またまた「土佐丸」の出番です。
今回はリクエストを沢山頂いての再登板となります。

土佐丸の味を覚えていらっしゃる方々は一様に新しい麺を土佐丸でとお思いになるようです。
実は私もそれを楽しみにしていた一人なんですが。

相当すごい事になるだろうな と想像はしていました。

スープを強くすればするほど
麺を強くすればするほど
がっぷりと組み合う という事はわかっていましたから。

しかし、実際にこうして作ってみるとやはり、
いえ、正直、想像していた以上の強さでした。

多加水手打ち、手もみ仕上げの極太麺が
強すぎるほどの旨味と香りの洪水の中で飲み込まれないで
どっしりとそれらを組み伏せているのです。

これが口中に旨さの奔流となってなだれこんできます。
箸が止まりません。
普段は一玉しか召し上がらない方も土佐丸なら麺を追加されるのですが、
今回はいったいどうなることやら


どうしてこれほどの旨さが生まれるのかもう一度振り返ってみましょう。

カツオ節。
ピンからキリまである中で最上級は本枯れと呼ばれるカビ付け乾燥させたものです。
カビ付けすることでカツオ節の芯まで余分な脂肪を分解して旨味に変換しているのです。
干し、カビ、薫蒸を幾度もくりかえして完成する頃にはカツオ節同士をぶつけると
カンカンからキンキンという硬質音へと変化し、
折ってみると断面はまるでガラスのように透き通っています。

これをごく薄く削ったものが「本花」です。
よく出来た花かつおには全くアクがありません。
下位品なら多少の雑味がありますが、本花は旨味と風味の凝縮された花びらです。

そして、海苔。
これほど日本人に深く身近で愛されている海藻もないのでは?  と思う程ですが
同時にこれほど無残に踏み荒らされてしまったものも無いとも言えます。
味付けと称した化学調味料もその犯人の一人です。
スーパーには見るからに恐ろしげな怪しい海苔が大メーカーのラベルで販売されていますが
本当に美味しい海苔を探し当てるのは至難の技です。

それで『こういうもんだ』とすっかり飼いならされてしまっているのです。

不愉快な話ですが残念ながらそれが現状です。
小売店は利幅の大きいものを売りたがるのです。
後略しますが圧倒的多数がそういう論理で動いているとだけ記しておきましょう。

しかし、小売店で探すのは非常に困難でも専門メーカーに行けば実に容易に美味が入手できます。
解ってみれば簡単な話です。
扉を間違えていてはいけません。

今回使用する海苔は「新海苔」です。
解禁直後の若い柔らかい新芽を摘んで作られています。
一枚の海苔の中に香りと風味と柔らかな甘味とをギッシリと抱え込んでいるのです。

海苔は乾燥しているときには全く香りはありません。
のり巻きにしたり、頬張ったりして湿り気が加わった時にカプセルがはじけるように香りが一気に舞い立つのです。

余談ですが、
ですから寿司屋さんのカウンターで鉄火巻きなどを目の前の付け台に放置したまま
「いや~オバマもねぇ~」  などとのたくっているのを見ると頭をはたきたくなりますね。

失礼しました。
え、そうでした。
土佐丸はこの高価な海苔を一枚丸ごと乗せます。
切るとスープに漬かってしまうからです。
せっかくの香りを逃がさずに目の前に運びたいからです。

富山市内の高級すし店でも数えるくらいしかこんな贅沢な海苔は仕入れていないそうです。

海苔とカツオ節
ありふれた食材  と思い込んですっかり地盤沈下が進んでしまっていることに気づいていない
お客様がこれを食べると何故こんなに美味しいんだろうというお顔をされます。

どこの何人よりも一番解っていなければいけないはずの日本人がこの味、風味を忘れかけようとしているのです。

土佐丸で思い出してみてください。
本物の風味、本物の香り。

私の手打ち麺はそれらを心からリスペクトしつつもねじ伏せ、支配しています。
たとえどんな豪華ゲストをお迎えしようとも
主役は麺なのですから。

この強引なまでの旨さ爆発を
暴君「土佐丸」と呼び改めて皆さんにご紹介します。
今回は土、日、祝日&終日OKで期間限定で2/8(月)よりスタートいたします。

raa 048
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