PCが無事戻ってきましたので麩の項を終えていきたいと思います。

麩が保水性に富み、またその応用には幅広いものがあるというところまででした。

その他にも色んな挑戦技があるのですが今回はこの保水性にだけ焦点を当ててさらに続けます。

のり巻き(太巻き)に高野豆腐を入れますか?
私は最近必ず入れるようになりました。
細く切って煮込み、程好く汁気を絞って巻き込みます。
するとわずか5ミリ四方あるかないかのそんな細い高野豆腐からしっかりと僅かな汁気がにじみ出て
美味しく食べれるのです。

そこで、もう少し視野を広げてみましょう。
保水性  
これがキーワードです。

のり巻きに加える具材で他に保水性を持ったものには何があるでしょうか?
かんぴょう、干ししいたけ、これらの他に
ほうれん草の茹でたものをカツオ醤油に浸したものなどがあります。

のり巻きに加えませんが油揚げなども保水性能が高いですね。
お稲荷さんで御馴染みです。

こうしてみるといわゆる乾物類が多い事に気づきます。
乾燥させることで水分を飛ばし、保存し、使うときには乾燥した細胞膜内に美味しいダシを含ませる。
素晴らしい古人の知恵です。
ワラビ、ぜんまい、ショウマなどの山菜が王様と呼ばれるのもこの「戻り」と「含み」効果の素晴らしさ故なのです。
海藻もあります。
切干大根や干しタケノコなども。

qbv 040 qbv 043 qbv 041


偉大な先人のおかげで日本にはこうした 保水性に優れた食品が沢山あります。
ダイエットを経験した人ならよくお解かりでしょう。
これら保水性のよい食品はたいていローカロリー、高ファイバー食なのです。
raa 043


なんと素晴らしいことでしょうか!
ダイエットをやって解るアメリカ人の不幸、日本の幸福 という表現もむべなるかな

乾物の保水性能のもうひとつのメリット
それは腹の中での充足感というか、ボリューム感なんです。
生野菜をはるかにしのぐ圧倒的な高性能ではないでしょうか?

さて、この保水性を利用して毎度御馴染みのメニューをもっと美味しく仕立ててみました。

「イカめし」です。
普通はもち米だけを詰めます。
ゲソを刻んで入れるのもアリですが、大抵硬くなってしまいます。
おそらくもち米が膨張するときに圧迫を受けるからだろうと思います。

qby 001


それにお昼に出すのだからと、もち米をなるべく多く入れようとするほど、
もち米はしっかりとお互い圧着してしまい硬めのイカめしになるのです。
これではイカ餅です。
ラーメンと同時にお出しするにはいまいち間食っぽいですね。

そこで牛蒡、人参をたっぷり加え、最後に薄揚げを細かく刻んで混ぜ込みました。
こちらがその断面です。

qby 002

もち米ばかりぎゅうぎゅう詰めだとこれが真っ白です。
こちらは程好く色が滲んでいますね。
味が乗っているのです。

そして、食べても口の中でほどよくバラケてくれます。

これも、保水性能のおかげです。
材料の取り合わせやレシピ通りに、などといった固定概念にとらわれず
一度「保水性」というキーワードを念頭に置いて手順を見直してみませんか?

工夫すればきっとその成果が出るはずです。

私達料理人はお盆に乗せる品全ての味のトータルだけではなく
こうした噛み心地やバラケ具合などといった食感に至るまでを考慮して
仕事をします。
それが総和です。








スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://oisiitoyama.blog96.fc2.com/tb.php/605-c0debf61