過日、久しぶりに永田さんと山菜採りに行った時のことです。

谷間から30mはあろうかと思える大きな朴の木がそびえ立っていました。
そこに大きな白い花が咲いているのです。

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初めて見ました。
近寄ってみる事は出来ませんでしたが甘い香りがするそうで、
神様が好きな花なんだとか。
そう言われて見るとなんだか神々しい気品があります。

朴の木は私の故郷にもありました。
毎日雑木林の中を通って登下校していましたから年中見ていたはずなのに
花の記憶が全くありません。
あるいは巨木にならないと花が咲かないのかも知れません。
故郷にはこれほどの巨木はありませんでしたから。

ホオノキは古来から人の営みに大いに役立ってきました。
材は堅いので下駄の歯や刀の鞘に加工されたり、
樹皮は生薬に
そして葉は火に強いので断熱効果から保存が利くと解釈されて
古くから食器として利用されました。

朴葉寿司、朴葉餅などです。
枯れても活用されます。
朴葉味噌です。
お隣の岐阜県が有名ですね。
落ち葉を保存しておいてさっと濡らし、あわせ味噌をのせて火にかけます。
ネギや椎茸、イカなどをそこに加えてじんわりとあぶりながらつまみにするのです。
朴葉の香りが立って酒好きには堪えられませんね。

さて私の郷里では朴葉飯というものがありました。
林業の人たちが持っていく昼飯だったそうです。
作り方はいたってシンプルなものです。
炊きたての熱いご飯を生の朴葉に乗せたっぷりの甘いキナコをまぶすだけです。
幾重にも重ねた朴葉が熱いご飯に蒸されて何ともいえぬ良い香りがしたものです。
子供の頃のご馳走ご飯のひとつです。

話は飛びますが
高菜でくるんだおにぎりを「目張り寿司」と言います。
三重県地方の郷土料理ですね。

これも元は林業の人たちの昼飯だったんだとか、
塩気の強い高菜で包んだご飯はさぞかし重労働のすきっ腹にどっしりときたことでしょう。

かたや、塩気の強い携行食。
かたや、甘い携行食。
どちらも重労働の体喜ぶ食事ですが今では昔語りの世界となりました。

食事だけではありません。
雑木林も見かけなくなりどこへ行っても杉の木ばかりが目立ちます。
手っ取り早く育ち金になるから でした。

栗の木やかえで、ホオノキ、柿、、、
昔はそんな雑木と言われる材で家具などを作ったものです。
気候が変わり、山も変わりますが
大本は全て人が変えたものなのかも知れません。
何もかも手っ取り早くお金に換えることばかり 

打算ばかりしてきた結果なのではないでしょうか?

このホオの花の花言葉は
「誠実な友情」

下駄もはかなくなり、ましてや刀を持ち歩く事などありませんが
今も変わらず私達を助けてくれる自然を大切に思う気持ちを持ち続けたいものです。

人付き合いの基本も同じだと思います。
裏切らない誠実な気持ち
他者はどうあれ
せめて自分だけは身勝手な人の打算や毀誉褒貶に惑わされず
この、ひと気の無い谷間にひっそりと咲く
孤高の朴の花のように生きていけるように
しっかりと足元を見据え、矜持を保ちたいものです。

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