例えばこんな山があります。


ABC のそれぞれの地点で人が住んでいるとします。
山で暮らすのに何が一番重要かと言えばずばり「水」です。
水の無い所では暮らせないとは言いませんが
とても苦労します。

事実私の生家はA地点のようなところで水には大変な苦労をさせられました。

富山県では驚くような奥山にも人が住んでおられますが
最初は不思議な程でした。
でもその上にもっと高い山があるから水には不自由しないのだな
と納得した次第です。

A地点で水を得ようとすれば深い井戸を掘るしかありません。
でもB地点では上手くいけば横井戸で可能かもしれません。
C地点では勝手に流れ出ています。

地下水には様々な形態があり
河水が地下に浸透して低い所から湧き出す文字通りの
「湧水」
これは富山県の黒部の名水などが有名です。
伏流水と呼ばれます。

もうひとつの「湧水」は文字通りの湧き水
これは富士山のふもとの水などが有名です。

人間が穴を掘って得るのが井戸水。
縦穴式と横穴式がありますが、
最近ではボーリングで地下水脈までパイプを通して
直接くみ上げるパターンが多いようです。

鑿泉専門の会社ではどこで井戸を掘るのなら
そのあたりでは地下何十メートルに水脈があるかを
おおむね把握しているというから恐れ入ります。

いっぽう山のC地点あたりで暮らしている人たちは
古来、山から自然に流れ出てくる地下水を生活に
取り入れています。

それは決して川の水という事じゃありません。
川水というのは降雨によって汚濁が入るから毎日の利用に
耐えられないのです。

雨が地下に浸透して長い時間を掛けて濾過され
自然に染み出す水です。
山道を歩くと道端にパイプが突き出ていて
一年を通して流れ出る水

そんな物をご覧になった方もいるでしょう。
大抵そんな場所にはアルミカップだったり何がしかの
器が用意されているものです。

そして例外なくそんな水は旨いのです。

硬水というのは
地中のミネラル分を多く含む水のことです。
地形が緩やかで川や地下水がゆっくりと時間をかけて
流れる欧州に多いと言われます。

これに比べ
日本は急峻な地形が多く黒部川に代表されるが如く
まるで滝のように一気に下るためミネラル分の含有の少ない
軟水となり、日本の水の実に8割が軟水であると言われます。

でも先日ある山で水を汲んできて感じたことがあります。
ひとつの山でも汲む場所によっては硬軟両方在るのです。

地下水脈といっても一本ではないからその流れる場所の
地質、岩石の鉱物の組成に関わっているという事なのですね。

まさしく水は地上でも地下でも大地を削る刃
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と、なれば今は硬水であっても未来永劫硬水で
あり続けるとは言えない  と言う事です。

そんな山から染み出してくる水を山の人達は「山水」と呼びます。
だからと言って何度も繰り返しますが雨が滴り流れる水
などじゃありません。

れっきとした地下水です。
昔から受け継がれてきた山郷の生活用水なのです。

なんて幸せな環境でしょうか。
町に住む私たちの水道の水源などとは比べ物にならないほどの
清冽な水です。

ほとんどの場合蛇口などもついていず
流しっぱなしなのが信じられないほどです。
流れる水の何割かは常に地中に浸透します。

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こうして更に下の山々を下りそれぞれの山、いくつもの里を
潤し、水はその姿を現しては地下に潜り時として
形を変え下流域では大きな大河となって平野を肥します。
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そうして最後には海に注ぎそこでも豊饒の幸を育ててくれるのです。
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でも
忘れてはいけません。
最初の一滴は高い山に降る一粒の雨であり
ひとひらの雪なのです。
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ちなみに
人間の都合で河の流れを変える事はしばしばありますが、
その地下水脈まで変える事は出来ないそうで
本来流れていた川筋には今も地下水の河が流れ続けている
と言われます。

それは大きな目で見た地形的な必然なのでしょう。
人間のちっぽけなご都合など意に介さないという自然の
流れなのでしょうね。

しょせん人間の作る構築物などその程度と言ってしまえば
身も蓋もありませんが
いったん大雨や洪水、地震が起こるとそんな過去からの川筋に
建てられた一見すると平らな住宅地が侵水や液状化などで
思わぬ大被害を起こすこともあります。

ゆめゆめ
水=山の神を怒らせぬよう


静かに暮らしたいものです。

サムシンググレートとは言いますが人間なんてそんな
大きな存在の上にちょこんと乗っかっているだけなのかもしれません。

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