私達日本人は小麦粉由来で無くても細長い麺線状であれば
全て麺料理として受け止めます。

蕎麦、春雨、葛切、はてはところてん、魚のすり身だって
ダシに放てば魚そうめんと呼び南瓜ですらがそうめん南瓜
と呼び麺の仲間のようにとらえます。

その中から今回は
「コシ」を語る比較としてビーフンを取り上げてみましょう。
ご存じのようにコメの粉で出来ているから米粉と書いて
ビーフンと呼びます。

中国や台湾ではそのままビーフンと呼びます。
タイやベトナムではこれが大人気で
タイではその太さや幅の違いから様々なものが
作られています。

ベトナムでは毎朝スープに入れた「フォー」を食べないと
一日が始まらないと言われるほどです。

いっぽう日本では今まで正しい作り方が知られていなかった
為と不出来な商品が多かったため長く低迷していました。

原因の一は戻し過ぎだったのです。

細いタイプを長々とぬるま湯に漬け過ぎてふやけ切った
のを手早く調味できない人がゴリゴリとフライパンで
かき混ぜすぎてブツブツに細かく千切れてしまったものを
食べさせられると誰だってビーフン嫌いになってしまいます。

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乾燥保存してあるものですから水、またはぬるま湯などで
戻します。
裏書きの通りに作れば誰にでも簡単に出来ます。

まず、台湾の細いタイプです。
この細いのは焼きビーフン向きです。
台湾でもやや太めの物は汁ビーフン向きになります。

ぬるま湯に漬けて置き、その間具材を用意します.

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今回はエビなどの他になんでも美味しいのですが
旨みを吸わせる重要なアイテムとして干しシイタケと
ベトナムの干しエビの刻んだものをそれぞれ水に戻しておきます


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時たま、ビーフンの硬さをチェック。
硬いのは大丈夫なのです  後でどれだけでも吸水させる事
が出来るから。

ダメなのが戻し過ぎ、ふやけ過ぎです。
後戻りできません。

こうして曲げてみます。
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硬すぎるのは鋭角的に曲がりますが丸く曲がる位に
なったらザルに上げておきます。
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フライパンに油を少々引き具材を軽く炒めます。
酒を入れ
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そして干しエビを戻し汁のまま入れます。
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味付けは塩コショウ、それにトナミ醤油さんのイカ魚醤。
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これだけで簡単に味が決まります。
正しく仕込まれた魚醤には旨みがぎっしりと詰まっているからです。
そこにビーフンを加え炒めます。
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実に簡単に作れるのですが大事なコツは吸水です。
幾分固めに上げたビーフンにエビやシイタケの戻し汁を
吸水させて好みの硬さに仕上げる。

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最後にごま油をひと混ぜして完成です。

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心地よい歯ごたえの美味しい焼きビーフンです。

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ふやけビーフンしか知らなかった人がこれを食べると
目からウロコとなりますが逆にそんなものを知らない
若い世代は素直に旨い麺料理だと受け入れます。

具材はなんでもOK。
味付けだって和風、本場風、イタリアン、カレーと
ご飯がどんな味にも合うように自在に作れる便利な食材です。

でもここには美味しい歯ごたえはあってもコシはありません。

お次はタイの太いタイプです。
細いセンミー
平たいセンヤイ
太いセンレック と大まかに分けられているうちの

このセンレックを使ってフォー(汁ビーフン)を作りましょう。
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これがコシを解明する大きなヒントになってくれるはずです。

ぬるま湯に付けた後沸騰した湯で茹でます。
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全て裏書きしてある通りに行いましょう。

スープに具材を入れ塩コショウ、トナミ醤油さんの魚醤
これも同じです。
味が決まったらごま油を数滴落とし完成

丼にセンレックを盛り、上から掛けます。
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ラーメンで言えばタンメンと要領は同じです。

食べると程よい歯ごたえはもちろんですが
美味しい弾力があるのです。
解っているのにこれをコシと呼びそうになります。
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これはコシじゃありません。

美味しい弾力があるというだけなのです。

一体構造の麺なのでコシがないから
太くしたり固ゆでにする必要があるのです。

こんにゃくでも硬いのもあれば柔らかいのもあります。
つまり小麦粉製多層構造じゃないものでは
茹で加減や太さで「硬さと弾力」を持たせていると言う訳です。

ここで「ところてん」を引き合いにして一体構造麺というもの
を考えてみましょう。
天草(てんぐさ)という海藻を煮だして汁をバットで固めて
天突きと呼ばれる道具で突き出します。

生地は完全な一体構造です。
天草の割合を多くすれば、つまり濃度を濃くすると
強い弾力が得られるという訳です。

他のものではどうでしょう?
ビーフン(フォー)ではタピオカ澱粉が添加されたりします。
冷凍うどんでも澱粉が入ります。

よく勘違いされる蕎麦について触れましょう。
ざるの十割蕎麦では心地よい歯ごたえが得られます。
これは焼きビーフンのやや硬めに仕上げたものと
同類の硬さです。

これを食べやすく、打ちやすくするのに小麦粉を2割程度
加えたものがいわゆる2・8蕎麦ですが
その二割を中力粉ではなく強力粉で打つとどうなるでしょう?

答え、食べ慣れた人でも十割か? というぐらいの
硬い蕎麦になります。
ですからこれを食べた人がつい「コシ」と表現してしまうのです。

そう、一体構造の麺ではコシではなく水分勾配と言う名の
「硬さ」が求められているのです。

粉の種類、濃度、太さ、ゆで時間すなわち吸水加減
これらは全て硬さで食べ心地を演出あるいは表現
させるためのファクターなのです。

多層構造を持つ麺ならそんなものは一切不要です。
柔らかく茹でても、固ゆででもしっかりコシはあります。

もちろんどんな麺を美味しいと感じるかは人それぞれです。
また、何に「コシ」を感じてどう語るのも自由です。
中には学校給食のソフト麺でも
「コシがあるから好きだ」と語る人もいるのですから。

でも、本物のコシを持っているとこんなことが起こります。
当店のお土産専用の「焼きラーメン」です。
生麺を茹でて焼きます。
冷ましてパックします。
冷凍保存します。

お客様がお買い求めになって持ち帰られます。
その間に冷凍は解凍されてしまいます。
それを自宅でもう一度冷凍庫で保存されます。
電子レンジで加熱して召し上がられます。

その麺にちゃんとコシがあるんですよ。
まさに手打ち多層構造の麺にしか出来ない技です。

ちなみに汁ビーフンにカレー粉を投入するとこんな具合です。
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カレー味のビーフンも実に美味しいです。
一度お試しください。

長い記事をお読みくださりありがとうございます。










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