2015.08.30 アカニシ貝
新湊漁港には大きなアカニシ貝が上がります。
これが美味しくて電話で予約して買いに走るんです。

でも、これは人により好き嫌いがあります。
その原因が”若干の磯臭さ”。

ここで貝の事をさらりとおさらいしましょう。
ハマグリなどの二枚貝が棲むのは主に砂地の海底です。
アサリやシロガイなどもそう。
いっぽう
サザエやアワビなどは岩場のある岩礁地帯に生息しています。
いわゆる巻貝属です。

シッタカなどがその代表でしょうか。

富山県の地形は特殊で
本来岩礁地帯だったであろう地形なのに
(海岸線から急激に落ち込む=岩石が露出する)
意外にも砂地が県中心部に幅広く多いのです。

これは海だけを見ていたのではその理由が解りません。
山と海の両方を同時に
出来れば海上から見ると一目瞭然に解ります。

水平線から急激に立ち上がる山並み
しかもその山並みが丘ではなく、3,000m級の山。
これは世界でも類を見ない立地だと言います。


となると

大きな視線
高空からの目線をイメージしてみてください

県内を分断する大河の運んだ砂は本来険しい岩礁地帯だった
地形を穏やかな砂で覆い尽くしたのです。
気の遠くなるような長い時間をかけ膨大な量の砂を運び
沿岸ぞいはそうして美しい砂浜を形成しました。

私の郷里能登では大きな河が無いので砂浜は少なく
むき出しの岩礁地帯が多いのと対照的です。

寄せては返す波の力もさることながら
一日も休まずせっせと大地を掘り続ける河の威力です。
まさしく水は大地を削る刃(やいば)。


浜黒崎の砂浜や
神通川河口はかつて良質なアサリが豊富に獲れたと言いますし、
新湊周辺の湿原にはシジミが沢山獲れたと聞きます。

でも沖合の深場では岩場帯がありその深い溝状になっている
部分にはバイガイがいるのです。  (バイ溝と言います)



さて磯臭さというのはしばしば魚の風味を語る時にも言われる
言葉ですが、岩礁地帯で育った私などは全く気になりません。
魚で言えばシマダイなどがその好例でしょうか?
アイナメなど磯の香りがあった方が美味しく感じるくらいです。

そうそう、横道に入りますと
夏に漁港周辺に行くと定置網を上げて広げてあるのを
見かけます。
あれは網についた雑物を乾燥させて落とす目的があるのだ
そうですが、非常に強い匂いがします。

あれを磯の香りなどと言う人もいますが、
それはやや違います。
雑物が死んで腐敗した匂いですから
磯臭い=嫌な匂い
という風に取らないで頂きたいのです。

岩礁地帯の浅磯に入り海藻をむしり取り匂いを嗅ぐと
汐の香りがします。
本当の活きている磯の香りはとても美味しい香りなのです。


沖の深海からバイかごで獲られるバイガイには磯臭さはありません。
でもアカニシガイには磯の匂いがあります。
新湊ではアカニシバイなどとも呼ばれます。
それで磯の貝に不慣れな一部の人には嫌われる
と言う訳なのです。

私にとっては有り難い話です。
その分安く買えるんですから。
とはいえ
こんなに美味しい貝が不当な評価しか得ていない
というのもなんだかもったいないと思いますから
今回はとっておきの食べ方をご紹介しましょう。

まず、下茹でします。
gd51.jpg

沸いた湯に入れて煮立ったら流水で洗います。
gd24.jpg

これで磯臭さがだいぶ抜けます。

次に
水から入れてほんの少々砂糖と醤油を入れて煮ます。
gd50.jpg

煮立ってから5分程度で消火。
そのまま冷まします。
gd49.jpg

この時点の味付けはごく薄くで結構です。

殻から身を取り出して汁に漬けて冷蔵庫で保存すれば
gd48.jpg
gd47.jpg

一週間ほどは持ちます。

まずは冷菜です。
グリーンアスパラを用意しました。
gd18.jpg

お店では缶詰のホワイトアスパラを使うのが一般的です
gd16.jpg


根の硬い部分をカットし、皮をむき、さっと茹でます。
塩味を付けたスープに漬けて下ごしらえは万端。

貝の上身、腸、肝と分けます。

gd21.jpg
半分にカットしたアスパラを盛り付け上身、腸をスライスして盛り
gd15.jpg

肝をみじん切り+ネギ、生姜みじん切り
gd14.jpg

それに酢、醤油、ごま油を混ぜたものをかけて完成です。
gd13.jpg

アカニシガイの冷製です。
gd11.jpg


お店でアワビの冷製を食べると無慮数千円はしますが、
これだとわずか数百円でできます。

安くて美味しい貝です。
富山湾の豊饒に感謝していただきます。



スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://oisiitoyama.blog96.fc2.com/tb.php/1245-94e7c25a