今年、山菜採りに走るうちに気になるお店を見つけました。
それでシーズンの終わりにやっと行けましたのでご紹介します。
お店の名前は「高千代」さんといいます。
土産物店で聞くと
リピーターの多い知る人ぞ知る  名店なのだそうです。

ようやく訪問出来ました
店主ご本人は鉄砲撃ち  すなわち猟師さんです。

メニューには熊、鹿、イノシシ、キジ、ハクビシン、すっぽん
岩魚、山菜、キノコと垂涎のお品書きがずらりと並びます。

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この辺りでは昔から熊をよく食べてきたそうでして
もっとも、こんな手の込んだ料理じゃなく
吸い物仕立ての澄んだダシに牛蒡や豆腐程度の具を加えた
熊鍋だったといいます。(by 土産物店談)

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店主は相当な働き者で
一年中野山を駆け巡り獲物を獲り、さばき、備蓄し、
山菜を採り、さばき、備蓄し、
キノコを採り、備蓄し、
しかもその合間に畑を耕し、大豆を作り味噌を仕込み
蕎麦を育ててお店で出す

という超人なわけです。
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大豆は毎年鹿が食べるからその分を多めに作付けするのだ
そうですが昨年はどういう訳か食べられなくて済み
その分余ってしまって豆腐屋さんに売った。
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などと笑い飛ばすのですが
これ、相当な仕事量なのが想像できますでしょうか?

また、
一口に蕎麦を育ててるというと
『わ~  いいわね♪』
などと嬌声が上がりそうですが
その仕事の大変さと言ったらとんでもないレベルなのです。

現に
「蕎麦は大変でしょう?」と聞くと
息子さんは
「もうこんなのは止めてくれ!」と悲鳴を上げている
との事です

ま  でも止めないですね
あの顔じゃ。

この蕎麦で面白い事を発見するのですが
それは次項に回すとして

メニューには熊のもつ鍋というのがあります。
はて?
「内臓は食べません」(by 土産物店談)
と言ってたはずだけど

と思い尋ねると
「自分で食べて美味しかったら人にも食べさせたいから」
とさらりと答えます。

この一言でご主人が大好きになりました。
それこそが料理店、料理人の原点なのです。

華やかな技量を誇ったり、競ったりは何のためにあるのか
をすっかり忘れ果てたような
それどころかひたすら手を抜いて安直な金儲けばかりに走る
里の料理人に

あらゆる豊富な食材に囲まれていながらよりによってという
モノにばかり手を伸ばす
街の料理人に

違法性さえ問われなければ少々の危険なんか
知らないとばかりに添加物に頼る
食品加工業者に

耳をかっぽじって良く聞け!
と言ってやりたいこの嬉しい一言  

この日は熊のつけ蕎麦とくま丼を頂きました。
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生きるものを殺して商いをすることの罪深さをしっかりと自覚し
「あなたの命をいただきます」といって
手を合わせ自然の恵みに感謝する

という店主は
美味しく食べていただいてにこやかに帰る
お客の笑顔が私の一番の喜びです
と語ります。

これほどのあっぱれな人を私は他に知りません。
人は自分の苦労ばかり語りたがります。

厳しいこの地で子を育て
この地で出来る事を力いっぱいこなしている人の
気負わない力強さにあふれています。

この方にとっては
猟や農耕、その他全て同一次元なのでしょう。
ひとつとして片手間仕事などないのです。

この地で生き抜くという事を決意したその姿に
ここでもまた自然と折り合いをつけて暮らすカタチを見せてもらいました。

美味しかったです。
何年かかるか判りませんが頑張って通い
このあっぱれな全メニューを制覇したくなりました。

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