今までは静かに目立たずに済ましてきましたが、また今度「土佐丸」をやる事になりました。

その前に、海苔の話でもしておきましょう。

もう随分前の話になります。
海苔メーカーの社長さんと話していた時の事。

「この頃盛んにTVでラーメン特集をやってるけど良い海苔を使ってないね~」
「へ? 見ただけで解るの?」
「そりゃ解りますよ プロなんだもの」
「そりゃ凄い! でもねラーメンには海苔なんか不用なんだよね」

その頃の私は今から考えても実に不遜でした。
ラーメンには海苔は合わないと決め付けていたのです。
そこで買う美味しい海苔でお昼のミニ丼を作ればそれで充分だと見切るような気持ちでいたのかも知れません。

すると、
「何を言ってんですか!」
 「良いものは何にしても美味しいんですよ!」

と、なかば売り言葉に買い言葉的な勢いで買って来た海苔。

それをラーメンに入れて食べてみて驚きました。
そして自分が海苔の事をちっとも解っていなかった事に気づいたのです。
翌日、社長に頭を下げに市場に走ったのは言うまでもありません。

ここで良い海苔とはいったいどういう物差しで計られているのか記しておきましょう。


つや

香り
柔らかさ  です。

色、つや までは誰でも解りますよね。
これ以降は食べないと本当の所は判らないのです。
正確に言葉で伝えるのは私にも出来ません。

ですが、古来日本人は こと海草の味と香りには並々ならぬ努力を傾けてきたと言えます。
四万十の青海苔に代表される河の海苔にもそれを感じる事ができます。

食べてみないと解らない味と香り というものは確かに存在するのです。
それこそ
「今迄食べていた海苔はいったい何だったのか!?」 というほどのシロモノが、。
普通そのクラスになると一般の店頭には並びません。
高価すぎて売れないからです。
高級なお寿司屋さんにいきます。
単位もぐっと大きくなります。
100枚単位です。

これはなるほど美味しい海苔だとどなたでも解ります。

さて、問題は「柔らかさ」ですね。
よく、ラーメンに入っていてバラバラに溶ける安物の海苔がありますが
あれを想像していただくとちょっと困ります。
次元の違う話ですからいったんアレは忘れてください。
アレはただ単に結着の良くない海苔。
逆に紙のようなのは単に硬い海苔。

海苔は解禁になるといっせいに刈り取られるわけですが一般に早い時期には原藻は柔らかいのです。
ワカメなどでも同じですね。
山菜や野菜などでも当然同じです。
その柔らかい原藻を刻み並べて成型して乾燥させて出来上がりです。
ですから、海苔の厚みに関係なく柔らかいものは口の中でとろけます。

考えてもみてください。
早い時期の柔らかい海苔が乾燥されているってことは原藻が水分を失って幾重にも折り重なっているわけです。
それを口中に入れるとたちまち唾液を吸い込んでふんわりとふくれ上がりばらけていきます。
その過程で閉じ込めていた香りをこれでもか と放出するのです。
旨くないわけがありませんよね?

これを「土佐丸」に入れるわけです。
はまります。
どういう具合にはまるのかは次回に回して

その前にもう少し海苔の美味の壺をしつこく暴いてみましょう。
「素人」呼ばわりされない為にも。

実は白状しますと、私自身が素人呼ばわりされるところだったのです。
「これがその美味しい海苔です」
と差し出されすぐに開封して真っ先にやった事は

鼻を近づけて匂いを嗅いだのです。

言って置きますがこれはやるべきじゃありません。
素人だとすぐにばれます。
幸い、ここでは皆さん優しい方ばかりで親切に教えてくださいました。
「乾燥した状態の海苔には香りはありませんよ」 と

そうなんです!
海苔は湿気が入って初めて香りが立つんです。
お寿司屋さんではのり巻きを巻いて「はいどうぞ」と出された時が香りが立つ瞬間です。
焼き海苔なら口中に入れた瞬間
香りが湧き立つのです。
今日はここまでにしておきます。

「土佐丸」
もう何がなんだかさっぱり判らないと思いますが もう少しだけ引っ張らせてください。
ウチの裏メニューの中では看板メニューなのですから。
5/21からスタートします。





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