始めにこれだけを書いておきます。
料理は手間をかければかけるほどどれだけでも美味しくなります。
ただし、蛇足はいけません。
しかし、手間をかけないで化学調味料に頼っていたら
化学調味料が履かせてくれた下駄以上の味の広がりは得られません。

仮に、材料をふんだんに使い、手間隙をかけたところで
そこにほんの少しでも
化学調味料を加えてしまったらたちまちその水準に引き戻されてしまうばかりでなく
それまでかけた手間と材料が過剰な味、つまりあくどい味となって返ってきます。

美味しいというゴールに至るには過不足の無い味が必須前提なのです。
全ての道はローマに通ず
ではありませんが
正しき手間は全て美味へと至ります。
誤った道ではゴールは遠のくばかりです。


さて、チャーハン(或いは焼き飯)には卵を後から入れるスタイルや先にご飯と卵を混ぜておくスタイルなどいくつかあります。

生米を油で炒めてスープで炊くのも広義ではチャーハンの範疇に入るのだとか。
いやむしろそちらの方が本来なんだとか、巷間かまびすしいことですが、
机前口舌学徒ならいざしらず、ここでは一般的なスタイルで話を進めます。

まず、油で卵を炒めます。
が!これだけで美味しくなるでしょうか?

普通の卵炒めとしてならまずまずでしょう。
でも「これこそがチャーハンの美味の元だ!」と言うほどの味ではありません。
そうなんです。ここから始めましょう。

サラダ油なんか無かった頃にはラードなどの動物性油脂で作っていたはずです。

サラダ油では旨味が出ないのです。
動物性脂肪には旨味やコク味がたっぷりあります。
バターで卵を炒めると香ばしいコク味が生まれるのがその証拠です。
事実天麩羅屋さんではサラダ油だけじゃ味がでないからと香りの弱いごま油と調合しています。

だからといってごま油や自家製の未精製のラードやヘット(牛脂)で全部調理すれば今の時代
しつこくって食べれません。
菜種油100%でも重く感じるでしょう。
出来れば市販の精製ラードなどを仕上げ油としてほんの少量使うのがベストです。
その点ここでも鶏油などは最適な脂といえます。

では卵はどうでしょうか?
特売のものはダメとは言いませんが、
品質が悪かったり新鮮でないものには異臭があることが多いのです。
妙に生臭い風味があります。

飼料や育て方にはっきりと問題があるからです。
できるだけ美味しい卵を選びましょう。
自分や他者の命を大事に思うのなら大事に育てられた命を取り入れる事です。

美味しい卵が入手できたらたっぷりと使います。
一人前に対して最低でも一個を使いましょう。
このスタイルのチャーハンでは卵は決め手となります。
美味しくしたいなら1.5~2個が理想です。

次に用意するものはご飯です。
保温ジャーが無かった昔はチャーハンと言えば冷やご飯の再加熱のためのメニューでした。
でも、今はジャーもありますし電子レンジも普及しています。
家庭でも簡単に「美味しい」を追求できる下地は整っているのです。

それでも冷やご飯があるから  という場合はレンジで温めてから作るほうが断然簡単に手早く作れます。
フライパン越しに熱を加えるだけで相当な時間がかかってしまい粘りが出るからです。

炊きたてのご飯でも時間の経ったご飯でも美味しく作れます。
ポイントは
ご飯が柔らかい時には卵を9割がた火を通した時点でご飯を入れる。
時間の経ったご飯だったら7割がた火を通した時点でご飯を入れる。
という点です。

要は卵を通して間接的に油をご飯に行き渡らせる。
その為に、ご飯が柔らかな時には卵を幾分堅めに火を通す
     ご飯がかためな時には卵をやや柔らかめにして
と言う事です。

具材はネギさえあれば後はなんでもOKです。
葉ネギより根深ネギの方がより旨味が出ます。

1、フライパンを空焼きします。
2、煙が出るほどになったらサラダ油をたっぷりと敷きます。
3、フライパンをグルグルと回し油を全面に馴染ませます。
4、油をいったん戻してフライパンを空にし、もう一度じっくり焼きます。
5、煙が出てきたら少量のサラダ油を入れて調理スタートです。

これをフライパンの油慣らしといいます。
面倒でもこれさえやっておけばまず、くっつきません。
テフロン鍋でも同じです。
第一の関門突破です。

二度目に入れる少量のサラダ油について
お店ではこの時にも多目の油を入れる事が多いのです。
卵を少なく使ってパラパラな仕上がりにするためです。
よく言われるパラパラなチャーハンと言うものは
少なくとも日本人にとって美味しいものではないことを声を大にして言いましょう。

まして油たっぷりでそんな物を作るなんて芸が無いと断言しておきます。

美味しいチャーハンとは
ふんわりとして柔らかな仕上がりでなければいけません。
食べ終わったお皿に油がべったりと残っているなんてサイテーです。
くれぐれも、調理スタートの油は少なめでトライしてください。

6、少量の油が温まったら多目の卵を入れます。
7、お玉で手早くかき回して塩を少々加えます。
8、卵に6~7割がた火が通ったらご飯を投入。
 素早くお玉の先端でつき立てるようにしてご飯を崩します。

家庭では慣れるまで火力の都合により一回に一人前が理想です。
ご飯茶碗一杯です。
お玉は中華用の物が最適です。
崩す時には垂直に持ち軽くつき立てるようにして使います。
お尻の丸い部分で押し付けると団子になりますのでご注意。

9、ご飯の塊があらかたほぐれたら塩、コショウを入れます。
  ここでは控えめにしておきましょう。
10、次にネギ以外の具を加えて混ぜ込みます。
11、フライパンにご飯を広げてネギをたっぷり乗せます。
12、フライパンを大きく振ってホットケーキを返すようにひっくり返します。
13、鍋縁から仕上げ油を少量回し入れてやります。
14、鍋をグルグルと回してネギに「焼き」を入れます。
  ここで鍋を動かさないとすぐに焦げてしまい台無しになります。


15、香ばしくなった頃に同じようにして醤油を
  (今までやってきたよりもやや多目の量)
  周りから回し入れてもう少し「焼き」を入れます。
16、仕上げに良く混ぜて味見。
17、完成。

これが無添加で美味しくする基本です。
もちろん基本ですからここから自在に姿を発展させなければいけません。

カレー味ならばタマネギのみじん切りをよく炒めてカレー粉をまぶしたものを加えます。

カニチャーハンでは何よりもまず、美味しいカニ身をたっぷり加えます。

タケノコならあらかじめ相性の良い椎茸とじっくり煮含めて旨味を乗せておきましょう。

春キャベツなら新鮮なものにしかない「旨味&甘味」を引き出すために余分な水分を搾り取っておきましょう。

エビチャーハンではエビ味噌を隠し味にします。
イカワタの塩辛なども旨味を加えるのに役立ちます。

と無限に広がります。

次回は先日作った
塩だけのチャーハンの記事を書きます。
難易度はかなり高めです。

正しく作れば美味に通じる道は無数に在るのです。

しかし、世間では化学調味料たっぷりのものばかり今だにまかり通っています。
その道一本しか無いが如くです。
ご飯茶碗一杯の量に大さじ一杯が入る事だって珍しくありません。
大きなお玉でさっくりとすくえばどれだけでも入り、
入れれば入れるほど美味しくなると今でもやってます。
考えても見てください。
変だとは思われませんでしょうか?

それともいつまで経っても
「旨ければなんだっていいや」
と黙って食べますか?










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