お陰様で無事開店をしました。
4度目の開店ですが今回は様子を見ながら静かに開けたいと思ったので
控えめにしようと関係各位からの花輪なども謝辞して地味にしました。
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すっかり店内は様変わりして「違う店に来たようだ!」 と大変に驚かれます。
そうです 違う店に生まれ変わりました  と応えます。

メニューが少なくなったと嘆くお客様にはひたすらお詫びします。

そうして新しくなった一杯をご提供します。

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これがどこにも無い「万里の新しいスタンダード」です。
どこそこ風 とか 某店に似ているとかでは無く 万里そのもの
誰も同じものが出来ない  万里だけのスタイル。

長い話(旅)になると思われますが麺の話を-ー今回はほんの入り口の所だけを
簡単にご紹介しましょう。

料理人はどういう眼で見、何を見つけようとし、何を捉えようとするのかをご説明します。

小麦粉を水で練ると麺になります。
家庭で食べるだけのうどんならまさしくこの通りです。
袋の中の粉に塩水を入れ揺すって放置しておけば勝手に麺体ができています。
実に単純にして簡単です。
ですが、
私が人に手打ちうどんや蕎麦打ちを教える時には必ず言い聞かせる言葉があります。

「必ず簡単に美味しいものができます」
「でも、それでお店でもやろうか とは決して思わないでください」
「プロにはプロの技があるのです」  と

手打ちうどんなどのような水分を多く加える麺を多加水麺といいます。
これに比し少なく加水するのを低加水麺といいます。

これだけでもう解ったような顔をすると半可通と笑われてしまいます。
両者の間には無限な差異があり
また限りなく近いとも言えます。
言葉で言い尽くせぬ程の多くのタイプ、食感の違いが生まれるからです。

今回私が踏み切ったのは多加水麺です。
自分が求める要素を実現するのにこちらの方がより多くの示唆を含んでいたからです。

つるつるっ  とした感触を表現したいと思い、
それでは多加水で行きましょう となりました。

ではその麺のどこが つるつるっ としているのでしょうか?
どの部分が     それ    を最も実現なしえているのでしょうか?
 
麺の太さを言葉にするときに普通は何ミリと言います。
製麺所では「切り歯」という部品で切り出しを行うので
一定の幅で何本の麺を切り出せるか決まってきてその番手で言います。
よくある一般的な太さのラーメンなら18番という具合です。

ですがそれはあくまでも”目安”でしかありません。
半可通な人は盛んに番手で語りたがりますが通というより「痛」になりがちです。
プロはほとんど気にしません。

麺の太さは幅だけでなく生地の厚みが重要だからです。
麺生地を伸ばして(のして)一定の厚みになったら切り出しを行います。

一本の麺を良く見るとのした面と切った切断面から出来ていることが解ります。
そうして正面から見て真四角なら同一寸法。
厚みのある のし面の少ない長方形か
厚みの無い のし面の広い長方形か   に分かれます。

一般にのし面がつるりとした食感を持ちます。
乾麺でいうならきしめんがつるりとした食感を持ちやすいのも頷けます。
のし面を広く取るからです。

番手で呼ばれる切り歯はローラー状になっていて切断面の食感にはある種の特徴があります。
それは別の機会にして、
ここではツルリとした食感に限って続けましょう。

では、のした生地を切るのに包丁で切ったらどうでしょうか?
腕の良し悪しにもよりますがこちらの方が断然食感はよくなります。

腕とは何でしょう?
真上から包丁を押し付けて切るのと 包丁を前後にスライドさせて切る という違いです。

もうお解かりいただけましたでしょうか。
切り歯と包丁の違いとはここにあるのです。
包丁切りにしようと思うなら厚みも自在に変更できます。
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ですが食感を良くするのにもうひとつ手業があるのです。
最後の一手間
手もみ です。
今回一番手間どり、苦労したのがこの一番単純な作業でした。

真四角に切り出した麺でも強引に押しつぶせばきしめんのような扁平になります。

要は どういう 麺を表現したいか  という振り出しに尽きるのです。
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ようやく実現出来てきました。
ですが蕎麦打ち職人の言葉を借りるなら
「九十九里をもって道半ばとす」

まだまだとば口に取り掛かったばかりです。
ですが
どこにも無い万里だけの一杯はありがたいことに好評を得ています。
初めてご来店されて麺を追加してくださるお客様が多いのです。
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もうひとつ嬉しいことがあります。
これまであっさり味の和風ラーメンだけを召し上がっていただいていたお客様が
今度の新しい一杯を「美味しい」と言って食べてくださる事です。
こちろんそれにはそうなるような仕掛けが仕込んであるからなのですが
そこを認知してもらえるとやはり嬉しいものです。
先日は奥様もご一緒に来店していただけました。



富山のラーメンをもっともっと美味しくするため全力を尽くす事を約束します

と表に貼り出して工事を行ってきた間に
張り紙に
「期待しております」と書き込んでくれた方がいらっしゃいます。
ありがたいお言葉です。
どれだけ勇気付けられた事か!
皆様のご期待に背かないよう必ずそれ以上のものをご用意して来店をお待ち申し上げます。























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