2016.02.28 鴨について
果たしてラーメン好きに「鴨」は受け入れてもらえるのか?

と一抹の危うさを感じつつもスタートを切りました。
案の定初日の昼はほとんど出ず、夜に若干盛り返しつつも
『やはり馴染まないのか?』と思いつつ翌日は定休日

ところが!
開けて水曜日には爆発的に出ました。
初日に食べられた方がお連れ様を伴ってのリピートまで
あるほどです。

一安心しました。

最近よく行っている蕎麦店でもこれは同様のようで
「変りメニューなんてやらなければ良かったと思う日もある」
と率直な感想を聞きます。

私はその手の試行錯誤をン10年と続けてきていますから
「くじけちゃだめだよ」  と励ますのですが
私自身常にプレッシャーと疑念にさいなまれ続けても
いるのです。

楽しい仕事にはそれ相応のリスクはつきものなのですね。
でもありきたりな仕事だけじゃ明日に繋がりません。

ご注文いただいた
ほぼ全てのお客様が美味しいときれいに食べていって
いただけます。
たっぷり入れているネギのひとひらさえ残っていないのが
その証拠です。

でも、ただ一人 I さんが言うのです。
「鴨は脂くどいからどうかしら?」  と

先に”不用心な一言は食の遍歴をさらけ出してしまう”
と書いたことを覚えておいででしょうか?

まさにこの一言が逆説的に言い得ているのです。
I さんは随分と高価な食事をしてきてらっしゃるようです。
国産の脂の乗った鴨肉は脂が多過ぎて
「まるで脂を食べているようだ」と言われます。

確かに高級な鴨肉は脂層は分厚いです。

今回の当店のメニューは輸入品でそれ程でもありませんから
と申し上げて食べていただきました。

卵の時にも少し触れました。
上質なものは確かに美味しいのですが
同時にくどい味にもなるのです。

ですからそれを矯める技術が求められるのです。
あるいは知恵と置き換えてもよろしいでしょう。

良い肉を使って美味しいメニューを修行先で習う。
そんな事は誰でも一度見れば出来るようになります。
困難なことは  その時その時の素材の状態に応じた
最適を施すことなのです。

腕の良い寿司職人は魚を〆る時に脂の乗り具合に
応じた塩の振り加減をすると言います。
習った事をただおうむ返しをしているだけじゃ”足りない”
のです。

その過不足の無い最適を学ぶため、身に着けるための
目を養い、勘を掴む時間がかかると言う訳です。

今回の鴨肉ラーメンでは多過ぎるほどのネギがそれ
加減の減にあたります。

もちろん他にも隠れた加の仕事はあります。
それら全てがただ一言
「美味しい」の為です。

プロのカメラマンが会心の一枚を”たまたま”得るなど
あり得ないように
美味しい一杯を得るにも作戦や技を駆使してこそ
仕事を支配できるのです。

手間と時間を掛けて仕込むのも全て過不足の無い味を
作り上げる為、
そうしてやっと笑顔をいただけるのです。

「鴨肉ラーメン」は本当に美味しいです。
hc45.jpg


今まで変りメニューは星の数ほどやってきましたが
その中でも”ヤガラの天丼”や”ず丼”とか
”すっぽんのたまご掛けご飯”のような
何年たっても思い出していただけるようなレベルになりました。

予定では3月の第二週までです。






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