かつて
化学調味料を排除して数多くのメニューをこなさなければならなく
なった時に一番手こずったのがチャーハンです。

意外に思われるかもしれませんがチャーハンには美味しくなる要素が実は少ないからです。
油と卵
ご飯とネギ。
そして具材と塩コショウ、仕上げの僅かな醤油。

普通にこれだけで作ったのでは美味しくなりません。
ですから普通は化学調味料に頼ります。
それだけでがらりと旨味が出て
『チャーハンってのは美味しいものなんだ』と思い込まされているだけです。

化学調味料を入れてチャーハンを作るのと同じ手順で無添加で作ってみれば
チャーハンが実はそれほど旨味のない料理なんだと解るはずです。

レシピを再構築し、旨味を出すものに正しく手間隙をかけてやることで
美味しく出来るんだという事を解るまで少々時間を要しました。

さて、ある有名な料理人がいます。
ヌーベルシノアの世界では第一人者です。
その彼がTVでヒラメの骨を干してから揚げにしたものを砕き
粉末にしたものをチャーハンに加えて得意顔をしているのを見て
私は今まで尊敬していた分激しく失望しました。

化学調味料を入れないで美味しくするためには色々な取り組みがあっていいでしょう。
でも、蛇足はいけません。
愚か者にありがちですがプロはそんな事じゃいけないのです。

私が取っている方法はアルバムスライドで公開、説明してある通りですが
なにもそれだけが一番だなどとは申しません。

でも例えば
煮干しの粉末を加えると聞けば
『なるほど!』
と思われるでしょうか?

答えは否です。

煮干し粉末には栄養はふんだんに存在します。
でも頭や腹にはエグミや苦味などの嫌味要素があり過ぎます。
それらを除去して粉末化しても尚です。
煮干しは上手く「だし」を取って初めて「美味しいだし」になるのです。

それを勘違いしてチャーハンに丸ごとの粉末を入れるというのは
化学調味料を入れない「代わりに」何かを入れねばならないんだという
未熟な強迫観念と研究不足から来る「手っ取り早く」という愚かな発想だけです。
ようするに入れるものを代えただけで
何も変わってはいない
未だとらわれている事に変わりないのです。

これは最近とみに目にするようになった
「醗酵調味料」や「たん白加水分解」などの旨味調味料なども同様です。
しっかりした味覚を持っていればなんら変わりが無い事にすぐ気づくはずです。
永年親しんだ化学調味料の味に舌がすっかり馴染んでしまって
ついその感覚にしがみついている事を自覚すべきです。

きっちりと手間隙をかければそんなものに頼らなくとも
「替わりの何か」を探さなくたって美味しく作れるのです。
基本のレシピの中に答えは既にあるのですから。

替わりの何かを探し、妙なものを取り入れて得意顔をするなんてもってのほか。
レシピを再吟味するべきでしょう。

子供がまだ幼かった頃
親子でレゴブロックでよく遊びました。
様々なパーツがあり創意工夫心を刺激するものでした。

子供は器用に色々な形を作って想像を広げ
「何だって作れるよ」と言いました。


今、若い料理人が創作料理や自由な発想を取りいれた斬新なメニューを盛んに開発しています。
でも私はもう化石の部類に入るのでしょうか
こう思うのです。

レゴブロックでどんなものを作ろうとそれはレゴのパーツの枠からははみ出ません。
料理も化学調味料という便利な部品を核としている限り
その枠からははみ出ないのです。
これさえ入れれば「何だって作れる」と喜んでいる場合ではありません。
そんな料理では膨大な研究開発費をかけれる大メーカー品に勝てません。

基本を見つめなおし化学調味料を入れないで美味しく作るのにはどうしたら良いのかを考えるべき時です。
それが料理の基本
「理(ことわり)を料(はか)る」
という事です。

いや、
昼のミニ丼のチャーハンのトライについて書こうとしていたのに
話がついあさっての方にいきました。
また次回に書かせていただきましょう。









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