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夏休み最後の日曜、親子連れで釣りを楽しむ光景が微笑ましい朝です。
今ではこんな元気が自分にもあったなんて考えられない位ですが、
かつて私は夜釣り専門の釣りキチでした。
しかも自営業のためほとんど単独行です。
日曜日は仕事だったからです。

そう、夏ですから今回はちょいと怖い話でもして見ましょう。
怖い話が苦手な方はここからはお読みにならないでくださいね。

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霊能者の見立てによると海や河などの水辺にはたいてい浮遊霊がいるそうです。
自分が死んだ事を解らない魂なのだそうです。
それは決して怖い事ではなく特に恐れる必要もないらしいのですが、
中にはいたずらというか悪さをするのもいるそうで

「あそこの浜とあそこの河口には行かない方が良い、タチの良くないのがいます」
というポイントがあるというのです。

その話を聞いた時に『あぁ やっぱり』と思いました。
それまでにも何度となく妙に後ろが気になったり、
誰かにじっと見られているような気配を感じたりしたことがあったからです。

私の場合夜釣りとは言っても夕方から出かける半夜釣りではなく
明日が休みという夜、つまり仕事が終わって深夜からの夜釣りです。
休日の早朝に帰宅するパターンでした。
人皆寝静まった頃に灯火を消してじっとアタリを待つ釣りです。

特に霊感など無くとも嫌でも過敏になっているから考えすぎなのだろうとその頃は思っていました。

それにそんな事など気にならないほど釣りにハマっていたせいもあります。
その頃は気にしていませんでした。

そんな夢中になっていた頃を少し過ぎた頃のことです。

普通じゃ飽き足らなくなって自分で高めのハードルを設定して
誰もやらない釣りをトライしていた頃。

ー例えば沖に突出た長い堤防の先端から巨大ブリを狙ってみるとか
砂浜から船釣り用の仕掛で大物を狙ってみるなどというふうにー

その夜のポイントはここの河口です。
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今は早朝ですから彼は気持ちよさげに竿を振っていますが
深夜は人っ子一人いない漆黒の闇です。

電子ウキと水中ライトを長いワイヤー仕掛にセットしたら長い剛竿で思いっきり遠投します。
狙いはタチウオ。
ここは河口なのに遠浅、しかし100メートルも離れるとタチウオの好ポイントで早朝からプレジャボートが群がる場所なのです。
タチウオは夜行性ですから仕掛けを作り、それをポイントに投入さえすれば誰もやっていない面白いトライが出来るとその時はそれだけで浮き立つ気分でした。

午後10時ごろ現場に到着。
荷物を運び、仕掛けをセットして第一投。
竿掛けに釣竿を立てかけたのが11時頃。

愛煙家の釣り師はたいていここでタバコに火をつけ一服します。
マージャンで言うところの
「テンパイ煙草」や「「リーチ煙草」というところですね。
細工は流々仕上げをごろうじろ というところです。

その頃あたりから向こう岸で
「お~い」「お~い」と誰かを呼ぶ声がしていることに気がつきました。

『誰かを呼んでいるんだろう』ぐらいに聞き流していました。

その日の狙いはアテが外れアタリがほとんどありません。
投げて流し、回収するということばかり繰り返していました。
釣りキチはこんな事を何時間でも平気で続けられるのです。

深夜3時ごろにそれまでほんの僅かにあったウキの微少なアタリさえ全く無くなりました。
するとにわかにあの声が気になりだします。

そうです。
ずっと聞こえているんです。
「お~い」「お~い」・・・  と

そういえば心なしか声が大きくなってきているような気もします。
声というのは不思議なもので横を向いて発声したものか、それとこちらを向いて発声したものか判りますよね。

それははっきりとこちらを向いているのです。
こちらには私一人しかいません。

そこで突然いろんな事がいっぺんに頭の中でカチッと音でも出るようにつながりました。

あの霊能者が「行かない方がいい」 と言っていた浜がその声のする浜です。

またある人がその浜で真冬に独りで夜釣りをしていたら後ろから ザクッ ザクッと足音がして
『あぁ見られるのは嫌だな』と思って無視していたら
真後ろでぴたりと足音が止んだそうです。
『ちっ なんだよ』と振り返ったら
誰もいなかった そうです。

またある人はそこで夜釣りをしてからは腰やヒザが痛くなったそうです。


その浜には黒々と松林が並んでいてその脇には住宅街もあるのに
誰があんなに大きな声を何時間も出し続けているんでしょうか?

そばの堤防には夜釣りの人がいつも何人かいるのに、
この河口にだけなぜいつも人っ子ひとりいないのだろうか?

急にうそ寒くなり総毛立つ思いでそそくさと餌を投げ捨て道具を片付けました。
「お~い」「お~い」 と声はどんどん大きくなってきます。

深夜10時ごろから3時までいったいどこの誰が 誰を 呼んでいるというのでしょうか?

必死で帰ってきました。
帰路はそこの道を避けて遠回りした事は言うまでもありません。

幸い腰もヒザも痛くはなりませんでしたがもう一度アレを確かめに行く勇気は持ち合わせていません。



久しぶりに夏の海でも見ようと出かけたらついこんな事を思い出してしまいました。

たぶん思い過ごしだったんでしょう。
でも、そんな事がもし貴方の身に起こったら
ふざけて呼び返したり、返事をしたり、振り返ったり、は決してしないでください。

海や山には”行かない方がいい”という場所があるのです。
次回は山のそんな話です。












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