ネマガリタケは最近まであまり熱心に採らない山菜でした。
一番得意にしている「太いワラビ」と時期がかぶると言う事もありますが、なんと言っても「熊」です。
家内と連れ立っていくのに熊遭遇の危険を冒してまでと言う気にならなかったのです。

ところがワラビのポイントも年々衰退して採れなくなってきました。
元々牧場跡だった所なんですがいよいよ肥料効果が薄れてきて並のワラビしか採れなくなってきました。
しょうがない という程度の方向転換でしたがやってみるとやはり面白い。
そこで真剣に熊対策も含めて美味しい食べ方研究も腰を据えてみようと腹をくくったわけです。

輸入物の真空パックしか知らない方には残念ながら想像つかないと思いますがなんとかこの不思議な食感をお伝えしたいと思います。

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シャガの咲く頃に出始めます。
里を離れて山道を走るとこんなものが
実にさりげなく佇んでいます。
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熊、猿、カモシカに続いて最終兵器の猪まで出没する様になってきました at温暖化雪国
山の農家さんにとってはもう打つ手無し になりつつあります。
ご苦労お察しいたします。
私だったらもはや猟銃を持って立ち上がるしかないと椅子を蹴倒すところです。

独りでここに来る時にはミニバイクを積んで来て車をふもとに置いて行きます。
そのくらい険しいのです。
熊も沢山棲んでいるそうですがカモシカぐらいしか遭遇しません。
もっとも、頻繁に爆竹を炸裂させるから火薬の匂いだけで閉口してるのでしょう。
猪対策もこれからの勉強課題です。

急崖を登り降りしながらの収穫は楽しいのですが画像確保のヒマがありません。
そこで一気に食卓までワープです。
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これは生のまま焼いて味噌をつけてこれから齧るところです。
柔らかそうでしょう。
が!

ネマガリタケ(ススタケ)の真価は柔らかさという面にあらず。
節の堅さを感じるために柔らかさが引き立て役として存在する と言う面なのです。
お解かりになれませんね?
つまり、誤解を覚悟で言い切るなら  堅さを楽しむ。
                       しっかりとした繊維を噛み切る快感。

つまり、そういうことです。
柔らかさも美味しい一面には違いありませんがそれをしのぐ節々の小気味良い程よい堅さこそがこのタケノコの真骨頂と言えそうです。

次の画像で説明しましょう。

最大サイズでご覧ください茹でて皮をむいたものです。

上から出始めのもの~下 伸びたもの
の順に並べました。
上の白っぽいものはまだ陽が当たりきっていない本当に柔らかいものです。
陽が十分当たったものは徐々に青くなっていきます。
白っぽいのは極上品で青いのが次点です。
孟宗竹でもウドでも同じですね。

ちなみに八百屋さんではこれらを並べると青々しいものから売れるそうです。
素人目には青っぽいのがいかにも新鮮に見えるから というのが定説ですが。
実はそこに真相のひとつがあるのです。

上の柔らかいものは歯応えが無さ過ぎるのです。
もちろんそれは極上品の味わいなのですが
下の育ったものには良い意味での食感の変化、ワイルドな味わいがプラスされているのです。
それが人気の最大要素だと言えます。

もう一つの画像で見てください。
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焼いた物を食べる事を茹でて皮をむいた画像で説明しましょう。

先端から柔らかい部分は一気に食べれます。
もちろんその柔らかさの中にも微妙に節々の小気味良い堅さがアクセントとして含まれます。
ですがいよいよ堅い節にぶち当たります。
普通のタケノコならそこで終わりです。
それ以下はもう食べれませんよね?

ところがこれが特異なところですがその節の下はまた柔らかいのです。
これを繰り返していよいよ堅くて食べれないくらいになったらようやく諦めがつき手を離す事ができるのです。

この食感は笹竹類に共通するのですがネマガリタケ(ススタケ)は旨みと甘みがあるため特別視されるのです。
マダケ(真竹)、ハチク(淡竹)、その他の笹竹類にはこの甘み、旨みは感じられません。
そのため富山ではハチクは人気薄な現状です。

瓶詰めにして保存用になってもその食感、味わいはあまり劣化しません。
ですから人気は高く贈答に使う人も多いのです。

瓶詰めにするのが一番下の画像です。
ぎりぎり普通に食べれる所でカットします。

残った切れ端のうち堅くて食べれない節部分を捨て残りの部分をまとめて煮ます。
これは柔らかい部分より微妙にやや堅い部分の方がやっぱり美味しいんです。
表現が難しいですがお解かりいただけるでしょうか?

魯山人氏はこれを食べなかったのでしょう。
もし、食べていれば必ずや名言を残したはずです。
開口 健氏もまたしかり。
もし、食べていれば馬のように食べ正しく本質を見抜き正鵠を得た一言を残したはずです。

開口氏のファンとしてはノーベル文学賞を逃したことよりそちらの方を惜しむ と言っては叱られるでしょうか?
スコッチのおつまみにとネマガリタケを進呈したい所ですがもう叶わぬ願いですね。(あ、また悪い癖が

両氏の足元にも及びませんが今回のお昼にタケノコご飯を作りました。
この歯応えのいい所だけの贅沢なご飯です。
市販品を求めて炊こうとすればとても250円なんかでは出せません。
山の味
自然の力が体の恵みとなって滋味深い美味しさです。IMG_5647.jpg


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瓶詰めにするとこの青色は抜けてしまいます。

今だけの色を楽しんでおります。
もう少しで終わります。








                       






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