2016.06.16 ヨシナ
山菜採りを始めたばかりの頃
ヨシナを採りたくて切望した時期があります。
煮物に良し、漬物に良し、味噌汁サイコーと
はまり込んでしまったのです。

人に聞くと
「どこにでもある」というのですが、それが解らないから
聞いているのにと思ったものです。

ところが実際に気が付いてみればどこに行ってもあったのです。
ただ目に入っていなかっただけでした。

お店で買ったり人に頂く時には葉が除去されているので
葉の茂ったものを見過ごしていたのですね。

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それで判った気になってそこらじゅうで採りました。

ヨシナには茎の赤いものと青いものとがあり
一般に青は赤よりも味が落ちると言われますが
煮て食べると遜色ないほどに美味しく感じました。

下ごしらえで茹でるといずれも同じ色になります。

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確かに漬物では青は味が劣ると解ります。
でも処によっては青しか採らないと言います。

ところが!
赤でも場所によっては全く美味しくないのもある事に
気づきます。

気候のせいなのか地形のせいなのかと随分考えました。
その結果ほんの少しだけ理解が進みました。

根本は水でした。
解ってみれば何のこともありません。
ヨシナの別名は「ミズ」とも言います。
そのものズバリじゃありませんか。

水の多い、水気のある所に繁茂している。
と言う訳です。
ですからもう一つの有り難くない別名
「ウワバミソウ」という語源とも符丁があってくるんです。

ヨシナがウワバミ(蛇)と縁があると言う訳じゃありません。
蛇も水辺を好むからそういう別名があるというだけです。

さて、その水です。
まず上に山があって、下に道路があり更にその下に河原が
あって水の流れる川があります。
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必ずとは言い切れませんが
美味しい処は山の下の水気のある斜面です。
次に水気の無い河原。
ただし、岩だらけの河原ではいけません。

川辺がその次。
ただし、その川が長い旅をしてきた水の流れる川
と限定されます。

痩せた水の流れる川辺じゃヨシナも美味しくありません。

でも一番美味しくない処は舗装された道路の直下。
これはまぎれもありません。

山菜は山のミネラルで旨くなります。
ノブキなどを食べるとその点がよくわかります。
ミネラル分そのものといった味わいで
キャラブキにして食べて日本酒を一口含むと
甘さが口いっぱいに広がるのです。

山菜の旨みの要素はミネラル分。
そう解ってみれば場所を選定する目も出来てきます。

採り始めの頃は楽しくて萌え出たばかりの小さなものまで
採りました。
しかし、後始末の大変さが解ってからは大きいものを
選んで採るようになります。

ある日、山菜プロのOさんが
「ヨシナの一番美味しい食べ方を知ってるか?」
と尋ねました。

私はプロに押しかけ弟子を公言していましたから
折りに触れ教えてもらっていたのです。

そういう時に小賢しい知恵を振り回しては
プロの口は貝になってしまいますから謙虚に教えを乞いました。

なんと萌え出たばかりの小さな
「ヨシナの赤ちゃんをせっせと採って」
「浅漬けにするんだ」
「柔らかくて旨いぞ~」  との事。

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勉強とはこうして初めの一歩から上へと行き
さらにまた最初に戻ってと
繰り返し反復をしながら学ぶものなのですね。

今年もそれを思い出しながらヨシナを採っています。

ちなみに、野菜の中で最もグルタミン酸を多く含むのが
カブの葉だそうです。
ですからカブを浅漬けにすると無性に昆布を入れたくなり
実際に昆布を加えるととても美味しい充実した味となります。

私はこれを「カブが昆布を呼ぶ」  と表現しています。
なまじ半端なグルタミン酸があるものだからより強い味を
欲しがるとでも言い換えればご理解いただけるでしょうか?

山菜の中でも明らかにグルタミン酸系の旨みを持つものが
いくつかありますが、このヨシナもそのうちのひとつです。
やたら昆布を加えたくなります。
上質な昆布を少量刻んで加えるととても美味しい仕上がりとなります。

ヨシナは長い間収穫が出来ます。
秋にはムカゴも楽しめます。
また追記を書くこともあるでしょう。

以前に触れた「シャク」ですが
収穫期を過ぎるとあっという間にお花畑になります。
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ある人の言によると野にあるものでも
美しいと思えば花となり
美味しいと思えば野菜となる

山菜採り人はその両方を楽しめると言う訳ですね。



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