船員をしていた頃に、今不動産バブル崩壊のニュースで喧しいアラブ首長国連邦のドバイで下船した事があります。
(外国航路の船員は日本での寄港を待って交代していたのでは間に合いませんから外地で飛行機で交代するのです。)

北杜夫さんの小説に出てくるまんまのケバブ売りの騒々しい呼び声、ほこりっぽい街並み、
水パイプをくゆらす人達、濃厚なコーヒー、、、。

それらを楽しみつつ2日ほどホテルで待機しました。
そのホテルで食べたカレーが今までに食べた中で最高です。
今も忘れられません。

パキスタン人コックの作るそれは激辛でした。
口に入れた瞬間 脳天からスーッと涼しくなる位に血の気が引くのが解り次の瞬間辛味がいっせいに襲うのです。
大量の汗が噴出します。
スプーンが止まらなくなります。
あまりの辛さに他の同僚たちは敬遠して2度と食べませんでしたが私は毎回食べました。

日本でも本場の人たちが作っています。
ナイルさんのような方々も大勢いらっしゃいます。
でも、どこか日本人向けに作っているような気がします。

もしかしたら、そのパキスタン人もドバイの気候に合わせていたのかも知れません。
中近東でも冬は寒いのですが夏は死ぬほど暑いからよけいに美味しく感じたのかも知れません。
とにかく初めて食べた本格的なさらさらのカレーは鮮烈な記憶を残しました。

それから随分経ってからでしたが自分でスパイス調合カレーに挑戦するようになったきっかけをもらったんだと理解しています。

スパイス調合セットは業務用スーパーなどで販売されています。
最初は適当に放り込んで作ります。
ルウ仕立てではありませんから本場のようなサラッとした仕上がりです。
毎回味は違いますがそれでも充分楽しめます。

ところが息子が食べてくれません。 がふっ
既製品の方が旨いと言い張ります。

困った私は某スーパーのお惣菜コーナーの「○○さんの台所」のカレーを買ってきて食べさせました。
3回 4回 と息子は喜んで食べています。

5回目あたりから様子が違ってきます。
少しづつ残すようになってきたのです。
原因は解っています。
アミノ酸は控えめなのですが室内に漂う残り香が微妙に変なのです。
食欲をそそる匂いではありません。
むっとする匂いです。
これの正体が保存料です。

前回のルウの画像を見比べて見てください。
固形のルウの2社製品には「アミノ酸等」
粉末の1社製品では「「アミノ酸」とあります。
この「アミノ酸等」には各種アミノ酸の他に保存料などが複合で配合されている事が多いのです。
上手に隠されています。

普通に食べ続けるだけなら誰も判りません。

でも、それがもし本当に美味しいのなら良い匂いしかしないはずです。
この持ち帰り品の場合はカレー粉の匂いでも隠せないほど大量に入っている という事です。

いつかも他の記事で書きましたが
便利とはそういうことなんです。
つまり今私達の周りにある 背反する願望を叶えた便利なものはこうして変容してきた物なのです。

浴室で崩れなくて、しかし泡立ちは良い石けん を望んだのも
昔 満州の極寒の冬でも凍らない日本酒を望んだのも
いつまで放置しても腐らない漬物を望んだのも
簡単に出来る料亭やレストランのメニューを望んだのも

私達 消費者なんです。

だからと言って
アレルギーの出る石けんや
水やアルコールで2,3倍に増量した日本酒や
消化すら出来ないような食品ばかりではちょっと困りますよね。

カレーが大好きで何日でも食べ続けられるという人は多いです。
でも、アルバイトが一番長続きしない飲食店が「カレー店」という話はご存知でしょうか?

「カレー」
国民食とまで言われるほど、これほど私達を惹きつける魅力って何でしょうか?
食べ飽きる っていったいなぜなんでしょうか?
この膨大な種類の多さを見て不思議な気がしてしばらく眺めてしまいました。

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