果とも言えます。
いまは無き「福力」さんで何気ない会話を交わしていた言葉がよみがえって
来る事もあります。

不思議な事ですが
『あぁ あの時にあんな事を言っていたのはつまりこういう事だったのか!』
と得心させられるのです。

青竹打ちの本場では終始、竹だけで麺を鍛えますが
私は最初だけを軽い竹で打ち込み、後は鉄パイプに持ち替えて打ち込みます。
鍛えるにしたがって強靭な麺体になってくると竹では歯が立たなくなってくるからです。

当初は軽い(肉薄の)パイプで行って充分だったのが
夏になり気温と湿度が変化するに伴い粉の配合を変えるにつれ
今までより数倍の力が必要になりました。

結果、軽いパイプは無残にもへし曲がって使い物にならなくなってしまいました。

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今は重量パイプで加圧しています。
全体重を目一杯かけても曲がる心配はありません。
そのかわり持ち上げるのにいささか苦労します。
でもその苦労の分だけ「美味しい」が産み出されると思えば
甲斐もあるといえます。
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手打ちにしてよかったと心から喜びを噛み締めてまた早起きする日々です。

職人の矜持にかけて、なにより安心、安全をご提供するために今日も。
安心な食を求めてご来店下さる皆様のために 明日も。

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