2009.11.06 揚げたて天丼
初冬になり小魚が安く大量に上がるようになってきました。
この時期魚はだんだん脂が乗ってきて美味しくなってきます。
型は小さくとも調理しだいでとても美味しく化けてくれるのです。

カマス、アジ、イワシ、ミギスこういった美味しくて安い魚の出番です。

開いて軽く酒塩をして寝かします。
モノによっては生姜の絞り汁をかけておく事もあります。

注文が入ったら小麦粉を軽くはたき衣をつけて揚げます。
ここでポイントがひとつ。
皮を下にして衣の入ったボウルのヘリにこするように移すのです。

プロの天婦羅屋さんに聞かれると笑われそうなのでこっそり ここだけの話ですが、
衣というのは
一品料理としての天婦羅ならば限りなく薄く軽く カリッ サクッ とあって欲しいですよね?
そうすればいくらでも次々に食べられそうですし食後ももたれません。

でも、蕎麦だったらどうでしょう?
衣の少ない、あるいはのっぺりした天婦羅は「棒揚げ」と呼ばれます。
「花」をつけなければ蕎麦屋では天婦羅とは認めてもらえません。
何故なら
数少なくともボリュームがあり「食べた感」を満喫させるには衣がたっぷり必要なのです。

花を咲かせるには衣を付けたタネを油に投入したら箸で端に寄せ、
指または箸で衣を落としてやります。
鍋肌とタネの間、及びタネの上に細かな花が咲いたようにくつけてやるのです。
油表面にパッと散らばる衣を素早くかき集めて厚衣にする という荒業もあります。

立ち食いなどで御馴染みの衣ばかりの海老天などはこの限りではなく
型枠で揚げるのでしょう。

どちらにしてもタネについていれば花と呼んでもらえる衣もタネについていない
「離れ」だととたんに
「天カス」と呼ばれたぬきぐらいにしかお呼びは掛かりません。
そう考えるとなんだか可愛そうになります。

蕎麦の世界では天婦羅は難しい とされます。
「油食い」にも「衣食い」にも納得させねばならないから だそうです。
油と衣
奥深い玄人の世界がぽっかりと大口を開けていそうですね。

揚げ方も料理店よりは やや硬めに揚げすぎかな? というぐらいで
丁度いいとも言われます。
ジュッとツユに浸すと揚げ出しのような感じになるわけですね。
なんだかこんな話を書いているだけで食べたくなってきます。


天丼の話に戻しましょう。
皮目を下にして菜箸やボウルの縁で衣を削ぐようにして油に投入したら
ほんの少しだけ花をつけます。
合わせるのがラーメンですからそんなにボリュームはいらないからです。
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身側にはそこそこの衣がつき、皮目には薄めの衣がつきます。
そうなるとどうなるか?

皮が香ばしく揚がるのです。
特に声を大にして叫びたいほど美味しいのが  「ヤガラ」

「タラ」「カマス」などと続きます。
このヤガラなど皮目に衣を厚くして揚げているのを見たら絶対説教してやらなくてはいけません。
そんな不心得者な料理人を野放しにしていては被害者ばかりが増殖してしまいます。
これはプロアマ問わず皆の迷惑ですから誰でも言ってやりましょう。
資源の浪費、魚の神様に叱られる  ってなくらいです。

そして頃合をみて温めたツユにジュッとくぐらせて丼に仕立てるのです。

ここでこのツユについて触れましょう。
よく、関東の蕎麦うどんは黒くて塩っ辛いなどと言われます。

これは誤解です。
丼に入った麺を食べる時の塩分濃度というのはどれもほぼ同じなんです。
ラーメンもうどんも蕎麦もビーフンもあるいはスパゲッテイであっても。

黒いのは「カエシ」で割る製法だからなのです。
一方色の薄いのはダシに直接味を投入するタイプの製法です。
どちらが良いとは言えません、好みの問題でしょう。

ところが天丼に関しては断然濃い色のカエシ仕立てに軍配が上がります。
油に負けない強いダシを用意して
みりんと醤油だけのカエシで割ります。
この時に砂糖は入れません。

甘くどくするとちょっと味見するにはどっしりとした味に思えますが一杯食べきる
頃にはもうしつこくなるからです。

ちょうど良い加減を塩梅といいますが丼の場合となるとこうです。

天婦羅にツユの染み込んだところを食べるとちょっと濃いかな? という具合。
白いご飯部分を一口。
ご飯にツユが染み込んだところは程好い湿り気があって掻きこむのに良い具合。
しかし、塩辛くてはいけません。
こうしてあちらこちらと食べ進み最後に漬物を食べてちょうど満たされる塩加減。
こうなります。

しかし、それより何より美味しいお米で美味しく炊き上げた熱々のご飯でなければ
そもそもこうはなりません。
こうして書きながらつくずく昔からの日本人のお米に対するというか
美味しいご飯に対する創意工夫に頭が下がります。

美味しいお米に、ご飯に乾杯 いえ、おかわり!

お昼のミニ丼 日替わり平日のみ 200円
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