先日NHKの夜の「コウケンテツが行く」でマコモダケを
料理していました。
この番組は氏がアジアの各地方を巡りその地のお母さん方と
地元の料理を作り、食べ、歓談するというものです。

ある時には田でタニシを採り料理し、はたまたある時には
庭に生えている木の樹皮を削って料理に加えたり
またある時などは豚肉の料理で肉はもちろんのこと
捌いた時の血液までも料理して食べてしまう   などといった

思わずうなってしまうような料理のオンパレードなのです。

しかし、最後には氏が実に美味しそうに食べて大団円。
日本から来た若者が喜ぶ姿を見てお母さん方も笑顔で
終了と言う番組です。

マコモダケの回は舞台が台湾でした。
中華料理というわけです。

中国はおおざっぱな分け方をすると
北方は米作が出来ないため「粉食文化」
南方は「米食文化」と言われますから

南方に位置する台湾では普通にこのイネ科のマコモダケが
食されているようです。

呼び名も(通訳ですが)普通に「マコモ」と言っていました。
皮をむくのに爪楊枝で引っ掻いてから手でむしるのには
驚きました。

いよいよ調理です。
大き目にカットにした豚肉を油で炒め水を足し
砂糖と醤油で味付けしたら陶器の器に移して煮込みます。

そうして最後に大きな乱切りにしたマコモを加えてさっと煮て
完成です。

氏はマコモを食べるのは初めての様子でとても美味しいと
驚いていました。
マコモが脂と旨みを吸い込んでいて別の味わいに
生まれ変わっていると感激した様子でした。

マコモの美味しさを誠に端的に表した料理で感心して見ました

ここ最近の”ある流れ”に呼応した点で昔日の感を抱いたのです。

私は中華料理店をやめる5年前から味の素を使わなくなりました。
以後、各食材の都合と道路事情から現在のラーメン店に転身して
10余年
始めの頃は不出来だったこともあるのでしょうが
味の素を使用していないという事だけで信じられないほど悪口を
言われ続け、
ネット上では当店の悪口を見ない日が無いほどでした。

その頃お客様に言われた言葉があります。

「君の所は零細だからそんなことが可能なのであって」
「大手では無添加が難しいのは無理もないだろう?」


「何を言ってるんですか」
「大手はとっくにそれに近いノウハウを持っていますよ」
「今それを出していないのは単にコストや時流の為だけです」

「そんな物かねぇ?」

「でもね、いよいよ大手がそんなものを発売し始めたら・・」
「私達のような個人店はどう対抗すればいいんだと思いますか」
「だから今から始めておかなければ生き残れないんですよ」

「・・・・・・」

もう10年以上前の事です。

今、静かにうねりが押し寄せるようにそれが始まっています。
TVでも味の素を見なくなり
あらゆる加工食品にあざとい味の素味を感じなくなりつつあります。

でもそれは味の素を多食、多用していると恐らく感知できない
のではと思われるゆったりとした変化です。

数年前に山で食べたカップ麺でそれを感じ
次に駅弁で認知し
最近の加工食品で確信し
この番組で間違いないと解りました。

アミノ酸等
と表示されているのは今も昔と変わりません。
その中身、実態が大きく変貌しているのです。

防腐剤に発がん性があると公表された途端にその表示は
姿を消し、「アミノ酸等」が代わりに登場したのです。
その頃は各種アミノ酸と防腐剤が中身でした。

でもその中でもグルタミン酸の率が多くて味の素味を
強く感じたのです。

今は防腐剤混入をごまかすためと言うよりは
より自然な「旨み」を演出するためにその他のアミノ酸率を
多くして突出したグルタミン酸味を感じさせなくしているのです。

つまり、より一層巧妙になってきたというだけです。
恐らくただの味の素よりは相当高価なのでしょうね。

でもいよいよ”それ”が押し寄せ始めた今
味の素を使わないでも発酵調味料を使えばいいや
などと云った姑息な手段は通じなくなりつつあります。

目先の利益だけを優先しているととんでもない事になりそうな
気配を感じます。
収益率を優先するか
省力を優先するか
それは人それぞれでしょう

でも飲食店たる私達が最優先すべきは
出来るだけ美味しいものを提供し続け
出来るだけ長く生き残る事。
そのために最大限の努力を払う事ではないかと思うのです。

今から始めればまだ何とか間に合います。
あらゆる食品業界で言われ続ける聞き飽きた言葉

「食べ物商売は最後は味だよ」

それは決して他人事じゃないのです。
味の素が支えてくれるというのはもはや古ぼけた幻想です。

飲食の世界に足を踏み入れ40年近くあらゆる業界の盛衰を
見てきたからこそ敢えて老婆心で書きます。

マクベスの名セリフを引用するなら
「山が動き始めているのです」









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