FC2ブログ
長野県戸隠で竹細工の店主に美味しい蕎麦店を訊ねたら
「甘いツユ」と「辛いツユ」のどっちがお好みですか?

聞き返されたことがあります。
その一言で長野県人の聡明さと、蕎麦への造詣の深さが解りました。

美味しい蕎麦とは如何なるものかと語る前に
まず、美味しいツユありきと私は思うのです。

好みの分かれるところではありますが甘ったるいツユは
断じて拒否したいのであります。

濃いダシとみりんと醤油だけのカエシ
たったそれだけでいいのです。
それだけできりりと引き締まったツユになるのです。

東京の蕎麦が全てで正しいと言う訳じゃありませんが、
東京人がよく口にするこんな言葉があるそうです。
「地方の蕎麦産地の蕎麦も旨いんだ、ただツユがねぇ」 と

なんとも悔しいセリフですがどなたも心当たりのある言葉では
ないでしょうか?

事実、私も同じ思いを抱くことが多くてお店で蕎麦を
頂くことが少なくなっていたのです。

曰く、東京で修業してきたとか
東京のお店を畳んで富山に出店したなどと言うお店に行くと
最初は私好みの濃いツユが出てくるのですが
すぐに薄いツユになってしまったり閉店してしまったりして
結局私好みじゃないお店しか残らないのです。

今回ご紹介する「福籠」(ふくろう)さんは希少とすら
言いたいほどのそんなきりりとしたツユで食べさせてくれる
お店です。
jb102.jpg

jb100.jpg

jb101.jpg


蕎麦は八尾在来の地元産。
在来種の蕎麦がここ富山市で食べられることだけでも驚異的なのです。

昔から全国各地でその地独特の気候風土に根差した品種が
栽培されてきた蕎麦がある時から急激にすたれ始めました。
栽培しやすい大粒の品種が登場したからです。

それでもその地に根差した蕎麦を守り続けたいと
細々と種を守り続けた人たちがいました。
なぜか?
栽培しにくく、収穫しづらい、しかも小粒で収量もすくない
製粉にも手がかかる
なんでそんな思いをしてまで作り続けられたのか?

美味しいからです。

粘りがあって、香りがよく、食べて美味しい蕎麦になるからです。
近年そんな各地の在来種の蕎麦が見直され始めています。
だって
どこへ行っても同じ蕎麦じゃつまらないじゃないですか。

まして中国産のカビ混じりの蕎麦なんて誰がわざわざ食べたいでしょうか?

去年、
福籠さんで北海道の新蕎麦粉が入荷したから
というのでヒネの八尾在来のものと食べ比べをする機会に
恵まれました。

なるほど北海道の新蕎麦は色もきれいでフレッシュで
美味しい物でした。
しかし、ヒネのはずの八尾在来蕎麦がそれに比して一歩も
引けを取らない美味しさなのです。

これには心底驚かされました!!

食べ比べなけりゃ解らなかったくらいですから
私の舌も大概ですが
在来種の蕎麦を守り続けてきた方々にも改めて頭の下がる思いでした。

そして腱鞘炎の腕をおして打ち続けてくれる店主の
「福ちゃん」(女性)にも心より感謝していつもいただきます。

この日は最近はまっている「鴨せいろ」+「生姜ご飯」
jb95.jpg

お世辞抜きにこんな美味しい鴨せいろは初めていただきました。

考えてもみてください。
冷たい蕎麦に温かいツユで頂く鴨せいろのツユが
薄くて薄甘いツユだったら・・・・

ヤ でしょ?
今までそんなモノにしか出会って来なかったのです。

福ちゃんの作ってくれる鴨せいろはキリリとしたツユに
極上の鴨肉とネギ、それに自家製の鴨のつくねまで
入っているんです。

jb98.jpg

jb96.jpg

火入れ極上!
jb97.jpg

これがまたプリップリで素晴らしいお味!

エッジの利いたビシッとした男前の蕎麦(?)を
jb94.jpg

このツユにちょんと付けて一気にすすります。
う~ん至福。

たまに「濃すぎ」とか「しょっぱい」なんて不細工な事を
のたまう無粋な方もいるとか
こういう濃い目のツユにどっぷりと漬け込み、
しかもせっせと大量に漬け込んでから  一息ついたかのごとく
「イヤ~  トランプもねぇ」などとやってるからしょっぱいんです。

もう少し襟を正して食べていただきたいもの

冷たい蕎麦ときりりとしたツユ、そして鴨肉の脂が
口の中で混ざり合う快感!


これはたまりません! 至福!

手打ち蕎麦というとやたら高価なお店も増えましたが
ここでは十割蕎麦でもリーズナブル値段です。
jb92.jpg

季節に応じた限定メニューもお勧めです。
jb93.jpg

私が金沢ニューグランドホテルで修業していた頃
街には”C”という大衆中華料理のチェーン店があり
人々は新しい中国料理店が出来た  と聞くと必ず

「そこは”C”より上なんか?  それとも?」と
聞き返したものでした。
そう、
共通の物差しというか一つの共通する”基準”があったのです。

私が絶対の自信をもってご紹介する「福籠」さんは
富山の最高基準としてこれから認知されていくはずです。

「地方の蕎麦はツユがねぇ」
などと不埒な事をのたまう東京人に食べさせてやりたい蕎麦です。

本物の味のお解りになる方に推薦いたします。
jb99.jpg

富山市山室303-28
Tel 076-422-7607
忙しい時間帯のむやみな電話はお控えください(私からの願い)
11:30~15:00
休 毎週月
  他 月2回不定休
グリーンモールから南ジュレマスダさんを左折突き当たり

靴を脱いで上がるお店です







スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://oisiitoyama.blog96.fc2.com/tb.php/1517-ab68ec46