いよいよ牛肉の登場です。
カレーと言えばすき焼きと並んで牛肉派と豚肉派とが激しくぶつかるジャンルです。

新婚家庭ではそのどちらを選択するかで衝突をし、結婚とは異なる
食文化の激突だったのか!  と嘆息するむきもあるそうです。(笑)

ここでは宗教ではなく単なる食の記憶だけだからまだ平和でいいのですが、
外国航路のタンカーに乗っていた時、シンガポールのドックに入ったことが
あります。

インド人の役人が乗り込んで来ました。
まるで映画に出てくるインド人のようなカイゼルひげをたくわえています。
ちなみに
私は社会人になってからあんなに威張り散らす人間を見たのは
これが初めてでした。

厨房にも嫌な先輩はいましたが
あれほどあからさまにふんぞり返ってこけおどしをする人間は見たことが
ありません。

おそらくカースト制度の中では下位に属する人間が少しばかりの権威を
得て誇示しなければならないお国柄なのでしょうが
『なんと嫌な奴だろう』と内心苦り切っておりました。

おまけにこのインド木っ端役人が使用したトイレが酷い。
便座の上に土足でしゃがむものだから油の靴跡がべったりと残っているのです。

ですから
私は普段からわざと左手で握手を求めたりといやがらせばかりをしていましたが
もっとぎゃふんと言わせたくて機会を伺っておりました。

彼は普段から勝手に
厨房に入って来てはごみバケツから鯛の頭などを持っていき
カレーにしているのですが
当然感謝の意を表明したことなど全くありません。

とにかくつっかえ棒が必要なくらいふんぞり返っているのです。

機会はきました。

その日はカレーでした。
『おや?』
と鼻をうごめかしながら厨房に入ってきます。
「今日はカレーだよ」と言うと「くれ」と応えます。

「はいよ」とたっぷりと盛ってやりました。  

食べ終わって皿を持ってきます。

「どうだった?」と私
「うむ」とエラソにうなづく木っ端インド役人。
「これは実はビーフカレーだったんだよ」と私

牛肉を食べたインド人の体がどうなるのかは知りませんが
これは相当怒らせたようで
「×*!○▽★☆彡!!!」と喚き散らしますが
こっちは知ったことじゃありません。

くれ  と言われたからやったまでの事
感謝されこそすれ文句を言われる筋合いはありませんが、
その場は一応ジョークという事で収めました。

『ふふんだ  ざまを見なさい
日本人にとってはカレーは牛肉なんだよ、喰わせてやったぜぃ』
と胸のつかえを取ったものです。

やれやれ40年ほど昔の事とは言え
今思い返しても冷や汗ものの怖いもの知らずでした。
時は移ろい
ここ、富山にもインド人の青年が沢山カレー屋さんで従事していますが
皆さん愛想が良くて逆に驚くほどです。
あのヒゲ役人が特別だったのでしょう。


牛肉といえば欧風と決まっているかのようですが、
これをあっさりとしたスパイス風に仕上げられないか?
をテーマにして取り組むこととします。

お客様から頂いた
クリタケ、ナメコ、ムキタケも加えます。
牛肉とキノコのカレー  まるでCMに出てくるようなメニューです。
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私は今年、
有峰ではさっぱりでしたが里山ではキノコ大爆発だったようですね。

牛肉は七尾の上田さんが育てた安心ビーフです。
肉に下味をつけて炒めます。
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スタータースパイスをすり鉢ですりつぶして始め後はいつものように作りました。
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しかし、これは全く美味しくない。

いえ、美味しく感じないと言った方がより適切です。

牛肉に慣れた私たちは普段それ程感じなくなってしまっているんですが
かなりクセの強い肉なんですね。

うーん
そうか  とため息をついてしまいました。
今回のテーマとしては大失敗。 

仕方なくルゥを合わせて欧風カレーに直します。
粉を焼き、スパイスパウダーを混ぜて
多めの玉ねぎを珍しくバターで炒めて加えます。
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すき焼き同様、濃い味だからマッチするのか
それとも昔からなじんだ欧風だから美味しく感じるのか
どちらかは判りませんが

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やはりこちらの方が素直に美味しく食べられます。

しかし、牛肉になった途端欧風にしかならないなんて
そんな訳はないはずだと思いたいところです。
牛肉を使うのならもう少し角度を変えて再チャレンジしましょう。









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