ホタルイカでチャーハンを作ります。

かつて化学調味料を普通に使用していたときはあまり深く考えずにただ入れた筈です。
そういう意味では便利な粉を使う習慣は料理人の思考回路に怠惰な習慣を身につけるとも言えますね。

今は、『ではどうやって旨味を乗せてやるのか?』 といちいち考えなくとも瞬時に答えが出る思考回路が出来てしまっていますので苦労はありません。

でも最初はなかなか出来ないと思いますので解り易く説明しましょう。

まず、美味の壺 といきなり問うても答えが見つからない時。
以前に裏切りの親子丼で書きましたが、悪いケースを想定してみるのも手です。

具体的に不味い場合を想定してみましょう。

①ホタルイカの中身がはみ出てしまってぐちゃぐちゃ。
②チャーハンが普通なのにホタルイカがただ茹でただけで入っていて味のバランスが取れてない。
③ホタルイカの肝の味が強すぎる。
④具が少ない。
⑤具が多すぎる。
⑥ホタルイカの水分が口中で不快。  
                      などでしょうか?

それでは、次の作業でこれらを全て解決させましょう。
①新鮮なものを正しく下茹でします。
 これで中身ははみ出てきません。
②③⑥
 ホタルイカをいったん煮上げます。
 湯を沸かし、みりん、醤油、ケチャップ少々で煮ます。
 プリッと締まってきたら火から下ろし、ザルに取り水気を切ります。
 味をつけて水分を抜き、さらに時間を調節して肝の強すぎる味を自在に抜けます。
④⑤旨味の出る野菜を具材に用意。
   卵を多目に加える

これで一通り行ける筈です。
では実際にやってみましょう。
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言うまでもありませんがホタルイカの目玉は除去します。
新鮮なうちに正しくボイルしたものは中身がはみ出ませんから目玉の除去もスムーズに行えます。
それでもイカが沢山入るとクドくなる恐れがありますので、

旨味野菜の玉葱、パプリカ、人参、コーンだけではなく菜の花も少々加えましょう。
春の苦味はくどい味を救済してくれるからです。

後は普通に調理します。
隠し味のイカワタの塩辛も少々加えます。
最後の葱焼入れ時にホタルイカを乗せて葱と一緒に焼入れをします。
充分焼入れをしたら全体を混ぜます。

ホタルイカを入れたら、おたまで押さえてはいけません。
かき混ぜるだけにしましょう。
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注意していたホタルイカの強い味も程好く抜けて美味しいバランスが取れました。
これならラーメンの邪魔もしません。

塩辛の味は前面に出ていませんがホタルイカの味を強化しないで旨味の底支えをしてくれています。
これこそが本当の意味での「補ってやる程度の旨味」ってやつでしょう。
粉末を入れなければチャーハンひとつ出来ないなんて「冗談だろ?」と言ってやりたい位ですね。
nrhe 063かつて家庭で化学調味料を大量に使わなかった頃はたまに行く外食であまりの美味しさに驚いたものです。

お店では大量の化学調味料を入れてその旨味を出していましたが、
たまにしか行かないから弊害は表に出ませんでした。
それが「外食の味」、「プロの味」として家庭では出来ない味として諦められていました。
ところがいつの頃からか
「料理屋の味をご家庭で!」
などと言い出してからすっかり家庭でも化学調味料が幅を利かすようになってしまった現在。
せめてプロは本物の味作りをしたいものです。

昔と違って今は家庭の主婦は多忙ですから、それはなかなか困難でしょう。
朝早起きして、かつお節を削れなどと無理は言えません。

でも、代価を受け取るプロまでが
「いや~、そんなヒマはありません」
などと言ってはいけないと思いませんか?

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