2013.07.03 漬物の力
何年前になるでしょうか、
超有名古都の大きな商店街に行った時の事です。
延々と続く商店街には大きな漬物屋さんがずらりと軒を連ねています。

ここでは地元の○野菜を使った美味しい漬物が名物のひとつなのです。

その何キロもある商店街の端から端まで全部のお店!
ものの見事に化学調味料、アミノ酸等 と表示されたものばかり!!

かの、ホンダが町工場の規模だった頃から創業者の
本田宗一郎氏がリンゴ箱の上に立ち朝礼の訓示で
「世界を目指そう!」と言っていたのは有名な話です。

テクノロジーなら世界共通です。
事実その後ホンダは世界を駆ける大企業に成長しました。

でも、漬物は米食の日本人にとっては欠かせないものですが
漬物の販路を限りなく拡大させて世界を制覇するつもりでもあったんでしょうか?
漬物会社は安直にアミノ酸防腐剤混入の道をたどってしまいました。

世界にはほぼ無添加のピクルスを製造販売しているところがゴマンとあります。
添加物まみれの日本産がそんな世界で通用するとはとても思えませんよね。


正しく作られた漬物には力があります。
塩分があるとはいっても良い塩で漬ければミネラルの
吸収を増幅さえしてくれるのです。

非加熱の野菜にはビタミンも壊れずに残っています。

それを防腐剤やアミノ酸をたっぷりとまぶしておきながら
「お漬物は体にいいんです」
などと言っても誰も耳を貸しません。


漬物の力を認識するのは油っこい食事の後です。
口中の油脂を洗い流してくれるのです。
ところが、ラーメン店では漬物を出す所が少ないとみえて
ご飯と一緒に漬物を出すと驚かれる事も珍しくありません。

所変わって
鹿児島県では最初からテーブルの上に大皿で漬物が山盛りに
置いてあり食前食後好きなときにつまめるようになって
いるのが定番です。
しかもたいてい自家製で無添加です。

これは実際に食べてみて驚きました。
ついでに言うと
お茶の巨大産地を抱えていますからお茶も良質なのを
出してくれます。

原価もそれなりにかかるはずですが
まず、第一にお客様をこころよく迎え
美味しく食べて喜んでもらいたいという「店」の本質を
守っているが為だと思われます。

正しく作られた食べ物には全て力がありますが、
漬物の力について語ろうとすれば高菜の例が最適でしょう。

ここ数年鹿児島の親戚から生の高菜が送られてきて私が
漬け込みます。
出来あがった高菜漬けは私は普通に美味しく食べるだけですが
こと九州人はどうも様子が違います。

家内はお母さんが生前元気だった頃漬け樽に高菜を
全身を使って『ギュッギュッ』と押し込んで作っていたと
その様、その音を食べるたびに語って聞かせるのです。

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大阪に住む義姉に送るとやはり
『お母さんがよく漬けていたよね』
と思い出して電話を掛けてきたそうです。

また長崎出身のSさんは母親の作ってくれた味を思い出して
かすかに涙ぐみました。

この誰もが子供の頃から食べなれた高菜を懐かしんだのは
当然なのですが、
では今まで一切高菜が食べられなかったと言うわけじゃ
無いんですね。

高菜が好きだから今までにも何度も市販のものを購入して
食べているんです。

でもそれには記憶は反応してこなかった
今、唐突に記憶のスイッチが入った
そして当の自分でもそれと気づかずに語りだしている
というわけです。

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当時の家庭の母親達が作ったであろう
同じ味が脳の記憶回路を瞬時に繋げたのです。
塩と唐辛子だけで美味しく漬け上がるのに
わざわざ化学調味料や防腐剤を入れる親はいません。

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今までに何度も書いていますが
何度でも書きましょう。

日本のご飯はそれだけで”甘い”のです。

甘味があって美味しいご飯を日本人は希求した結果
表現が適切かどうかはさておき
言うならば”甘すぎる”所にまで到達しているのかも
知れません。

ですから若い頃はいざ知らず中年を過ぎる頃から
山菜や、味噌汁、そして漬物がやたら美味しく感じるように
なるといった一面があるものと思われます。

グルメで知られた老俳優がTVで炊き立ての白ご飯に
生醤油をかけただけのものが一番の美味なんだよ  と
差し出し、
それを食べた若い局アナがとまどっていた事がありますが
究極に厳選されたであろうその米の甘味と上質な醤油の味が
解らなかった為でしょう。

加齢に伴って
「ご飯とお漬物があれば何も要らない」
となりがちなのを栄養不足になる良くない食事だと
非難ばかりしないでこういう側面から見ることもまた
理解をふかめることにつながります。

漬物の力はまだまだ書き続けます。
日本人はお米で生かされてきましたが
その一番の仲良しは肉でも魚でもなくそれぞれの
家庭の母親が漬け込む漬物だったのです。

昔、肉や魚がたっぷり食べられなかった奥山などの地域では
過酷な山仕事で激しく体力を消耗するため
それこそ一升飯を食べるような生活をしていて
皆胃拡張ぎみだったと当時の無医村を訪れた医師がしたためています。

今、そんな食生活をする人はいないでしょうから
当時のような塩辛い漬物は姿を消しました。

現代に求められているものは
ご飯を沢山食べるために必要だった塩辛さではなく
ご飯の甘さをさらりと洗い流してくれる自然な漬物なのです。

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決してそれは油の掛かったサラダや、うすら甘い既製品の
漬物のなりすましでは代替できません。

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