2007.11.17 寄りまわり波
こちらは富山湾の解説です
富山湾は急峻な山々を一気に流れ落ちる大河に削りえぐられたように深い海底谷を形作っています。
しかも沿岸部からすぐに急深な所も多く、それが豊富な漁獲量という「恵み」になっていますが、反面「厄災」もあります。
そのひとつが冬季の「寄りまわり波」と呼ばれる恐ろしい現象です。

西から東へと移動する低気圧が本州を過ぎ北海道付近に停滞するこれからの冬季に起きます。

大時化の波が落ち着きいつもの静かな海面に戻った頃、
釣り人が堤防や消波ブロックなどで釣りに興ずる姿が見受けられます。
いつもの、どこにでもある風景です。
海面には低気圧の名残のうねりが多少見られるぐらいで基本的には「凪(なぎ)」の状態です。

そんなのどかな景色の中でそれは唐突に起こります。
振幅の大きなうねりが突然立ち上がるように巨波となり堤防や消波ブロックを一瞬で飲み込むのです。
寄り回り波 と呼ばれて恐れられています。

日本海を大きなうねりが北から伝播してきてどん詰まりの富山湾に最大幅となり、
沿岸部の急激な海底の谷崖にぶつかり立ち上がる
と考えられているものです。

堤防に波がぶつかり飛沫が飛び散るようなものの巨大なサイズとお考えください。
一番被害が大きいところは「滑川」と言う地点です。
ここは陸からほんの10数mの海上で水深50mほどもある良い釣り場でもあります。
この海底崖に巨大うねりが激突するのです。

この一帯は消波ブロックが常時崩れています。
漁港の赤灯台が折れた事もあります。
冬季には海岸線の民家が高波に洗われることもあります。
最近では数年前に近くの水橋漁港の堤防が崩壊沈没してしまいました。

ですから冬季に海釣りをする人は「海に背中を向けない」事が鉄則となっています。

かつて国道がこの海岸線近くを通っていた頃は時化(シケ)になると頭大の玉石が波で道路まで打ち上げられて非常に怖かったとトラックドライバーに聞いたことがあります。

一度だけ目撃したことがありますがそれは恐ろしい光景でした。
大きなうねりが次々に押し寄せる中で、あるポイントにくるとガバッと巨波となって立ち上がるのです。
そこの海底に大きな堤防でもあるようなそんな感じです。
翌日波が納まってから再び現場を訪れると大きな岩牡蠣がブロックから剥がれたのでしょう
沢山打ち上げられていました。
あと、ブロックに引っかかってしまった夜釣り用の電子ウキも沢山。

昔、この海岸で消波ブロックに取り残されてしまった釣り人を大波の中救出しようとして殉職された警官の慰霊碑が立っています。
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合掌。

ひと事ではありません。
私もこの付近はかつて定ポイントにしてました。
無事にいられる幸運に今となっては感謝です。
堤防下のブロックから沖のブロックまで20mほどのワイヤーが張ってありそこを冬季には滑車で作ったウマで渡って夜釣りをしていたものです。

今はもう止めましたが、人様に迷惑をかけないうちに止めて良かったと思います。
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これは夏の画像ですが新築となった水橋漁港堤防には今もこうして釣り人が続々やってきます。
これからの時期
「海に背中をむけない」で気をつけてくださいね。

冬の日本海は荒れます。

でも、魚はどんどん美味しくなって行くんです。


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