肉団子と聞くと何を連想されますか?

50代の私は修行時代を思い出します。
その頃の自分にとってはハレの料理でした。
石川県金沢のホテルで修行していた頃、給料日に長土塀沿いの
「竜さん」で食べるそれは信じられないほど美味しく何度食べても飽きない特別なご馳走だったのです。

今はすっかり肉団子というメニューを見かけなくなってしまったそうです。
「そうです」というのは現在ほとんど中国料理店自体に入店しなくなったからでもあります。

しかし、レトルト食品などが安価に出回った結果こうなるのは仕方の無いことでしょう。
ただでさえ引き肉料理というのは何が入っているか判りにくいもの。
ミートホープ事件を引き合いに出すまでも無く、志(ココロザシ)次第では
どれだけでも安く、限りなく消費者好みのありえない願望を叶える事も、
簡単にできますとも。

でも皆でそれをいっせいに、しかも大規模でやったらどうなるのか?
という所に知恵が回らなかったのでしょうか。

残念でした。
はい
今では売れないでしょう?
せっかく作った製造ライン  無駄になりませんでしたか?
色々混ぜ物をして限りなく安価に作るという錬金術を編む為に費やした時間と労力も
今となっては徒労と成り果てましたね。

私に言わせれば
「当たり前だろ?」
といったところです。
安全で美味しい物を提供するのが「食品に携わる者の責務」なのに
それを忘れて狭い世界での競争ばかり優先しているからです。

そんな
「資本主義社会なのだから利益優先が当然」
という輩には看護士養成課程の帯帽式のような
「人命を守るためにわが身を捧げる」的な神聖な儀式が必要なのではないのか
と思っています。

「金儲け絶対優先の何が悪い」と開き直った人には食品を触ってもらいたくないからです。
何を混入させるか知れたもんじゃありません。

前述の「竜さん」では肉団子が大人気でした。
それでも作り置きをしません。
どんなに忙しくともオーダーが入ってから必死にボウルでひき肉をこねて
卵を混ぜ、粉をいれ、汗をかきつつこねて一個づつ油に入れて・・・・・・

あぁこうして書いているとその光景がよみがえってきます。

出来立てでないと美味しくはならないんだ  という事をよく判っていたんですね。

今、安価に出回るレトルトの肉団子を数十年後に懐かしく思い出す人がいったいどれだけいるでしょうか?
記憶に残るほどの感動をどれだけ提供しているのでしょうか?

肉団子の美味しさを再認識していただきたいものです。
普通に作るだけで美味しくなるんですよ。

ポイントは
良いひき肉を使う事。
これに尽きます。
ウチでは鶏モモと豚バラ肉を使用します。

味付けは塩、醤油、コショウ。
卵を多目に加え、片栗粉で粘りを出しますが
その前に「麩」を細かく砕いて混ぜます。
これで肉汁を吸い込んでジューシーに仕上がります。

さて、肉団子を固めるには
「揚げる」「煮る」「蒸す」 の3種類の方法があります。
今回は丼にしたいので柔らかく仕上げようと
「煮る」ことにしました。

そのまま煮たのでは表面がばらけてブツブツで美しくなりません。
鍋料理ならそのままでもいいでしょうが、
丼は見た目も重要なのです。

というわけで今回は「治部煮風」にします。
味付けダシをゆるゆる沸かしながら
表面に片栗粉をまぶして投入するのです。
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これで見た目も食感も表面がツルッとします。
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一緒に煮る他の具材には
牛蒡、人参、糸コンニャク、シメジなどを用意します。
牛丼を連想していただければよろしいでしょうか。

それをオーダーが入るまで保温しておき、
注文ごとに鍋に取り、卵を落として煮上げます。
こうです。
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最後に青海苔をかけて完成!

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名づけて
肉団子の
目玉治部煮丼


お陰様で好評でした。
肉団子が決して嫌われているわけではないんだ  という事も
確認できました。
何よりです。

それならそれでゾーンを広げていく事も可能だからです。

肉団子が悪いわけじゃなかったんです。
(某 倒産大証券会社社長風)





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