富山湾の氷見市ではワカメの養殖が盛んです。
養殖というとすぐに硬いというイメージをお持ちかも知れませんが、
柔らかくてしっかりとしたワカメです。

このワカメを狙って毎日のように中央市場に顔を出しますがなかなか当たりません。
入荷がなかったり、タケノコで時間を取られすぎて売れてしまったりします。


今回はこれでふりかけを作りながらワカメの美味の壺を探ってみましょう。


獲れたての生ワカメを頬張ると少し塩っぱいですが、
海の香りが濃くて、とても美味しいです。

美味の壺

このワカメの美味しさとは何なんでしょうか?
それは、海のミネラルの美味しさです。
山の野ブキなどでもそれを強く感じるものがありますね。

これらは体が不足している時に、もう意味が解らないくらい美味しくてたまらないという状態になります。
体喜ぶ美味 というわけです。

海のミネラルといえば海水の成分ですから、
海がきれいでなければいけません。
まさに氷見はうってつけの海といえます。
底まで透き通って見えるきれいな氷見の海を思い起こしながら食べると更に美味しく感じます。

さて、美味の壺を突き止めたなら次はそこを強調してやるのが料理人の仕事です。

ワカメのふりかけを作るのにはざっと2通りあり、そのまま吊るして乾燥させたものを焼いて砕いたものと、
もうひとつが今回取り上げるパターンです。
こちらは先に熱を与えます。

茹でます。
ここで注意!
真水で茹でたり、洗ってはいけません!

浸透圧で 塩味=ミネラル=旨味 が逃げ出してしまうからです。
ですから塩を入れたお湯で茹でます。

塩加減はいかほどでしょうか?
正解はワカメと同じ位の塩加減です。
つまり、材料に「聞く」のが正しいというわけですね。

よろしいでしょうか?
決して色落ちを防ぐ とか 塩味をつける というのではありませんよ。
浸透圧によってワカメの旨味を逃がさない為の塩です。

ですから茹で上げたものを水にさらしてはいけません!
それではなんにもなりません。
サラダにでもするってのなら別です。
塩を抜くのも、抜かないのもそこが分かれ目です。

茹で上げたらザルに広げて冷まします。
nrhk 001茹でると瞬時に色が緑変します。
色落ちを防ぐ為に普通は冷水にさらしますが
ふりかけでは絶対にさらしてはいけません。

これを繰り返すとお湯がどんどん濃くなりますから
たまに水を足して作業を続けます。


しまいにはお湯が塩田の塩水のようになります。

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こうしてなるべく重ならないようにうして広げ
冷まします。
できれば盆ザルが適しています。

粗熱が取れたら刻みます。
刻んでから干します。
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今時の日差しはかなり強く、茹でた山菜などもどうかすると一日で干し揚げてしまうほどです。
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充分乾燥したらそのまま揉み解して出来上がり。
ですが今回はワカメの茎も一緒に作りましたから
茎はほぐせません。

ほぐせない茎を鍋でカラ煎りしてすり鉢ですり、先ほどのと混ぜて完成。
  ワカメふりかけ
まさに海の豊潤なミネラルの旨味!
自然なままの旨味!
ご飯が止まらなくなります!

こうして美味の壺を突き止め、それを強調し、応用し、適所に置くのが「料理」なのです。
「理り」 ことわり を 「料る」 はかる のです。
料理人は常にこれを考えて手を動かします。
決まりきった手順やレシピばかりで動いているうちはまだまだなのです。

習った事は出来て当たり前。
聞いた事を推測して作るのを良とし、
無いものを作り出すのを上としなくてはなりません。
今、在るレシピはそうして先人達が残してくれた貴重な遺産ではありますが
遺産にしか過ぎない とも言えます。

あるいは「忘却されてしまったレシピを再現する」というものであっても
考えた末に自らの手で再構築したのであれば、それはれっきとしたオリジナルといえます。

そんな仕事の出来る料理人を目指したいものです。

ちなみに、ワカメは茎を外して行えば楽に作業を進められます。
今回は焼いたものと混合したかったので面倒なことをしています。

外した茎は茹でて水にさらし、酢醤油やマヨネーズで食べましょう。

こうして無添加で簡単に美味しいものが作れます。
乾燥剤を入れて密封袋で冷凍保存し、小出ししながら頂きましょう。
いつでも応用がきき、便利です。

ですが、ここでお約束の困りごとを。
食後は歯にくっついていないか要チェックです!
















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