HPには安易な見てくれだけを追い求めず「食」を真摯に問いたい 
と表記しています。

自分の中の沢山の疑問、永遠のテーマを掘り下げ続けたいのです。

その中のひとつ
美味しいって何なのだろう?
自分にとって美味しい  が他者に伝わらないのは何故か?
その正体を突き止めたい

という料理する人が共通して感じる味覚の壁です。

でもそうは言いながら
心の中では開き直っている自分がいます。
「全員が全員に美味しいと言ってもらいたくて作っているんじゃない」
40年近くも料理人をやっていれば誰だってこんな天邪鬼の一匹や二匹は腹の奥底に飼っている。
飼い猫だって何十年も長生きすると尻尾の先が二股になって猫又という妖怪に変化するそうな。

「土佐丸」もそうした疑問を追い求めた過程で生まれました。
『ここまでやれば誰にでも通じるんだろうか?』 という試みでした。

そうこうしながらひとつづつ実証を積み上げてさらに次の段階を目差します。
これは昼のミニ丼でも同じです。

始めは簡単な置き換え。
次にちょっぴり独創を加えます。
お客様のストライクゾーンを少しづつ慣らしながら広げて行くのです。

かつて野球の江夏投手がこれを得意としていたそうです。
ボール半分だけずらして投げ続けると普通なら「ボール」になるところを
「ストライク」と主審に判定させるという技だったそうです。

私のはそれほど大それたものではありません、
かつて初めてランチを始めた頃のトラウマを引きずっているだけです。

ほぼ30年前最初のお店をオープンした頃、
まだ富山には中国料理店で昼のランチを出す店は皆無でした。
何を出しても全く出ません。
東京新橋のガード下の店では「回鍋肉」とだけボードに書いて営業していたのはそれよりもずっと前だったのに、

それから何を出しても完売できるようになるまで3年かかりました。

今はお陰様で「旨いもん」を楽しんでくれるお客様がついてきていただいて
なんとか凌いでいます。
日々少しづつストライクゾーンを拡張し続けた甲斐があったというものです。

最近はカニに執着しています。
かに玉丼  です。
中華料理の天津丼のボール半個分ずらしたものを出し続けて強引にストライクにしてしまおう
という魂胆です。

まず、こちら。
和ダシで親子丼のように卵でとじたものです。
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かに玉のとじ丼


そしてお次はこちら。
ご飯に刻み紫蘇と金ゴマを混ぜて

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かに玉でくるみます。
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ダシのかかった、かに玉ご飯

上から和ダシのあんをかけて完成。
あっさりとした薄色のダシのかつお風味がラーメンとよく合います。

どちらもよく出ました。
初めてご来店の方はお隣の常連さんが頼んだ品が運ばれると実に不思議なお顔をされて横見です。
お帰りには外のボードを眺めてお帰りになられます。

今日はかに玉でくるんだオムライスを出しました。
こうなってくると何が直球なのか変化球なのか自分でも判別不能です。
遊び心はあっても美味追求の気持ちは真剣ですから
お客様にも伝わるのでしょうか。

かに玉でくるんだあっさりオムライス

今回は具材をたっぷり入れたご飯を用意しました。
タマネギ、シメジ、エノキダケ、えんどう豆、などです。
味付けはケチャップ少々、塩コショウ、ウスターソース、醤油、カニ味噌。

添えるのはトマトソース。
イタリアントマトを粗越ししたものをいったん煮詰めてかつおダシで伸ばして調味。
ネギを加えて甘味を補充し、酸味を強めにしてバランスを採ります。

トマトだけの味 ちょっとのぞいて見てご覧 断面図


そしてたっぷりカニ肉を入れたかに玉をくるんで仕上げます。
本日も仕込んだ分は完売でした。
売り切れごめんでお断りしてしまったお客様には大変申し訳ありませんでした。

大好評なので明日も連チャンしましょう。

実は、かに玉は油をたっぷり使ってふっくらと作るのが美味しいコツとされています。
でもそれでは油だらけの卵になってしまいますよね?
ですから私はかつおダシに麩を細かく砕いて混ぜ、それを卵に加えて作ります。
ただのダシ卵よりさらにふっくらと柔らかく仕上がります。

平日昼のミニ丼 200円

新しいスタイルをお客様と楽しみながら模索しています。

目指すものは「新 富山ご飯」。








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